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犬のくしゃみが止まらない?考えられる原因や病気の可能性、対処法を解説

犬のくしゃみは一見かわいらしく見えるかもしれませんが、何度も続いたり、他の症状を伴う場合は注意が必要です。

くしゃみは単なる反射や生理現象として起こることもありますが、病気のサインである可能性もあります。この記事では、犬がくしゃみをする原因、犬のくしゃみで考えられる病気、対処法などについて解説します。

犬がくしゃみをするのはなぜ?実は危険のサインかも!

犬のくしゃみは、気道内に入った異物や分泌物などを排出するために起こる一種の防御反応です。一時的なくしゃみであれば心配する必要はありません。

しかし、くしゃみの頻度が高くなっている場合は風邪アレルギーの他、呼吸器に何らかの異常や病変が生じている場合が多く、放置すると時には命に関わるケースもあります。異変を感じたら、早めに動物病院を受診しましょう。

逆くしゃみとは?

逆くしゃみとは発作性呼吸の一種で、犬がくしゃみを吸い込んだように見えることから「逆くしゃみ」と呼ばれています。

通常のくしゃみは鼻孔から勢いよく空気を吹き出しますが、逆くしゃみはこれとは逆に鼻孔から空気を急激に連続して吸い込みます。その際、「ズーズー」「グーグー」といった音を立てるのが特徴です。

逆くしゃみは生理的に起こることもあり、その場合は通常は1分前後で治まり、その後何事もなかったかのように元気になることが多いです。

ただし、頻度が多い場合には病気のサインかもしれませんので、気になる様子が続くようであれば、動物病院を受診しましょう。

犬がくしゃみをする4つの原因

犬のくしゃみは、さまざまな理由で発生しますが、基本的には外部の刺激や体内の防御反応として自然に起こるものです。中でも代表的な原因は以下の通りです。

  • 異物による刺激
  • 強い匂いによる刺激
  • アレルギー反応
  • カーミングシグナル

それぞれの原因について、詳しく解説していきます。

1. 異物による刺激

犬のくしゃみの原因としてまず考えられるのが、異物による刺激です。犬は普段から鼻を使って周囲の匂いや情報を集めています。そのため、散歩中や家の中でホコリや小さな異物を鼻腔に吸い込んでしまうことがあります。これを体外に排出しようとして、くしゃみが起こるのです。

くしゃみは異物を排出するための生理現象であり、一時的であれば心配はありませんが、頻繁にくしゃみをしたり、鼻を気にするそぶりを見せる場合は、異物が鼻腔に深く入り込んでいる可能性があります。このような場合は、無理に取ろうとせず、すぐに動物病院で診てもらいましょう。

また、犬が吸い込みやすい小さなものを床に置かないよう、環境にも気を配ることが大切です。

2. 強い匂いによる刺激

2つ目の原因は、強い匂いによる鼻腔への刺激です。犬の嗅覚はとても鋭く、人間の数千倍も敏感だと言われています。そのため、香水タバコの煙、殺虫剤、香辛料などの強い匂いは犬にとって刺激が強すぎて、くしゃみを引き起こすことがあります。

もし家の中で頻繁にくしゃみをしているなら、こうした匂いが原因になっているかもしれません。

対策としては、香水や消臭剤を無香料のものに変える、空気清浄機を設置するなどの対策を講じると良いでしょう。また、タバコの煙や香辛料などの強い匂いが犬のいる場所に広がらないよう、日常生活の中で少し工夫してあげると安心です。

3. アレルギー反応

アレルギーも犬のくしゃみの原因の一つです。ハウスダストや花粉、ダニなどがアレルゲンとなって、鼻腔を刺激し、くしゃみや鼻水といった症状を引き起こします。

アレルギーによるくしゃみは、春や秋など、特定の季節に見られることが多いですが、室内のハウスダストやダニが原因の場合は、年中くしゃみが続くこともあります。

アレルゲンを特定するためには、動物病院での診察や検査が必要です。また、定期的な掃除や空気清浄機の設置など、アレルゲンを減らす環境づくりを心がけましょう。

4. カーミングシグナル

犬がくしゃみをする原因には、ストレスや緊張を感じたときに出す「カーミングシグナル」の場合もあります。カーミングシグナルとは、犬はストレスや緊張を感じた際、自分を落ち着かせようとするときに見せる行動のことです。

例えば、遊んでいる最中や、初めて会う犬や人に対して少し緊張したときに、くしゃみをすることがあります。これは体調が悪いわけではなく、感情の表れとしてのくしゃみです。

くしゃみの他にも、あくびをする、頭を振る、口を半開きにするなど、様々なカーミングシグナルがあります。犬の行動をよく観察し、必要以上にストレスをかけないように配慮することが大切です。

