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ごぼうは食物繊維が豊富で人間の健康に良い食材ですが、愛犬に与えても大丈夫なのでしょうか?犬にとってもごぼうには腸内環境を整える効果が期待できますが、いくつかの注意点もあります。
この記事では、ごぼうの栄養面でのメリットや適切な与え方、犬にとっての注意点について解説します。
基本的に犬はごぼうを食べても大丈夫
ごぼうは犬が食べても大丈夫な野菜のひとつです。
ごぼうには食物繊維などの栄養成分が含まれており、愛犬のお腹の調子を整え排便を助けます。さらに、必須アミノ酸とミネラルが含まれているため、犬の健康維持に役立つ栄養素が豊富です。
しかしながら、ごぼうはキク科の植物なので、中にはアレルギー反応が出る犬もいます。生のままだと消化不良になりやすいので、与える前には必ず茹でるなどの調理をしましょう。
犬は何歳(いつ)からごぼうを食べられる?
ごぼうは、幼犬から食べることが可能です。
ただし、ごぼうに含まれる食物繊維は硬めで、独特の苦味成分も含まれているため、そのまま与えるのは避けましょう。そのため、茹でることにより、ファイトケミカルを排出させ、柔らかくしたり、細かく砕いたりなどの前処理をして、愛犬にとって食べやすくするとよいでしょう。
犬にごぼうを与える4つのメリット
ごぼうの食物繊維犬にごぼうを与えるメリットは以下の4つです。
1. 食物繊維(リグニン・イヌリン)をバランスよく摂取できる
ごぼうの食物繊維は、不溶性の「リグニン」と水溶性の「イヌリン」の2種類がバランスよく含まれています。
リグニンは、体内の物質やコレステロールを排出する効果があり、犬の健康維持やアンチエイジングが期待されます。
イヌリンは体内でゲル状態になることで、血糖値の急激な上昇を防ぎながら、腸内の善玉菌を増やすため、糖尿病の予防や腸内の健康サポートに役立つと考えられます。
これら2種類の食物繊維によって、犬の腸内環境を整え、便秘の予防・改善をすることが期待できます。
2. アミノ酸(アルギニン・アスパラギン酸)を摂取できる
「必須アミノ酸」とは、体内で必要量が十分に合成できず、食事から摂取する必要のあるアミノ酸のことで、犬には10種類必要とされています。
■具体例:アルギニン、イソロイシン、スレオニン、トリプトファン、バリン、ヒスチジン、フェニルアラニン、メチオニン、ロイシン、リジン
ごぼうには、そのうちのひとつ「アルギニン」が含まれています。
アルギニンは、犬の体内で生成されるアンモニアを無毒化し、尿として排出するメカニズムをサポートします。また、犬の疲労回復や体調管理においても最低限必要なものであり、適切な栄養供給として摂取が推奨されることがあります。
アスパラギン酸は、アスパラガスに特に豊富に含まれるアミノ酸として知られていますが、実はごぼうにも含まれています。そして、このアミノ酸は、窒素やエネルギーの代謝に重要な役割を果たすと共に、アンモニアの解毒作用もあると知られています。そのため、運動後の回復としてごぼうを与えるのもよいでしょう。
3. ポリフェノール(クロロゲン)を摂取できる
ごぼうにはクロロゲン酸が含まれています。ポリフェノールの一種で、コーヒー豆やじゃがいもなどに含まれる成分です。
クロロゲン酸には抗酸化作用があり、体内の活性酸素から細胞を守る働きがあります。活性酸素は細胞を酸化させ、老化を早める原因となりますが、クロロゲン酸は活性酸素を抑制することで、犬の老化防止に役立ちます。
4. 体の機能維持に必要なミネラルが豊富
ごぼうには犬の健康に欠かせないミネラルが豊富に含まれています。特にカリウム、カルシウム、マグネシウムといった「多量ミネラル」が含まれており、これらは犬の体の基本的な機能維持に欠かせない栄養素です。
カリウムは細胞の浸透圧を調整し、筋肉や神経の正常な機能を維持するのに役立ちます。カルシウムは骨や歯の形成だけでなく、神経伝達や筋肉の収縮にも必要な成分です。マグネシウムは酵素反応の促進や筋肉機能の調整に関与しています。
犬への適切なごぼうの与え方
ごぼうを愛犬の食事に取り入れる際は、適切な量や大きさ、調理法を守ることが大切です。正しい与え方を実践すれば、ごぼうの栄養素を上手に摂取させることができます。以下で、具体的な与え方のポイントを見ていきましょう。
量
ごぼうの1日の摂取目安量は、以下のとおりです。
体重5㎏ 30g程度
