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愛犬に豚肉を与えても平気?部位による注意点や健康メリット、おすすめレシピ

豚肉はタンパク質やビタミンが豊富で、私たちの食卓にもなじみのある食材ですが、「愛犬に与えても大丈夫?」と心配になる飼い主さんもいるのではないでしょうか?「健康に良さそうだけど、調理法や注意点は?」と迷うこともあるかもしれません。

豚肉は与え方や部位に注意すれば、犬の健康維持に役立つ優れたタンパク源です。一方で、脂質やアレルギー、加熱不足による感染症などのリスクもあるため、正しい知識を持って与えることが大切です。

本記事では、部位別の特徴や豚肉を与えるメリット・デメリット、与える際の注意点、おすすめのレシピなどを詳しく解説します。愛犬の健康を考えた食事に豚肉を取り入れたい方は、ぜひ参考にしてください。

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愛犬に豚肉を与えても平気

豚肉には良質なタンパク質やビタミン類が多く含まれ、犬の体にとって良い食材ですので、犬に与えても問題ありません。

ただし、豚肉には細菌やウイルス、寄生虫といった病原体が付着している場合があるので、生のままあげることは絶対にやめましょう。

また、与える際はまず少量をあげてみて、アレルギーが出ないかを確認をするとよいでしょう。

愛犬に与えていい豚肉の量

豚肉は栄養価の高い食材ですが、与えすぎは肥満や膵炎、消化不良などの原因になりかねません。犬の体格や年齢、活動量によって適量は異なりますが、基本的には総合栄養食のトッピングや手作り食の一部として、体重1kgあたり1日あたり1〜2g程度の加熱済み豚肉が目安です。

また、脂質の多い部位は控えめにし、最初は少量から始めて体調に変化がないか確認しましょう。

犬に与える豚肉の部位ごとの特徴

豚肉にはさまざまな部位があり、それぞれ脂肪の量や栄養価、消化のしやすさが異なります。犬にとっては、脂肪分が少なく、消化にやさしい部位を選ぶことが大切です。

たとえば、ヒレやモモは低脂質でたんぱく質が豊富なため、日常的に与えるには適しています。一方、バラや肩ロースのような脂の多い部位は、肥満や膵炎を引き起こすリスクがあるため注意が必要です。

下記の表では、主な部位の特徴をまとめたので、部位選びの参考にしてください。

部位 特徴 向いている犬 注意点
ヒレ肉 最も脂肪が少なく高タンパク 全犬種・シニア犬 加熱で硬くなりすぎないよう注意
モモ肉 脂肪が少なくビタミンB群が豊富 普段のごはんに最適 加熱しすぎるとパサつきやすい
ロース肉 ほどよい脂と柔らかさがある 活動量の多い犬 脂身を取り除いて使う
肩ロース 脂質と旨味が多く食いつきがよい 食欲の落ちた犬 脂肪が多めなので、与えすぎに注意
バラ肉 脂肪分が多く味が濃い 一時的なトッピング カロリーが高く、日常使いには不向き
レバー 鉄・ビタミンAが豊富 栄養補給に少量 ビタミンA過剰摂取に注意

鮮度がいいものを選ぶ

愛犬に豚肉を与えるメリット

愛犬に豚肉を与えるメリットは以下の通りです。

  • タンパク質が健康維持につながる
  • ビタミンB1が代謝促進に役立つ
  • ミネラルが皮膚や毛の健康を保つ

それぞれのメリットについて、以降で詳しく解説します。

1. タンパク質が健康維持につながる

動物性タンパク質の塊とも言える豚肉は、犬の体にとって良い食材です。タンパク質は体の筋肉や皮膚、臓器を作るうえで欠かせない栄養素で、タンパク質が不足すると免疫機能が低下し、抵抗力も弱くなってしまいます。

体内に取り込まれたタンパク質は、アミノ酸に分解・吸収され、体に必要なタンパク質を再合成します。また、酵素やホルモンとして健康維持のためにさまざまな働きをします。

タンパク質を評価する方法として、「アミノ酸スコア」という、必須アミノ酸のバランスを測った基準があり、豚肉は最大値の「100」です。アミノ酸スコアは高いほど、必須アミノ酸を効率的に利用できますので、豚肉は質の良いタンパク質と言えるでしょう。