くしゃみが続くときに考えられる病気

犬のくしゃみは単なる生理反応に過ぎないこともありますが、頻繁に続く場合、何らかの病気が原因である可能性があります。考えられる主な病気は以下の通りです。

  • 突発性鼻炎
  • ウイルス性鼻炎
  • 歯周病
  • ケンネルコフ

それぞれの病気について詳しく解説します。

1. 突発性鼻炎

突発性鼻炎は、犬の慢性鼻炎の中でも最も多い病気です。アレルギーや空気中の刺激物、免疫系の異常が関わっていると考えられています。ただし、明確な原因が特定されることは少なく、完治が難しいのが特徴です。

症状としては、頻繁なくしゃみ、透明で水のような鼻水が続くことが多いです。また、炎症が慢性的に続き、涙や目やにが増えることがあります。

突発性鼻炎は命に直接関わる病気ではありませんが、慢性的な症状が続くため、犬にとっては不快な状態が続くことになります。通常、獣医師の指示のもとで、抗炎症薬や抗ヒスタミン薬などの薬物療法が中心です。環境の改善や定期的なケアも必要になります。

2. ウイルス性鼻炎

ウイルス性鼻炎は、犬ジステンパーウイルスアデノウイルス、犬ヘルペスウイルスなどに感染することで起こります。くしゃみや鼻水に加え、咳や発熱といった風邪に似た症状が現れることが多いのが特徴です。

特にジステンパーウイルスに感染すると、重篤な症状を引き起こし、命に関わることもあります。

ウイルス性鼻炎は、ワクチン接種によって予防することが可能です。特に、ジステンパーウイルスやパラインフルエンザウイルスに対するワクチンは、子犬の頃から定期的に接種することで、感染リスクを大幅に減らせます。

もし、犬がウイルス性鼻炎に感染してしまった場合は、できるだけ早く診断と治療を受けることが大切です。ウイルスが広がる前に抗ウイルス薬や対症療法などを早めに始めましょう。

3. 歯周病

歯周病は、中高齢の犬に特に多く見られる病気で、口腔内の細菌が原因となり、歯茎や歯を支える骨に炎症が起こるものです。

とくに上顎の犬歯は鼻腔に近いため、炎症が進むと鼻腔にまで広がってしまうことがあります。結果として、くしゃみ膿の混じった鼻水が出ることがあります。また、口臭が強くなる、歯がぐらぐらしてくる、食欲が低下するなどの症状も見られることが多いです。

歯周病が進行すると、鼻腔と口腔が繋がってしまう「口腔鼻腔フィステル」という状態になることも。これは、くしゃみが頻繁に起こるだけでなく、鼻血鼻水が止まらなくなるなどの深刻な症状を引き起こします。

治療には、歯石除去や抜歯といった外科的処置が必要になる場合が多いため、普段から予防することが重要です。定期的に歯磨きをしたり、動物病院で歯の健康チェックを受けたりして、早めにケアを心がけましょう。

4. ケンネルコフ

ケンネルコフは、犬の呼吸器に感染する伝染病で、特にドッグランやペットホテルなど、犬が密集する場所で感染しやすくなります。

ケンネルコフの原因には、犬ジステンパーウイルス、犬パラインフルエンザウイルス、ボルデテラ菌などのウイルスや細菌が関わっています。

主な症状は、くしゃみ、乾いた咳、鼻水、発熱です。

この病気は、子犬や高齢犬など免疫力が弱い犬に感染すると症状が悪化しやすく、放置すると肺炎に発展することもあります。

治療には抗生物質や抗ウイルス薬が用いられます。ケンネルコフを予防するためには、子供の頃から混合ワクチンを定期的に接種することが効果的です。また、感染を広げないために、感染が疑われる犬は他の犬との接触を避け、適切な治療を受けることが重要です。

ケンネルコフの治療方法

ケンネルコフは犬の呼吸器に感染する病気のひとつで、くしゃみの原因にもなります。早期に適切な治療を行えば1週間程度で回復することが多いですが、放置すると症状が悪化し、命に関わるケースもあります。ここでは、具体的な治療方法を紹介します。

抗生物質の投与

細菌マイコプラズマが原因である場合は、抗生物質が使われます。

特にボルデテラ菌マイコプラズマなどの細菌が呼吸器に感染しているときは、抗生物質で細菌の増殖を抑え、症状を改善させることが期待されます。

通常、抗生物質は1週間ほど続けて服用します。飼い主が自宅で内服薬を与えることが多いですが、症状の経過を見るために、動物病院での定期的な診察が推奨されます。

ネブライザー

ネブライザーを使った吸入治療が行われることもあります。ウイルスが原因のケンネルコフには、直接ウイルスを排除する治療法がないため、症状を和らげる対症療法が中心です。

ネブライザーは、薬液を霧状にして犬の呼吸器に直接吸入させる装置で、気道を広げ、痰を出しやすくする効果があります。特に、犬が咳込み、呼吸が苦しそうに見える場合、この治療法は効果的です。

