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犬はアスパラガスを食べても大丈夫?適切な量や与え方、注意点

春に旬を迎える野菜、みずみずしく甘いアスパラガス。今は通年スーパーなどで買える身近な野菜です。炒めものやサラダなど、鮮やかな緑が食卓を彩ってくれますね。そんなアスパラガスですが、犬が食べても大丈夫なのでしょうか?

犬はアスパラガスを食べても大丈夫!ただし加熱は必要

アスパラガスは、加熱して正しく与えれば、犬にとって安全な野菜の一つです。疲労回復を助ける「アスパラギン酸」や、体の調子を整えるビタミンなど、健康に役立つ栄養素も含まれています。

ただし、生のまま与えたり、硬い茎の部分を与えたりすると、消化不良や嘔吐の原因になることも。この記事で紹介する与え方や量を守り、おやつやトッピングとして上手に活用しましょう。

犬に与える際に注意が必要なアスパラガスの成分

アスパラガスには、シュウ酸と中毒物質アルカロイドが含まれているため、与える際は、注意が必要です。

1. 中毒物資アルカロイド

生のアスパラガスには、わずかながらでも中毒性物質であるアルカロイドが含まれているため、生で与えることは避けるべきです。生で与えてしまうと、震えや嘔吐などの症状が出ます。適切な量を加熱して与えれば安心です。

2. シュウ酸

野菜全般に言えますが、生野菜には、「シュウ酸」という成分が含まれています。このシュウ酸は、体内のカルシウムと結びつくと、「シュウ酸カルシウム結石」という結石を作る可能性があります。

シュウ酸カルシウムを放っておくと、尿路に詰まったり腎臓に溜まったりして、腎不全を引き落とすこともあるため注意が必要です。

アスパラガスのシュウ酸は水溶性のため茹でる事で減らすことができます。生ではなく、サッと茹でてから与えた方が良いでしょう。

犬は何歳(いつ)からアスパラガスを食べられる?

幼犬や老犬はアスパラガスを食べても、すぐに悪影響が出るわけではありません。

ただし、シュウ酸をはじめとする成分が結石の原因になる可能性があるので、積極的にあげるのは控えた方が良いでしょう。幼い犬や高齢犬は噛む力が弱く、食べ物を丸呑みする可能性があるため、加熱した食材をできるだけ細かくカットしてから与えるようにしてください。

犬にアスパラガスを与える5つのメリット

1. アスパラギン酸を摂取できる

アスパラガスの名前の由来にもなった栄養素「アスパラギン酸」は、アスパラガス内にある成分で、新陳代謝を刺激し、疲労回復に役立つアミノ酸の一種です。旨み成分でもあり、とくに穂先に多く含まれています。夏バテ気味の時や、運動後の栄養補給をサポートします。

2. ルチンを摂取できる

穂先に含まれる「ルチン」はポリフェノールの一種で、抗酸化作用があります。細胞の老化の原因となる活性酸素の働きを抑え、老化予防に効果的です。また、アスパラギン酸の吸収を助けます。

3. ファイトケミカル「βカロテン」を摂取できる

βカロテンはカロテノイドの一種です。βカロテンから作られるビタミンAには皮膚や被毛の健康状態を保ち、丈夫な粘膜や歯をつくる作用があります。

4. 葉酸を摂取できる

ビタミンB群の一種である葉酸は血液を構成する成分の材料となる栄養素です。新しい細胞の生成を刺激し、赤血球の形成を助けるだけでなく、動脈硬化を予防する効果もあります。

5. カリウムを摂取できる

アスパラガスにはミネラルのひとつであるカリウムが多く含まれています。カリウムは、体内の浸透圧を調整し、体に蓄積した塩分を尿と一緒に排出することで、高血圧を予防し、神経の信号伝達や筋肉の収縮にも寄与する重要な役割を果たしています。

ただし、高齢化や腎臓病の影響で腎臓の機能が低下している場合は、注意が必要です。腎機能が低下していると、余分なカリウムを十分に排出できなくなり、高カリウム血症になる可能性があります。

高カリウム血症は、痙攣、頻脈、不整脈などの症状を誘発し、進行すれば命にかかわることもある要因となります。シニア犬や腎臓病のある犬、心臓機能が低下している犬には、アスパラガスを与えすぎないように気をつけましょう。

