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犬の脂漏症(しろうしょう)とは?原因や症状、治療法を解説

犬の脂漏症は、皮膚の乾燥や皮脂の過剰分泌が原因で発生し、フケが多く出たり、皮膚が臭くなったりする病気です。このページでは脂漏症の種類や症状、原因、治療方法についてまとめました。

犬の脂漏症(しろうしょう)とは

愛犬のシャンプーをしたばかりなのに、すぐに身体がベタつく、独特の体臭がある、カサカサしてフケが出ている、と感じることはありませんか。もしかしたら、それは脂漏症かもしれません。脂漏症とは、皮膚のバリア機能が低下し、皮脂腺から過剰に脂が分泌されてしまう皮膚の状態のことです。

犬の脂漏症はうつる?

犬の脂漏症は、皮脂が過剰になっている状態を指し、脂漏症そのものが、他の犬にうつることはありません。ただし、過剰な皮脂を栄養源とするマラセチアや糸状菌が増殖し、皮膚炎を起こすことがあります。特に、糸状菌による皮膚炎は、犬だけでなく人にも感染する可能性があるため、注意が必要です。

犬の脂漏症の種類

油性脂漏症

さまざまな原因で、皮脂が過剰に分泌されることによって引き起こされる皮膚の状態のことです。この状態では、湿度や皮脂を好むマラセチア菌が増殖しやすくなり、増えたマラセチア菌が弱った皮膚表面を刺激することで、マラセチア皮膚炎を引き起こします。

乾性脂漏症

皮膚が乾燥し、ターンオーバーの周期が短くなることで引き起こされる皮膚状態のことです。乾燥により皮膚のバリア機能が低下し、皮膚糸状菌等の細菌が侵入しやすくなります。

犬の脂漏症の症状

油性脂漏症の症状

・皮膚が脂っぽく、ベタベタする
・脂で被毛に艶があり、触るとベタつきが感じられる
・ベタベタとしたフケやかさぶたが皮膚に付着している
・独特のにおいがする

乾性脂漏症の症状

・皮膚が乾燥してカサカサしている
・毛穴に皮脂が詰まっている
・被毛の艶がない
・白く乾いたフケや鱗屑(白く細かいかさぶたのようなもの)が多くみられる
・乾燥による痒みが出ることがある

犬の脂漏症の原因

原発性(げんぱつせい)脂漏症

遺伝的な体質が原因で発症する脂漏性で、多くは1歳未満と若い時期に現れます。特に発症しやすい犬種としては、アメリカン・コッカー・スパニエル、ウエスト・ハイランド・ホワイト・テリア、ミニチュア・シュナウザー、シー・ズー、ダックスフント、プードルなどが挙げられます。

このタイプの脂漏症は、完治が難しく、体質として長期的にケアしながら付き合っていく必要があります。

続発性(ぞくはつせい)脂漏症

後天的な要因で皮膚のターンオーバーが乱れた結果として発症する脂漏症です。主な原因として、アトピー性皮膚炎や、ホルモン系疾患、皮膚炎、脂質の多い食事や不適切なスキンケアが挙げられます。続発性脂漏症は老齢期に発症することも多く、原因が複数絡み合っている場合もあります。

犬の脂漏症の対処法、治療法

続発性脂漏症の場合、原因となる病気があるときには、その治療が第一優先となります。それ以外の場合や、原因となる病気の治療と並行して、以下の治療法も組み合わせて行います。

1. シャンプー療法

脂漏症のシャンプー療法では、べたつきの強い皮膚に対応するため、皮脂をしっかり落とし、フケを減らすことを目的とした専用のシャンプーを使用します。また、マラセチア皮膚炎がある場合には、抗真菌薬を含んだ薬用シャンプーも併用します。

脂漏症対応シャンプーは、皮脂を落とす作用が強いので、皮膚のバリア機能を弱らせないよう、シャンプー後には必ず保湿を行いましょう。

高温多湿で悪化するからと過度に乾燥させると、かえって皮脂が過剰に分泌され、症状が悪化することがありますので、適度なうるおいを保つようにしましょう。

2. 投薬治療

マラセチア皮膚炎や皮膚糸状菌などの感染がある場合、抗真菌薬抗生物質を服用します。また、痒みが強い場合には、かゆみ止めの薬も併用して症状を緩和します。

3. 食事療法

脂漏症対策には、良質でバランスのとれた食事が重要です。糖質や脂質の過剰摂取を避け、添加物やアレルゲンとなり得る食材も控えましょう。食事で補えない栄養素については、サプリメントでの補給もおすすめです。特に、オメガ3脂肪酸、ビタミンA、ビタミンD、亜鉛などは皮膚の健康維持に役立ちます。

食事でできる愛犬のための脂漏症ケア
【5つのポイント】

①オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)で皮膚サポート
オメガ3系脂肪酸には皮膚のバリア機能を支える働きがあり、脂漏症による炎症や皮膚トラブルの緩和が期待されます。ただし、過剰摂取には注意が必要。

おすすめ食材例:サーモンオイル、フィッシュオイル、亜麻仁油、えごま油

目安量:EPA+DHAで体重1kgあたり約20〜50mg

②良質な動物性たんぱく質を選ぶ
皮膚細胞の再生に不可欠な栄養素です。消化性が良く、アレルギーの原因になりにくいタンパク質源を選びましょう。

例:鹿肉・馬肉・七面鳥・鶏胸肉

③ビタミン類でターンオーバーを整える
ビタミンA:皮膚の再生を助ける
ビタミンE:抗酸化作用で炎症をやわらげる可能性
ビタミンB群:皮膚や被毛の健康維持に寄与

※サプリで補う場合は過剰摂取に注意

④ミネラルのバランスも重要
亜鉛:皮膚の修復と免疫調整に関与
セレン:酸化ストレスから体を守る働き

不足しすぎず、過剰にもならないようバランスをとりましょう。

⑤ アレルゲン除去の「低アレルゲン食」
脂漏症とアレルギーは密接な関係があるといわれています。加水分解タンパク質食や単一タンパク源のフードへ切り替えることで、症状の軽減が期待できます。

まとめ

犬の脂漏症は、犬種や体質が関係することが多く、しっかり対策をとっていても発症してしまうことがあります。特に、原発性脂漏症は、完治が難しく、生涯にわたってケアが必要です。愛犬にとっても、痒みは大きなストレスとなるため、「適切なシャンプーと保湿」や「良質な食事」など、適切な管理を心がけて上手に付き合っていきましょう。

■犬の脂漏症とは
・犬の脂漏症はうつる?

■犬の脂漏症の種類
・油性脂漏症
・乾性脂漏症

■犬の脂漏症の症状
・油性脂漏症の症状
・乾性脂漏症の症状

■犬の脂漏症の原因
・原発性脂漏症
・続発性脂漏症

■犬の脂漏症の治療法
1.シャンプー療法
2.投薬治療
3.食事療法

 

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