腎臓病の犬が食べてはいけないものは?避けるべき食事や注意点を解説 | 和漢・みらいのドッグフード公式ブログ
ペットの健康寿命の鍵は食材選び 食べ方が9割
みらいのドッグフード
みらいのキャットフード
ドッグフード

腎臓病の犬が食べてはいけないものは?避けるべき食事や注意点を解説

腎臓病の愛犬に食べさせてはいけないものがあるのはご存知でしょうか。腎臓病の場合、栄養管理が大変重要です。今回は、腎臓病のおすすめの食事や進行を遅らせる方法などを紹介します。

腎臓病の犬が食べてはいけないもの

リンを多く含む食材

腎機能が低下した犬は、リンをうまく排出できないことがあります。リンの過剰摂取は高リン血症を引き起こし、それによってさらに腎機能を損ない、死亡リスクを増加させる可能性があります。

そのため、リンを多く含む食品(ジャーキーや魚の干物など)を制限する必要があります。リンはタンパク質と相関する栄養素なので、タンパク質の適度な制限がリンの制限にも繋がります。

ただし、リンは皮膚や毛、脳、筋肉など、体を作る大切な栄養素ですので、腎臓病の場合でもある程度の摂取は必要です。

塩分濃度の高いもの

腎臓病が進行すると、腎臓のナトリウム排出能力も低下します。そのため、高塩分食品(魚介類、かつお節、チーズ)を摂取すると血圧上昇などを引き起こし、腎臓に負担をかける可能性があるので、ある程度の制限が必要になります。

高タンパクな食材

タンパク質が30%を超えるような高タンパク食品は、代謝産物(代謝によって産生される化合物)を増加させ、腎臓に負担をかける可能性があります。

7歳以下の成犬期までは、栄養補給としてそれでいいのですが、8歳を超える中高年期以上の犬には20~28%、腎臓疾患を抱えている犬には低タンパク食(20%以下)が理想的です。

ただし、タンパク質があまりにも少ないと筋肉の衰え、毛並みのパサツキなど、かえってデメリットが生じることがあります。タンパク質は腎臓の細胞形成に必要な栄養素でもあるので、適度に制限をして腎臓への負担を軽くしましょう。

腎臓病の犬が食事以外で気をつけるべきこと

薬の飲み忘れ

猫には承認された腎臓病用の薬がありますが、犬には現状、認可された腎臓病用の薬はありませんただし、腎臓病を悪化させないために、症状に応じて薬が処方されることがあります。動物病院で処方された薬は、飲み忘れがないようにしっかり飲みましょう。

過度な運動

激しい運動後には腎臓の数値が高くなることがあり、腎臓病を患っている犬は疲れやすくなるため、過度な運動をさせるべきではありません。

ただし、無理のない範囲での運動は血液の流れを良くし、新陳代謝を促進し、健康に良い効果がありますので、散歩を取り上げることは避け、適度に運動をさせてあげましょう。また、散歩を拒否する場合は、愛犬のペースに合わせてあげましょう。

水分不足

腎臓病にかかった犬は、進行するにつれて腎臓の機能が低下し、体内に必要な水分を保持することが難しくなります。その結果、尿を通じて過剰な水分が失われ、尿の濃縮能力も低下します。

この状態になると食事だけでは水分補給が不十分となり、脱水症状を引き起こすリスクが高まります。そのため、腎臓病を患う犬には常時水を飲める環境を作り、十分な水分補給を確保することが重要です。

歯周病のケア

口腔環境は、腎臓、肝臓、膵臓、心臓、皮膚、骨、アレルギーなど、様々な部位の健康状態と密接な関係があります。お口の不衛生環境が、全身の臓器に飛び火しますので、腎臓疾患の場合には歯周病ケアも大切なポイントとなります。

口腔環境が良くなるだけでもBUN(尿素窒素)やCRE(クレアチニン)など、腎臓の数値が維持できた、下がったというご報告もたくさんあります。

腎臓病の犬におすすめの食事

十分な水分補給

腎臓病の犬には常に水を提供し、十分な水分補給ができるようにすることが重要です。

あくまでも一般的ですが、飲水量の目安としては、体重1kgあたり50~70㏄となりますので、愛犬の飲水量がどれくらいか計ってみることも大切です。

■飲水量が明らかに少ない場合の対処法

1.水の与え方を変える
・水飲みの器を工夫する
・水の温度を変える
・手やシリンジであげる
・飲ませる場所を変える
・蛇口から水を流してみる
・水の種類を変えてみる
・ヤギミルクや乳酸菌を入れてみる