吸入治療は動物病院で行われることが多いですが、自宅用のネブライザーを使用するケースもあります。

咳止めの投与

ケンネルコフの主な症状である乾いた咳を抑えるために、咳止めが処方されることがあります。特に、咳込んで眠れない、食欲がないといった場合に、咳止め薬を使用することで症状が緩和されます。

咳止め薬は、犬の状態に応じて内服薬や注射で処方されることが多く、咳が続く期間中、定期的に与えることが推奨されます。ただし、咳を完全に止めることが目的ではなく、必要な量を調整しながら使用することが重要です。

水分補給と栄養管理

4つ目の治療として重要なのが、犬の体力を保つための水分補給と栄養管理です。ケンネルコフにかかると、食欲が落ちたり、脱水症状を起こしやすくなったりします。そのため、水分をしっかり取らせること、消化の良い食事を少量ずつ与えることが大切です。

必要に応じて流動食や栄養補助剤を取り入れながら、無理なく必要な栄養を摂取できるようサポートしてあげましょう。

関連記事:犬が水を飲まない7つの原因とは|適切な対処法や注意点も解説

くしゃみが止まらない時の対処法

最後に、犬のくしゃみは通常短時間で収まりますが、時には長時間続くケースもあります。こうした場面では、以下の対処法を検討してみてください。

  • 動物病院を受診するタイミング
  • 鼻腔内に異物がないか確認
  • アレルギーの可能性を探る
  • 重症化のリスクを考慮

それぞれについて、以下で詳しく解説していきます。

1. 動物病院で診察を受ける

1つ目の対処法は、早めに動物病院を受診することです。もし愛犬のくしゃみが1日に何度も続いたり、長時間止まらない場合は、すぐに動物病院へ連れて行くことを検討しましょう。

特に、以下のような症状があれば、早めの診療が必要です。

  • 鼻水が止まらない
  • 咳が出る
  • 食欲がない
  • 呼吸が苦しそう

動物病院に行く際には、愛犬のくしゃみの回数頻度その他気になる症状をメモしておいたり、動画を撮影しておくと、獣医師が診断する際に役立ちます。

2. 鼻腔内に異物が入っていないかを確認する

2つ目の対処法は、犬の鼻腔内に異物が詰まっていないか確認することです。犬がくしゃみをする原因の1つに、鼻にホコリなどの異物が入るケースがあります。

異物が軽く入っただけなら、くしゃみで自然に排出されますが、もしくしゃみが止まらないなら、鼻腔に異物が残っている可能性も。

自宅で鼻先をそっと観察する程度ならOKですが、無理に取り出そうとするとかえって危険なので、必ず獣医師に診てもらいましょう。

3. アレルギー検査を検討する

3つ目の対処法は、アレルギーが原因であるかどうか確認することです。犬も人間と同様に、アレルギーが原因でくしゃみが続くことがあります。

特に、次のようなアレルゲンが関係していることが多いです。

  • ハウスダスト
  • 花粉
  • ダニ
  • カビ

もし、愛犬が特定の季節や環境でくしゃみをするようであれば、アレルギーが原因かもしれません。この場合、獣医師に相談し、アレルギー検査を受けることが推奨されます。

また、アレルギー対策として、こまめに掃除を行い、空気清浄機を使用するなどの環境改善も有効です。

4. 重症化のリスクを考慮

4つ目の対処法は、重症化するリスクを考慮して早めに行動することです。くしゃみが長期間続く場合、鼻腔内のポリープ腫瘍が原因であることがあります。

特に、くしゃみと一緒に鼻血が出る、片方の鼻孔からだけ血が出る場合は、腫瘍の可能性があります。こうした症状が見られた場合は、早期の診断と治療が不可欠です。

腫瘍の診断には、CTスキャンや内視鏡検査が必要になる場合もあるため、動物病院での精密検査を受けるなど、然るべき対処が必要となります。

まとめ

今回は、犬のくしゃみの原因や病気の可能性、対処法などについて網羅的に解説しました。犬も人間と同様にくしゃみをすることがあり、通常の生理現象であることが普通です。

しかし、中には病気などのサインであることもあるため、飼い主は愛犬の様子を観察し、異変があれば動物病院を受診するようにしましょう。

■犬のくしゃみは危険サインの可能性も

■逆くしゃみとは?

■犬がくしゃみをする原因
1.異物による刺激
2.強い匂いによる刺激
3.アレルギー反応
4.カーミングシグナル

■くしゃみが続くときに考えられる病気
1.突発性鼻炎
2.ウイルス性鼻炎
3.歯周病
4.ケンネルコフ

■ケンネルコフの治療方法
・抗生物質の投与
・ネブライザー
・咳止めの投与
・水分補給と栄養管理

■くしゃみが止まらない時の対処法
1.動物病院を受診するタイミング
2.鼻腔内に異物がないか確認
3.アレルギーの可能性を探る
4.重症化のリスクを考慮

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