体重10㎏ 50g程度
体重20㎏ 90g程度
それほど多い量ではありません。
消化不良や下痢のリスクを避けるためにも、ごぼうを与える際は目安を守って与えてください。ドッグフードのトッピングや他の野菜と混ぜて使用するのもよいでしょう。
大きさ
ごぼうは繊維質が硬いため、犬が食べやすい大きさに調理する必要があります。細かく刻んだごぼうを茹でるか、茹でたものをフードプロセッサーで砕くとよいでしょう。柔らかく消化しやすい状態で愛犬に与えることができます。
食べ方
犬にごぼうを与える際は、必ず加熱調理してから与えましょう。生のごぼうは繊維が非常に硬く消化に良くないだけでなく、アクや苦味成分も強いため、犬の胃腸に負担をかけます。
茹でることで繊維が柔らかくなり、成分が軽減され、消化しやすくなります。また、アク抜きをしっかり行うと、より安全に与えることができます。レンジや蒸し器を使って十分に柔らかくしてから与えるのがおすすめです。
犬にごぼうをあげる際の注意点
犬にごぼうをあげる際は、以下の点に注意しましょう。
- 火を通してから与える
- カットする際は食物繊維を断ち切るように細かく刻む
- キク科の植物にアレルギーがある犬には与えない
- アク抜きを行う
- 適量を守る
- 調味料は使わない
それぞれの注意点を詳しく解説します。
火を通してから与える
ごぼうは必ず加熱調理してから犬に与えましょう。生のごぼうは消化が難しく、犬の胃腸に負担をかける可能性があります。また、加熱することで硬い食感が柔らかくなり、喉につまるリスクも減ります。
茹でる、蒸す、電子レンジで加熱するなど、調理方法は様々ですが、いずれの場合も十分に火を通すことがポイントです。指で押して柔らかくなる程度まで加熱すると良いでしょう。
カットする際は食物繊維を断ち切るように細かく刻む
ごぼうの特徴である硬い繊維質は、犬にとって消化しづらいものです。そのまま大きな状態で与えると、消化不良を起こしたり、腸に負担をかけたりする恐れがあります。犬が安全に食べられるよう、ごぼうの繊維を断ち切ることが大切です。
硬い繊維を断ち切るように包丁で細かく刻むかフードプロセッサーなどでペーストにして与えるとよいでしょう。
キク科の植物にアレルギーがある犬には与えない
ごぼうは春菊やレタス、ひまわりと同じキク科の野菜です。多くの犬には問題ありませんが、キク科のアレルギーを持つ愛犬は、ごぼうにもアレルギー反応が起こる可能性があるので注意が必要です。
以前に春菊やレタスなど他のキク科植物を食べた際に、皮膚のかゆみ、発赤、嘔吐、下痢などの症状が出た場合は、ごぼうも与えないようにしましょう。
アク抜きを行う
ごぼうは便通を整える効果がありますが、シュウ酸を含むアクが尿路結石の原因となったり、腎臓に負荷をかけたりする可能性があります。愛犬に与える前には必ずアク抜きをしましょう。
アク抜きの方法は簡単です。ごぼうをよく洗い、たっぷりのお湯でしっかり茹でることでアクを取り除くことができます。茹でる際に一度お湯を捨て、新しいお湯で再び茹でるとより効果的です。
さらに、柔らかく茹でたごぼうは細かく刻むか、フードプロセッサーでみじん切りにすると、消化しやすく食べやすくなります。
適量を守る
ごぼうは犬の健康に良い食材ですが、与えすぎは逆効果になりかねません。食物繊維を過剰摂取すると、便秘や下痢などの消化器系トラブルを引き起こします。
基本的には総合栄養食であるドッグフードで十分です。あくまでおやつとして、ドッグフードが主食であることを忘れないでください。
調味料は使わない
犬にごぼうを与える際は、塩や砂糖、醤油、油などの調味料は使わないようにしましょう。人間が美味しく食べるための味付けは、犬の健康にとって有害なことが多いのです。
特に塩分を摂取しすぎると、高血圧や腎臓への負担を増大させる原因となります。また、油分が多いときんぴらごぼうのような料理は消化不良や肥満の原因に。砂糖も血糖値の急上昇を招き、肥満や糖尿病のリスクを高めます。
なお、犬は人間ほど味の違いに敏感ではないため、シンプルな調理でも十分に美味しく感じます。
また、市販のごぼうチップスやごぼう茶などの加工品も注意が必要です。これらの加工品には保存料や香料、甘味料などの添加物が含まれていることが多く、犬の体に悪影響を及ぼす可能性があります。特に甘いごぼう茶や揚げられたごぼうスナックは与えないようにしましょう。
ごぼう以外の根菜は食べられる?
