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犬にブルーベリーを与えても大丈夫です。ただし、与えすぎは体に良くありません。
今回は、ブルーベリーを与えるメリットや注意点、与え方についてご説明します。
犬はブルーベリーを食べても大丈夫!
犬にブルーベリーを与えても大丈夫です。しかし、ブルーベリーには犬が摂取することが好ましくない成分「シュウ酸」が含まれています。そのため、与える量などに気を配る必要はあります。したがって、ブルーベリーは犬に食べさせても問題はありませんが、積極的に与える必要はないということになります。
犬は何歳(いつ)からブルーベリーを食べられる?
幼犬から高齢犬(老犬)までブルーベリーを食べても、ただちに悪害があるわけではありません。ただし、シュウ酸をはじめとする成分が『結石』の原因になる可能性があるので、積極的にあげるのは控えた方が良いでしょう。また、初めて与える場合には、アレルギー症状が出ないかどうかも確認してください。与える場合は少量ずつ、細かくカットして与えるようにしましょう。
犬にブルーベリーを与える3つのメリット
1. アントシアニンを摂取できる
ブルーベリーには「アントシアニン」というポリフェノールの一種が含まれています。アントシアニンは抗酸化物質であり、犬の体に良くない活性酸素の働きを抑制します。また、抗酸化物質は細胞の老化の防止に役立ち、免疫力の向上や犬の目の疲れにも有効です。
2. ルテインを摂取できる
ブルーベリーには、アントシアニンと同様、目によいといわれている成分「ルテイン」も多く含まれています。
ルテインには、細胞の酸化を防ぐ抗酸化作用のほかに、炎症を抑制する作用があります。
もともと水晶体にはルテインが含まれていますが、加齢とともにその量が減少します。自分の体で作り出すことができないため、食物として摂取しなければいけない成分です。
3.尿phを調整する
ブルーベリーまたはクランベリーは尿路のpHバランスを正常に保つ働きがあります。
そのため、尿のアルカリ度が強い場合に形成されるストルバイト結晶(リン酸アンモニウムマグネシウム)の形成を抑えます。
犬への適切なブルーベリーの与え方
量
ブルーベリーをおやつとして与えた場合は、1日に必要なカロリーの10%程度に留めるべきと言われています。このカロリーから計算すると、与えて良い目安量は以下のようになります。
・超小型犬(体重4kg未満)→ 3粒から10粒
・小型犬(体重10kg以下)→ 11粒から20粒
・中型犬(体重25kg未満)→ 21粒から35粒
・大型犬(体重25kg以上)→ 36粒から50粒
※上記の量はおおよその目安であり、実際の犬の体格や運動量によって異なります。
※他におやつを与える場合には、その分ブルーベリーの量を減らしましょう。
※上記の量であっても、1度に全て与えず、少量ずつ与えましょう。
与え方
ブルーベリーは基本的に生のまま与えることができますが、皮には汚れだけでなく、農薬が残っている場合があるので、よく洗ってからあげましょう。皮は一緒に小さく刻んであげれば問題ありません。
粒のまま与えてしまうと、丸呑みして消化器官に詰まらせたり、消化が追いつかずに嘔吐や下痢を起こす場合がありますので、細かくカットしたり、ペースト状に潰したりして与えるようにしましょう。
『シュウ酸』による害を軽減させる与え方
ブルーベリーは犬にとってメリットのある栄養素が含まれていますが、一方でシュウ酸も含まれています。シュウ酸は過剰に摂取することで結石のもとになることがありますので、結石になりやすい犬や腎臓に疾患のある犬は注意が必要です。
ブルーベリーのシュウ酸による害を軽減させるためには、食べ方を工夫すると良いでしょう。ブルーベリーを茹でることで、含まれているシュウ酸を出すという方法もありますが、生で食べる際には、ブルーベリー単独ではなく茹でた野菜と一緒に与えることをおすすめします。ブルーベリーに含まれるシュウ酸を薄めるという意味で、茹でた野菜の食物繊維は有効です。