2. ビタミンB1が代謝促進に役立つ

ビタミンB1は、水溶性のビタミンで、チアミンとも呼ばれています。豚肉には、牛や鶏、馬と比べて5~10倍も多く含まれており、特に体の活動の源となる糖質を代謝するために欠かせない栄養素です。

ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変換することで疲労回復に効果を発揮し、他にも中枢神経や末梢神経の機能を正常に保つ手助けをしたり、皮膚や粘膜の健康維持にも役立ちます。

また、豚肉には他のビタミンB群も比較的多く含まれており、特にナイアシン(ビタミンB3)は脂質やアミノ酸の代謝などに必要なビタミンで、タンパク質と一緒に摂ると良いとされています。

3. ミネラルが皮膚や毛の健康を保つ

豚肉には、犬の健康維持に欠かせないさまざまなミネラルが含まれています。

たとえば、カリウムは体内の水分バランスを整える働きがあり、鉛は皮膚や被毛の健康を保つうえで必須の栄養素です。鉄は貧血予防に、マグネシウムは筋肉や神経の働きを助ける役割があります。

これらのミネラルをバランスよく摂取できる点は、豚肉を愛犬に与える大きなメリットのひとつといえるでしょう。ミネラルそれぞれに体の構成をより健康に保つ働きがあります。

愛犬に豚肉を与えるデメリット

豚肉は栄養価の高い食材ですが、デメリットもあります。愛犬に豚肉を与えるデメリットは以下の通りです。

  • 脂質や塩分を摂り過ぎてしまう
  • 寄生虫や雑菌に感染する
  • アレルギー反応を引き起こしてしまう

それぞれのデメリットを以降で詳しく解説します。

1. 脂質や塩分を摂り過ぎてしまう

豚肉の脂には、LDL(悪玉コレステロール)を減少させるオレイン酸(オメガ9)や、抗酸化作用のあるステアリン酸が含まれています。

しかし、脂肪の多いバラ肉や肩ロースなどの部位を大量に与えてしまうと、肥満のリスクが高まり、消化不良や膵臓の炎症などを起こしてしまう可能性が考えられます。

少量なら問題ありませんが、毎日のように与えるのは避けましょう。なるべく脂の少ないヒレ肉などを選び、犬の体格や年齢に合わせて、無理のない量を意識してあげてください。

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2. 寄生虫や雑菌に感染する

人間と同じく、犬にも食中毒のリスクがあります。生の豚肉には細菌やウイルス、寄生虫といった病原体が付着していることがあります。感染すると、下痢や嘔吐、元気がなくなるなどの体調不良を起こす原因になります。

見た目では判断できないため、安全のためにも「しっかり中心まで火を通す」ことが必須です。生では与えず、焼く・茹でるなど、しっかりと加熱処理したものを与えましょう。

3. アレルギー反応を引き起こしてしまう

豚肉に対する食物アレルギーを持っている犬もいます。初めて豚肉を与える際は、少量ずつ与え、食物アレルギーを疑う症状が現れた場合は、すぐに与えるのをやめましょう。

食物アレルギーの症状としては、皮膚の赤みや痒み、目や顔まわりの腫れ、嘔吐、下痢などがあります。

愛犬に豚肉を与える際の注意点

豚肉は、与え方を間違えると健康に悪影響を及ぼす可能性もあります。愛犬に豚肉を与える際は以下の点に注意しましょう。

  • 与える量を調整する
  • 十分に加熱してから与える
  • アレルギーがあるか確認する

それぞれの注意点を、詳しく解説していきます。

1. 与える量を調整する

豚肉はタンパク質や脂質を含んでいますが、与えすぎには注意が必要です。タンパク質の摂りすぎは腎臓や肝臓の負担となり、脂質の摂りすぎは下痢や肥満、膵炎などの原因になることもあります。