犬は様々な根菜類を食べることができます。ただし、根菜によって適した調理法や注意点が異なるため、愛犬に与える前に確認しておきましょう。
れんこん
れんこんは犬に与えても問題ない根菜の一つです。食物繊維やビタミンCが豊富で、免疫力の向上や腸内環境の改善に役立ちます。アクが少ないのも特徴ですが、生のまま与えるのは避け、必ず茹でるなどして柔らかくしましょう。
穴に食べ物が詰まると誤嚥の原因になるため、薄くスライスするか細かく刻んでから与えるのがおすすめです。
にんじん
にんじんはβカロテンが豊富な根菜で、皮膚や被毛の健康維持、目の健康に効果的です。生でも茹でても与えることができますが、消化のしやすさを考えると茹でてから与える方が安心です。
電子レンジを利用して少量の水で短時間加熱すれば、栄養素を逃さず柔らかくすることができます。
さつまいも
さつまいもは犬にとって栄養価の高い根菜で、食物繊維やビタミンB6、ビタミンCが豊富です。必ず皮を剥いて加熱調理してから与えましょう。生のさつまいもにはトリプシンインヒビターという酵素阻害物質が含まれていて、消化不良を引き起こす可能性があります。
少量から始め、様子を見ながら与える量を調整してください。甘みがあるため犬も喜んで食べますが、高カロリーなので与えすぎには注意が必要です。
大根
大根は水分が多く低カロリーな根菜で、消化酵素を含むため胃腸の働きを助ける効果があります。生でも与えられますが、すりおろしたり、薄く切って加熱するとより消化しやすくなります。葉の部分は栄養価が高いものの、辛味成分が強いため避けた方が無難です。
犬とごぼうについてよくある質問
最後に犬とごぼうについてよくある質問に回答していきます。
Q1:犬にごぼうを与えても問題ない?
ごぼうは犬に与えても問題ありません。ごぼうには食物繊維やアミノ酸、ミネラルなど犬の健康維持に役立つ栄養素が豊富に含まれています。腸内環境を整えたり、疲労回復を促したりする効果が期待できます。
ただし、総合栄養食(ドッグフード)が主食であることを忘れず、ごぼうはあくまでおやつやトッピングとして適量を与えるようにしましょう。
Q2:犬に生のごぼうを与えても大丈夫ですか?
生のごぼうを犬に与えるのはおすすめしません。生のごぼうには硬い食物繊維が含まれており、犬の消化器官に負担をかける可能性があります。また、生のごぼうにはアクや苦味成分も多く含まれているため、消化不良や下痢などの原因になることがあります。
ごぼうはしっかり加熱して柔らかくし、アクを抜いてから与えるのが安全です。茹でるか蒸すなどの調理法で十分に火を通し、繊維を断ち切るように細かく刻むと消化しやすくなります。
Q3:ごぼう茶は犬に飲ませても大丈夫ですか?
無添加のごぼう茶であれば、少量なら犬に与えても問題ありません。ごぼう茶は食物繊維やミネラルが含まれており、腸内環境を整える効果が期待できます。ただし、市販のごぼう茶には砂糖や塩分、香料などが添加されていることがあるため、原材料をしっかり確認してください。
ごぼうは量と与え方に気をつければ大丈夫
犬はごぼうを食べても問題ありません。
ごぼうは必須アミノ酸やミネラル、食物繊維が豊富で犬の健康維持に効果的です。腸内環境を整えたり、疲労回復を促したりする効果も期待できます。
しかし、食べ過ぎると消化不良や下痢、便秘の原因となるため、体重に応じた適量を与えることが大切です。 与える際は、必ず茹でてアク抜きし、食物繊維を断ち切るように細かく刻んで与えるとよいでしょう。
適切な量と調理方法に注意しながら取り入れて下さい。
■基本的に犬はごぼうを食べても大丈夫
必須アミノ酸とミネラルが含まれているため、健康維持に役立つ野菜
アレルギー反応が出る犬もいます。生のままだと消化不良になりやすいので、与える前には必ず茹でるなどの調理をする
■犬は何歳(いつ)からごぼうを食べられる?
幼犬から食べられる■犬にごぼうを与える4つのメリット
①食物繊維(リグニン・イヌリン)をバランスよく摂取できる
②アミノ酸(アルギニン・アスパラギン酸)を摂取できる
③ポリフェノール(クロロゲン)を摂取できる
④体の機能維持に必要なミネラルが豊富■犬への適切なごぼうの与え方
・量
・大きさ
・食べ方■犬にごぼうをあげる際の注意点
・火を通してから与える
・カットする際は食物繊維を断ち切るように細かく刻む
・キク科の植物にアレルギーがある犬には与えない
・アク抜きを行う
・適量を守る
・調味料は使わない■ごぼう以外の根菜は食べられる?
・れんこん
・にんじん
・さつまいも
・大根■犬とごぼうについてよくある質問
・Q1:犬にごぼうを与えても問題ない?
・Q2:犬に生のごぼうを与えても大丈夫ですか?
・Q3:ごぼう茶は犬に飲ませても大丈夫ですか?
■ごぼうは量と与え方に気をつければ大丈夫
・体重に応じた適量を与えることが大切
・必ず茹でてアク抜きし、食物繊維を断ち切るように細かく刻んで与えるとよい