ゆで野菜とブルーベリーの割合は 1:1
※高齢犬や内臓疾患のある犬には、この様な工夫をしてあげると良いでしょう。
👇ゆでた野菜で食物繊維を作るレシピは以下の通りです。
◆サキニコブ(血糖値を上げにくい野菜)◆
さつまいも・きのこ・人参・小松菜・ブロッコリー
いずれも必ず細かくみじん切りし、3分以上茹でて、ゆで汁は捨てましょう。
※糖分や不要な栄養成分が流れ出ているゆで汁を捨てる事が大切な為、焼く、蒸す、レンジはNGです。
犬にブルーベリーをあげる際の5つの注意点
1.過剰摂取はアレルギーを起こす犬もいる
ブルーベリーには犬にとって中毒となる成分は含まれていません。ただし、愛犬の体質に合わない場合は、嘔吐や下痢などの消化器症状や、発疹のような皮膚症状が出てしまう可能性があります。いきなり許容量を与えるのではなく、ごく少量から与え、犬の体に変化がないかを確認するようにしましょう。
2.市販のジャムやヨーグルトといった加工品は避ける
ブルーベリージャムやヨーグルト等の加工品は、犬にとって多すぎる糖質が含まれています。糖質の摂りすぎは肥満の原因になりますし、糖質はブドウ糖に分解され、継続的な使用は、中性脂肪や腫瘍の餌にもなる可能性があるため、高齢犬または病気の犬には、与えないようにしましょう。与える場合には、お水や茹でた野菜等をミックスし、糖質を薄めてあげるといいでしょう。
3.食物繊維の摂りすぎに注意する
ブルーベリーには、「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」の2種類の食物繊維が含まれています。
ブルーベリーの食物繊維の割合は、不溶性食物繊維が水溶性の6倍となり、不溶性食物繊維の過剰摂取により、便が大きくなり過ぎたり、固くなり過ぎたりして、かえって排便が困難になってしまいますので与えすぎは注意が必要です。
◆水溶性食物繊維◆
胃腸内をゆっくりと移動するため、腹持ちが良く、食べ過ぎを防ぎます。また大腸内で発酵・分解されることで、ビフィズス菌が増えるため、腸内環境を良くして整腸効果も期待できます。
◆不溶性食物繊維◆
保水性が高いため、胃や腸で水分を吸収して膨らみ、腸を刺激します。これにより「ぜんどう運動」が活発になり便通が促進されるため、便秘の解消に効果的です。
※排便が困難になることがある為、過剰摂取は避けましょう。
4. ビタミンE・ビタミンCが多い
ブルーベリー100gあたり、ビタミンEを1.7㎎、ビタミンCを9㎎含んでいます。水溶性ビタミンは多く摂りすぎても体外に排出されるため問題ありませんが、脂溶性ビタミンは摂りすぎてしまうと蓄積されていくため、骨障害、脂肪肝、嘔吐、腎障害、高カルシウム血症などを引き起こします。
ミネラルやビタミンは身体を形成する上で大切な成分ではありますが、多く摂れば良いというものではなくバランスがとても大切です。持病があり、特定の栄養素の制限が必要な場合には、ブルーベリーを単独で与えると持病が悪化するリスクがあるので、与えすぎには注意しましょう。
5.糖質が高い
ブルーベリー100gあたり、9.6gの糖質が含まれています。これは「桃」や「メロン」「スイカ」と同等レベルです。少量であれば問題ありませんが、過剰に食べると中性脂肪のもとになります。あくまでも、数粒程度に控えましょう。
まとめ
「眼にいい食べ物」として人気のブルーベリー。アントシアニンやルテインなどの眼に良いい成分が豊富なので、犬の体によい果物だといえます。
しかし、体によい食べ物でも、食べ過ぎは体によくない作用を及ぼすこともありますので、下記の様に工夫して与えるのが理想的です。
・与える場合には、少量に留める
・シュウ酸を中和させるために、同量のゆで野菜と一緒に摂る