また、アレルギーの原因となるタンパク質を摂る機会が増えるほどアレルギーのリスクが高まるため、愛犬の体重や体調を見ながら適量を見極めるようにしましょう。

2. 十分に加熱してから与える

生の豚肉には、E型肝炎ウイルスやトキソプラズマなどの病原体、さらにはサルモネラ菌やカンピロバクターといった細菌が含まれている可能性があります。病原体に感染すると下痢や嘔吐、発熱といった症状を引き起こします。特に免疫力が低い子犬やシニア犬は注意が必要です。

中心部までしっかり火を通すことで病原体を死滅させることができるため、豚肉は焼く、茹でるなど、しっかり加熱したうえで与えましょう。

3. アレルギーがあるか確認する

犬は個体差が大きく、どんなに良い食材でもすべての犬に合うとは限りません。豚肉に対してアレルギーを持っている犬もおり、初めて与える際は慎重に少量から始めましょう。

もし皮膚をかゆがる、目の周りが赤くなる、下痢や嘔吐などの症状が現れたら、アレルギーの可能性があるためすぐに中止を。自己判断で続けず、必ず動物病院で相談するようにしてください。

愛犬に豚肉を与えるおすすめレシピ

犬に豚肉を与える場合は、「茹でる」「焼く」などの調理方法がおすすめです。特に、茹でた場合は肉が硬くなりすぎず、さらに脂質も落とせて、やさしく仕上がるので安心して与えられます。

脂身は取り除き、薄切り肉を湯がくなどして、食べやすい状態にして与えるとよいでしょう。

1. 豚肉と野菜の煮込み

<材料>
・豚肉 ・・・約10g
・野菜(キノコ類、ニンジン、小松菜)・・・約10g
・鰹節 ・・・少量
・水

<作り方>
1)野菜はみじん切りにして、予め3分以上茹で、茹で汁は捨てます。

2)出汁を作ります。
・鍋に水を入れ、火にかけて沸騰させる
・沸騰したら火を止め、鰹節を入れる
・鰹節が鍋底に沈むまで1〜2分おく
・ふきん等を敷いたザルに静かにこす

3)2)で作った出汁に、
1)と食べやすい大きさに切った豚肉を加え、火にかけます。

4)豚肉に火が通ったら、完成です。

※野菜の茹で汁には、結石の原因の可能性のあるシュウ酸などのミネラルが溶け出していますので、捨てるようにしましょう。

2. 豚肉の生姜焼き

<材料>
・豚肉 ・・・適量
・生姜のすりおろし ・・・少量

<作り方>
1)豚肉は愛犬の食べやすい大きさに切ります。

2)すりおろした生姜に豚肉を加え、生姜の味が染み込むようにもみ込みます。

3)2)をフライパンで炒めれば、完成です。

※テフロンのフライパンを使用すると脂質を抑えられます。また、油を使う場合には、菜種油、紅花油などの不飽和脂肪酸のものを使うとよいでしょう。

※疾患があり、タンパク質制限が必要な場合には、「茹でた野菜(みじん切りにして予め3分以上茹で、茹で汁は捨てる)」を豚肉と同量混ぜて与えると、タンパク質比率を制限することができます。

豚肉以外の肉を食べさせても大丈夫?

豚肉以外の肉を食べても大丈夫か気になる飼い主さんもいるでしょう。鶏肉や牛肉、馬肉、羊肉など、豚肉以外にも犬に向いているお肉はいろいろあります。

ただし、それぞれに特徴や注意点があるので、何でも与えてOKというわけではありません。ここでよく使われる4種類の肉について特徴や気をつけるべきポイントを紹介します。

鶏肉

鶏肉は、犬にとって消化が良く、栄養バランスも優れたタンパク質源です。とくにささみや胸肉は、脂肪が少なくて高タンパクです。体に負担が少ないので、食欲が落ちているときや、お腹の調子が不安定なときにも向いています。

ただ、鶏皮やもも肉は脂が多いので、与えすぎには注意が必要です。骨付きのままは危険なので必ず取り除き、しっかり加熱してからあげましょう。

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牛肉

牛肉はカロリーが高く、活動的な犬や体力をつけたい犬におすすめの食材です。赤身の牛肉はタンパク質のほか、鉄分やビタミンB群が豊富で、貧血予防やエネルギー代謝のサポートに役立ちます。

