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愛犬が嘔吐や下痢をしていると、飼い主さんとしては心配ですよね。もしかしたら、消化不良が原因かもしれません。消化不良の症状や、考えられる原因、それぞれの対処法について解説していきます。
犬の消化不良の症状
嘔吐
犬の嘔吐の原因はいくつかありますが、食後数時間してから、消化途中の食べものを嘔吐する場合、消化不良が疑われます。とくにドッグフードやおやつの原型を留めているものを吐いた場合は、ほぼ消化不良と考えて間違いないでしょう。
ちなみに、健康的な犬でも嘔吐することがありますが、この場合吐くのは胃液などです。
胃液を吐く場合には、空腹からくるエネルギー不足であることが多いため、毎日の食事量が少ない可能性もあり、むしろ多くするなどの見直しをする必要があります。
また、食べた直後に、胃に届いていない未消化のものを吐き出す場合は「吐出」といって、嘔吐とは区別されます。吐出は早食いや食道の異常が原因の場合があります。
下痢
犬の下痢の原因はさまざまですが、犬が食後すぐに下痢をしていたら、消化不良を疑う必要があります。消化不良で下痢をしている場合、多くは量を減らす、食事内容を見直すなどの対処をすることで、1~2日で改善することが多いですが、それ以上続く場合は注意が必要です。また、下痢のときは粘膜便になりがちですが、便に血や粘液が混じっている時は、消化不良以外の原因も疑われますので、早めの対処をおすすめします。
嘔吐・下痢に伴う脱水症状
下痢や嘔吐などの症状は、酷くなると体内の水分が失われ、脱水症状を起こすことがあります。とくに子犬やシニア犬の場合は脱水を放置すると危険な場合もありますので、脱水のサインが現れた場合には、早めに病院を受診してください。
●脱水症状のサイン●
・体の皮膚に弾力がなくなり、いつもより硬く感じる
・鼻や舌(口の中全体)がかなり乾いている感じがする
・目が乾いて目やにが出る
・オシッコの量が少ない、又は色が濃い
・呼吸が荒い
愛犬の皮膚が硬く感じるときには、背中の皮膚を指で少しつまんでみてください。そして、つまんだ皮膚を離した際に、つまむ前の状態に戻るまでの時間が2秒以上かかるようであれば、脱水している可能性が高いと判断していいでしょう。
犬の消化不良の原因
食べ過ぎ
人間と同様に、犬も食べすぎによる消化不良を起こすことがあります。犬によっては食欲旺盛で、満腹でも食べ物を欲しがることがあり、「愛犬が欲しがるから…」と、食べものを過剰に与え続けていると、腸内で消化しきれず、消化不良を起こしてしまうことがあります。
食事が合っていない
犬の消化不良には、ドッグフードや食事が合っていないケースもあります。フードの切り替えの時や、食べたことがないものを初めて与える時などは、いつも食べているものに少しずつ混ぜて、段階的にあげるようにしましょう。また、人間の食べ物を盗み食いしてしまったり、お散歩中に拾い食いをしてしまって消化不良→元気が無くなることもあります。外出時も注意が必要です。
ストレス
私たち人間と同様に、犬もストレスを抱えると消化不良を起こしてしまうことがあります。
ストレスによって内臓の機能が低下し、食事の消化・吸収がうまくいかなくなる可能性が考えられます。
犬のストレスの原因はさまざまで、飼い主とのコミュニケーション不足、運動不足、家族構成の変化や引っ越しなどによる生活環境の変化、などが挙げられます。また、警戒心の強い犬の場合には、病院へ行く時や、ペットホテルを利用した時にもストレスを感じてしまうことがあります。
膵炎や胃腸炎などの病気
単純な嘔吐や下痢だと思っていても、病気が隠れている場合があるので注意が必要です。
急性膵炎は、膵臓から分泌される膵液で炎症を起こし、自らの臓器を消化してしまう病気です。急性膵炎の症状としては以下のものが見られます。
・突然の食欲不振
・嘔吐
・下痢
・腹痛からくる震え など