犬に与えてもいいアスパラガスの量

■健康な犬の場合の適量
小型犬の場合は、1/3本を目安
中型犬の場合は、1/2本を目安
大型犬の場合は、3/4本~1本を目安

アスパラガスには高い栄養効果がありますが、それのみを大量にあるいは、毎日食べ続けると、栄養のバランスを崩す可能性があります。

毎日与えたり、一度に大量に与えたりするのは避けましょう。迷った場合は、記載の目安量よりさらに少なくすると安心です。

アスパラガスのシュウ酸の害を軽減させるために

アスパラガスには犬にとって多くのメリットのある栄養素が含まれている一方で、シュウ酸も含まれています。シュウ酸は過剰に摂取すると結石の原因となることがあるため、結石になりやすい犬や腎臓に疾患のある犬には特に注意が必要です。

アスパラガスのシュウ酸による害を軽減させるためには、食べ方を工夫すると良いでしょう。アスパラガスを細かくみじん切りにして3分〜10分茹でることで、含まれているシュウ酸をゆで汁のほうに出すことができます。

茹でたお湯にはシュウ酸や、中毒性物質であるアルカロイドも含まれているので必ず捨ててください。

犬にアスパラガスをあげる際に気をつけておきたいこと

犬にアスパラガスをあげる際は、以下の点に注意しましょう。

必ず加熱して与える

生のアスパラガスは硬く、犬には消化が困難です。また、微量ですが嘔吐などを引き起こす可能性のある成分も含まれているため、必ず茹でるか蒸すなど、十分に加熱してから与えてください。茹でる際は、シュウ酸などのアクを抜くために、茹で汁は捨てるようにしましょう。

葉や茎の下部分は与えないようにする

犬に与えて良いのは、人間が食べても美味しいと感じる、穂先と、茎の柔らかい上半分です。茎の下の硬い部分や、表面の硬い皮、そして「はかま」と呼ばれる三角形の部分は、犬には消化できないため、必ず取り除いてください。

喉に詰まらせないよう必ず小さくカットする

加熱して柔らかくなったアスパラガスでも、長いまま与えると喉に詰まらせる危険があります。犬はあまり噛まずに飲み込む習性があるため、しっかり加熱して細かく切ってから与えましょう。

与えすぎると軟便・下痢になるので気を付ける

アスパラガスに含まれる不溶性食物繊維は、摂りすぎると軟便や下痢を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。

不溶性食物繊維は便量を増やし、腸の収縮運動を活発にする役割がありますが、過剰に摂取すると、腸の状態を悪化させることがあります。健康にいいから、ペットがそれを欲しがるからといって、与えすぎないようにしましょう。

犬とアスパラガスについてよくある質問

ここでは、アスパラガスについてよくある質問に回答していきます。

ホワイトアスパラや紫アスパラは大丈夫?

ホワイトアスパラも紫アスパラも、緑のものと同様に、きちんと加熱すれば犬に与えても大丈夫です。

  • ホワイトアスパラ:日光を当てずに栽培されるため、緑のものよりビタミン類は少なめですが、苦味が少なく柔らかいのが特徴。
  • 紫アスパラ:ブルーベリーなどにも含まれる抗酸化成分「アントシアニン」が豊富で、甘みが強い。

グリーンアスパラガスとの栄養価の違いはありますが、犬に与える場合は少量のため、大きな差を気にする必要はありません。

人間用に味付けしたアスパラガスは?

人間用に味付けしたアスパラガスは絶対に与えないようにしましょう。炒め物やベーコン巻きなど、人間用に塩、コショウ、油などで調理されたものは、犬にとって塩分や脂肪分が過剰です。

玉ねぎやニンニクなど、犬に有毒な食材と一緒に調理されていることも多く、非常に危険です。

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まとめ

アスパラガスは犬にとってメリットとなる栄養素が多く含まれており、基本的には加熱すれば与えても問題はありません。しかしながら、犬にとって、アスパラガスには、「アルカロイド」や「シュウ酸」なども含まれており、継続的に与える際には注意が必要です。積極的に与える必要はないでしょう。

アスパラガスのみを単独で与えるというよりは、主食へのトッピングやおやつとして取り入れる程度がよいでしょう。

与える場合には、

・少量で留める
・シュウ酸の害を減らすために、みじん切りにして茹でこぼす

などの工夫してあげるのが理想的です。