2.食事から水分を補給する
・ウエットフードやふやかしたフードの利用、スープをかける
・茹でた野菜から水分補給する

3.ストレスフリーな環境を作る
・飲みやすい環境
・水の新鮮さを保つ

水を飲んでくれない犬への対処法について詳しくは下記ブログも参考にしてみてください。

低リン、低ナトリウムの食事

犬の腎臓病では、低リン、低ナトリウムの食事が推奨されています。

手作り食をされていらっしゃる方もいますが、腎臓病の犬に適した栄養調整するのは極めて困難です。そのため、しっかりと腎臓のために栄養を調整されたドッグフード(療法食)を選ぶのもひとつの方法です。

オメガ3系不飽和脂肪酸を含む食材

魚に多く含まれるEPAやDHAといったオメガ3脂肪酸は、犬の腎臓病に有効な成分だと言われています。また、オメガ3脂肪酸は、固まらない脂と言われ、体内に蓄積しないことでも知られています。

■オメガ3脂肪酸

えごま油や亜麻仁油、しそ油(α-リノレン酸)、青魚の魚油(DHA・EPA)に多く含まれています。

炎症を抑えたり、ホルモンの働きを整えたりするうえ、癌や腫瘍、腎臓病にも有用性が認められていますので、積極的にあげることをおすすめします。

オメガ3系脂肪酸は熱に弱く、体内で作ることができないので、食べ物から積極的に取り入れる必要があります。いつものご飯に振りかけたり、ヨーグルトに混ぜてたりして与えると良いでしょう。

「スーパーオメガ3パウダー」は陸の植物の亜麻仁と、海の幸マグロから抽出したDHAをブレンドしています。脂っぽさが無く、犬が好む煎りゴマのような風味で食欲をそそります。

腎臓病の進行を遅らせる方法

日々の食事の見直し

食事療法で腎臓ケアを始めようと思ったら、まずは今あげているペットフードの栄養成分を見直してみましょう。

腎臓病に用いられる療法食は、さまざまな栄養成分を制限、調整したものになっています。制限すべき栄養の代表格は「タンパク質」で、ペットフードのパッケージに記載されている「粗タンパク(蛋白)」の部分がそれにあたります。

腎臓病の場合、20%以下の低タンパク質フードが理想的です。一般的な総合栄養食は、30%前後の高タンパク質フードであることが多く、そのまま与えてしまうと、弱った腎臓にさらに負担を与えることになってしまいます。

■無添加でもNG。ジャーキーなどのおやつも注意!

おやつもタンパク質が多いものがあります。例えば、乾燥ジャーキーなどはその代表例です。パッケージの裏側を確認してみて、「粗たんぱく質」が40%以上であれば要注意。タンパク質が凝縮した食品は、腎臓に負担を与えます。

定期的な健康診断

腎臓病は初期段階での症状が分かりにくく、病気が進行してから発見されることが多いです。腎臓病は高齢になると起きやすいので、特に8歳以上のシニア犬は定期的な健康診断を心がけ、早期発見に努めましょう。

適切な薬の選定

腎臓病で処方される薬は腎臓病を完治させるものではありませんが、症状に合わせて腎機能をサポートしたり、結果的に進行を遅らせるための薬になります。処方された薬は、指示通り、しっかりと飲ませるようにしましょう。

まとめ

犬が腎臓病にかかった場合、一度低下してしまった腎機能は元に戻すことはできないと言われています。

そのため、腎臓への負担になる、タンパク質、リン、ナトリウムの制限をすることで腎臓病の進行を緩やかにすることになります。

ただし、制限のし過ぎにも注意が必要です。腎臓病に最適な栄養バランスに調整された療法食を活用し、愛犬の腎臓病ケアをしていきましょう。

■腎臓病の犬が食べてはいけないもの
・リンを多く含む食材
・塩分(ナトリウム)濃度の高い食品
・高タンパクな食材

■腎臓病の犬が食事以外で気をつけるべきこと
・薬の飲み忘れ
・過度な運動
・水分不足
・歯周病のケア

■腎臓病の犬におすすめの食事
・十分な水分補給
・低リン、低ナトリウムの食事
・オメガ3系脂肪酸を含む食材

■腎臓病の進行を遅らせる方法
・日々の食事の見直し
・定期的な健康診断
・適切な薬の選定と服用

犬の癌・腫瘍や腎臓病や肝臓病など特別療法食シリーズ 犬の腎臓病や肝臓病など特別療法食シリーズ

RELATED POST