急性胃腸炎は、細菌・ウイルスの感染や、ストレス、中毒などが原因で胃腸に炎症を起こした状態のことで、症状としては以下のものが見られます。
・嘔吐
・下痢
・食欲不振
・元気消失
・吐血(嘔吐に血が混じる)
・血便
・お腹がキュルキュル鳴る
・腹痛 など
犬の消化不良への対処法
食事は適量をあげる
一度に多く食べてしまうことで胃腸に負担がかかって消化不良になり、嘔吐や下痢を引き起こすことがあります。まずは愛犬の体重から目安となる量を計算して与えましょう。
フードが入っている袋の裏に大体の目安が表示されていますので、参考にしてみましょう。
それでも消化不良が見られる場合は、少量を数回に分けて与え、フードはお湯でふやかして与えると食べやすく、消化しやすくなります。また、特定の食べ物を摂取しすぎると、消化不良の原因になる事があります。栄養バランスの良い食事内容も大切なポイントです。
すでに下痢や嘔吐がある場合は、胃腸を休ませるために半日~1日の絶食もお勧めです。食事をあげる場合には、ふやかしたフードなど、消化の良いものを少量ずつ、回数多くあげると胃腸に負担がかかりにくいです。
犬に与えてはいけない食べ物をあげない
基本的に「総合栄養食」の基準を満たしているドッグフードを、適量しっかりと与えている場合、犬にとって必要な栄養素が不足することはあまり考えられません。ドッグフード以外のものを与える場合は、人間にとって無害なものでも、犬にとっては有害なものもあるので注意が必要です。
食事として与えなくても、盗み食いや拾い食いなど、日頃から注意しておきましょう。犬は肉をメインで消化する機能の消化管を持っていますが、生肉は基本的には与えるべきではありません。サルモネラ菌や大腸菌などの食中毒を起こす菌や、トキソプラズマなどの寄生虫を含んでいることが多いため、生肉を与えると嘔吐や下痢の原因になります。最悪の場合、命に関わる可能性もあります。ボイルなどの下処理すると良いでしょう。
その他、中毒を起こす食べ物以外でも、消化不良を起こす事があります。これは、その食べ物に対しての消化機能がもともと備わっていない、もしくは、食物アレルギーがあり、アレルギー症状として嘔吐する場合などが考えられます。このような傾向に注意を払う事も必要です。
【参考】犬が食べてはいけない危険な食べ物18選

散歩・運動を定期的に行う
消化不良の原因として、ストレスや運動不足も考えられます。この場合、ストレスによって自律神経が乱れることで、消化不良が起こります。食後すぐの運動は、胃捻転や胃拡張などの危険性がありますのでお勧めできませんが、定期的な散歩や運動で気晴らししてあげる、飼い主さんとスキンシップをとってストレスを取り除く等、自律神経を整えてあげるのもお勧めです。
犬が過ごしやすい環境を整える
ストレスは運動不足やコミュニケーションだけではありません。基本的な生活環境も大切です。家族構成や引っ越しなど、急激な生活環境の変化がストレスとなり、消化不良に繋がることがあります。また、子犬や老犬の場合は、温度変化に弱く、体が冷えることで消化機能が低下することもありますので、なるべく冷えない環境にしてあげましょう。
健康な胃腸で、燃焼力の維持、サポートする療法食
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まとめ
食べ物を正しく消化・吸収できることはとても大切なことです。犬にとって下痢や嘔吐は、重要な健康チェックの一つと言えます。消化不良が長く続くと、栄養失調で痩せてしまうこともありますし、犬の体力低下も心配です。
食べすぎや、季節の変わり目、環境変化による消化不良は、一過性のことが多いですが、1~2日でおさまらない場合や、下痢と嘔吐が同時に起こる場合には、注意が必要です。特に脱水症状が疑われる場合は、早急な対処を怠ると命に関わる事もあります。
異常が見られた際には今回の記事をご参考に解決策を探り、場合によっては獣医師に相談するなど、適切な対処を行ってください。