一方、霜降りのような脂肪分の多い部位は、肥満や消化不良の原因になることもあるため、赤身中心に選びます。牛肉も生食はリスクが伴うため、必ずしっかりと火を通してから与えましょう。脂質やカロリーの調整が必要な犬には、量を控えめにしてバランスを取りましょう。

馬肉

馬肉はヘルシー!アレルギーが心配な愛犬にも使いやすい肉です。牛や豚より脂が少なく、たんぱく質は豊富です。消化にも優れているため、体調が気になるときにも安心して使えます。

鉄分も多いので、元気をつけたい子にもおすすめです。ただ、生であげるときは鮮度や衛生面に注意が必要です。

羊肉

羊肉(ラム肉)はアレルギー対策用の食材として使われており、適量なら安全に与えられます。

ラム肉は独特の香りがあるため好き嫌いが分かれることもありますが、鉄や亜鉛など必須ミネラルが豊富で、免疫力維持や健康促進に貢献します。

ただし、脂肪分が比較的高いため、太りやすい犬や膵炎リスクのある犬には注意が必要です。加熱調理を前提に、初めは控えめな量から与えるようにしましょう。

犬と豚肉についてよくある質問

ここでは、豚肉を犬に与える際、飼い主の間でよく話題になる疑問や不安をQ&A形式で解説します。

Q1. 豚肉を犬に与えてもいいの?

豚肉は犬に与えても基本的には問題ありません。良質な動物性タンパク質やビタミンB群、ミネラルが豊富で、健康維持や疲労回復のサポートに役立ちます。

ただし、必ず加熱してから与えることが大前提です。生肉には細菌や寄生虫が付着している可能性があり、下痢や感染症を引き起こすリスクがあります。また、脂肪分の多い部位は肥満や消化不良の原因にもなるため、脂身を取り除いた赤身を選び、適量を守って与えることが大切です。

Q2:犬に生ハムやベーコンを与えても大丈夫?

生ハムやベーコン、ウィンナーなどの加工肉は、犬にとって不要かつ危険な食材です。高濃度の塩分や香辛料、保存料が含まれており、犬の腎臓や肝臓に大きな負担をかけます。

とくに小型犬やシニア犬では、少量でも高血圧や腎機能障害の引き金になる可能性があります。人間にとっては美味しくても、犬には害になることを念頭に置きましょう。豚肉を与える場合は無添加・無味の加熱調理が鉄則です。

Q3. 豚肉を食べた後、犬が下痢や嘔吐をしました。どうすればいい?

豚肉を食べた後に下痢や嘔吐などの症状が出た場合、消化不良、脂肪の過剰摂取、あるいは食物アレルギーの可能性があります。

豚肉の調理法や与えた量、部位を振り返ってみましょう。脂身の多い部位や加熱が不十分な場合に起こりやすく、初めて与えた場合は体質に合わなかったことも考えられます。水分をしっかり与えて安静にさせ、症状が長引く場合や悪化する場合は、すぐに動物病院に相談してください。

Q4. 犬が豚肉を食べないとき、代わりに何をあげればいい?

犬が豚肉を食べない理由は、匂いや食感が好みに合わない、体調不良、もしくはストレスなどが考えられます。無理に与える必要はなく、代わりに消化の良い鶏ささみや白身魚、馬肉など、犬の体に優しい高たんぱく食材を試してみましょう。

また、野菜と組み合わせて調理することで風味が変わり、食いつきが良くなることもあります。食べないことに焦らず、愛犬の様子を見ながら他の食材へ切り替えていくことが大切です。

まとめ

本記事では、犬に豚肉を与えるメリットや注意点、与え方について詳しく解説しました。

豚肉は良質なタンパク質やビタミンB1、ミネラルを含み、犬の健康維持に役立つ食材です。ただし、生肉には細菌や寄生虫のリスクがあるため、必ず加熱してから与える必要があります。

また、脂質や塩分の摂り過ぎ、アレルギー反応のリスクを避けるため、与える量や頻度を調整することが大切です。本記事の内容を参考に、愛犬の健康管理に役立ててみてください。

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