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バナナは人間の場合、栄養価が高く、便秘の解消やむくみの予防、生活習慣病の予防などに適した食べ物と言われています。
では、犬の場合はどうでしょうか?ここでは犬にバナナを与えるメリットやデメリット、また、与える場合の適量や注意点をご紹介します。
犬はバナナを食べても大丈夫!でも、ある工夫が必要!!
基本的には犬にバナナを与えても問題ありません。しかし、多くのビタミンやミネラルを含むバナナは、心臓、腎臓疾患の悪化や結石の原因などになる可能性もあります。また果糖(糖質)も量によっては、デメリットになる場合もあるので、与える量やあげ方に注意が必要です。
犬は何歳(いつ)からバナナを食べられる?

バナナには子犬にとって害となる成分は含まれていませんので、離乳後から食べられます。ただし、消化しやすいように小さくカットするか、つぶして与えるようにしましょう。
また、初めて与える時は少量にして、下痢や嘔吐、痒みなど、消化不良やアレルギー症状が出ないかをよく観察してください。
犬にバナナを与えるメリットとデメリット

メリット① 食物繊維を摂取できる
バナナは食物繊維も豊富な食べ物で、100gあたり1.1g含まれており、これはレタスと同程度の量となります。
食物繊維には、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維がありますが、バナナは不溶性食物繊維を多く含み、消化されず便の量を増やすことで便秘の解消に役立ちます。また、水溶性食物繊維は糖質の吸収を緩やかにする作用や、腸内の善玉菌の餌となり、腸内環境を整える作用もあります。
メリット② 整腸作用がある
バナナにはビフィズス菌を増やす働きを持つフラクトオリゴ糖が豊富に含まれています。
フラクトオリゴ糖は、小腸で消化されず大腸まで到達し、ビフィズス菌や乳酸菌などの栄養源となって、善玉菌が増殖します。
腸内環境を良好に保ち、食物繊維と一緒に摂ることで便秘予防に最適とされています。
デメリット① ミネラル(カリウム・マグネシウム)が多い
バナナには100gあたり、カリウムが360㎎、マグネシウムが32㎎と、イチゴやリンゴなどに比べて多く含まれています。カリウムは、心臓や腎臓疾患がある場合、制限が必要になる成分です。マグネシウムはストルバイト結石のリスクを高めることがあります。また、シュウ酸も多いため、シュウ酸カルシウム結石の原因となる可能性もあります。
ミネラルが過剰になると、腎機能の低下、筋肉の衰弱、食欲不振、尿石の生成、肝機能障害、嘔吐などを引き起こしますので疾患がある場合は注意が必要です。
デメリット② ビタミン(ビタミンB6・ビタミンC)が多い
また、バナナには100gあたり、ビタミンB6が380㎎、ビタミンCが16㎎含まれていて、とくにビタミンB6は果物の中でもトップクラスの含有量です。水溶性ビタミンは多く摂りすぎても体外に排出されるため問題ありませんが、脂溶性ビタミンは摂りすぎてしまうと蓄積されていくため、骨障害、脂肪肝、嘔吐、腎障害、高カルシウム血症などを引き起こします。
ミネラルやビタミンは身体を形成する上で大切な成分ではありますが、多く摂れば良いというものではなくバランスがとても大切です。持病があり、特定の栄養素の制限が必要な場合には、バナナ単独で与えると持病が悪化するリスクがあるので与えすぎには注意しましょう。
デメリット③ 糖質が多い
バナナには糖質が多く含まれているので、良いエネルギー源となりますが、摂りすぎることで血糖値が上がる可能性があり、肥満や糖尿病、ガン増殖の原因になることがありますので、与える量やあげ方には注意が必要です。
果物全般には果糖が含まれ、ブドウ糖に変換されます。
GI値(グリセリック指数)とは?
食後の血糖値の上昇を示し、がんのエサになるブドウ糖(グルコース)を100とした場合の相対値のことです。
・GI値の高い食品は、糖質の吸収が早く、がん細胞の発生や転移を促進すると言われています。
・GI値の低い食品は、インスリンの分泌が少なくがん細胞の増殖を抑える働きがあります。
バナナのGI値と基準
高GI値=61以上
低GI値=60以下
バナナのGI値:55
犬にバナナをあげる際の注意点

バナナにアレルギーがある犬もいる
バナナアレルギーのある犬もいます。アレルギー体質の場合は注意が必要です。人間の場合、果物によるアレルギーと花粉症に関連性があるとも言われていますので、アレルギー体質の犬に与える場合には、ごく少量からにして様子をよく観察しましょう。下痢や嘔吐、痒みや発疹などの症状がみられる場合は、アレルギーの可能性もありますので、動物病院に相談しましょう。
皮をきれいに剥く、またはしっかりと洗ってからあげる
バナナを皮ごと与えることはないと思いますが、皮は硬い繊維質の塊であり、犬にとって消化しにくいものなので、必ず皮を剥いてから与えるようにしましょう。また、バナナの皮は、毒性はありませんが、農薬漬けにされているケースもあり、しっかり洗う必要があるため、様々なことを考えますと、やはり皮は剥いてあげた方が無難です。
バナナの加工食品は糖質や油が多いので注意する
人間用のバナナの加工品は、バナナそのものではなく、糖質や油、酸化防止剤などの添加物が使用されていることがありますので注意が必要です。一見バナナのみを使っているように見えても、原材料をよく確認してから与えましょう。もしくは犬用として売られているもの以外は与えないほうが安全です。
犬への適切なバナナの与え方

与える量
バナナのカロリーは1本(100g)あたり約80~90kcalと、果物の中では高めです。犬に与え過ぎると、カロリーオーバーによる肥満を招く可能性があります。下記が一日分の目安です。
・超小型犬 1/4本まで
・小型犬 1/2本まで
・中型犬 1本まで
・大型犬 2本まで
実際はお腹の状態や体格、運動量によって異なりますので、愛犬の状態を見ながら調整してください。
大きさ
生で与える場合には、小さくカットしたり、潰して与えましょう。
とくに口の小さい子犬や、シニア犬は喉に詰まらせないように注意してください。
食べ方、食べさせ方
バナナは単独で食べさせるのではなく、ゆでた野菜と一緒にあげるのがおすすめです。食物繊維が果糖を絡みとり、排出する働きがあるため、より果糖のデメリットを軽減できるという点で有効です。
ゆでた野菜で食物繊維を作るレシピは以下の通りです。
◆サキニコブ(血糖値を上げにくい野菜)
さつまいも・きのこ・人参・小松菜・ブロッコリー
いずれも必ず細かくみじん切りし、3~10分茹でて、ゆで汁は捨てましょう。※焼く、蒸す、レンジはNG
糖分や不要な栄養成分が流れ出ているゆで汁を捨てる事が大切です。
・バナナとゆで野菜の割合は1:1が目安になります。
特にシニア期や内臓疾患のある犬猫ちゃんにはこの様な工夫をしてあげると無難でしょう。
まとめ

バナナは犬にとっては大好物な子も多く、身近で与えやすい果物ですし、栄養的にも犬にとってメリットがあります。しかし、大量に与えた場合や、アレルギーや持病がある時のデメリットも存在します。
生で与える場合には少量で留める。
果糖(糖質)の害を中和させるために同量のゆで野菜と一緒に摂る
などの工夫してあげるのが理想的です。