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犬にたまごを与えても問題ありませんが、与える量の管理とアレルギーへの注意が必要です。
このページでは、犬にたまごを安全に与える方法、および注意すべきポイントについて解説します。
犬にたまごをあげても問題ない!
基本的には、犬にたまごを与えても問題ありません。たまごは高品質のタンパク質や、必須アミノ酸、脂肪酸、ビタミン、ミネラルをバランスよく豊富に含んでいる食材です。そのため、良質なタンパク源として栄養補給に有効とされています。
犬は何歳(いつ)からたまごを食べられる?
たまごには、犬にとって害となる成分は入っていないため、幼犬から老犬までどの年齢でも与えることが出来ます。ただし、消化機能が未熟な離乳前後の時期や、消化機能が衰えてくる老犬の時期は、注意が必要です。
また、腎臓、肝臓など内臓疾患があり、タンパク質制限が必要な犬の場合は与え方に注意し、与える場合は少量から与えましょう。
犬にたまごを与える4つのメリット
1. タンパク質を摂取できる
タンパク質は、エネルギーの供給源になるほか、細胞を構成する主要な成分です。筋肉・臓器・皮膚・被毛などを構成したり、ホルモンや抗体などを作ったりします。
たまごは、高品質のタンパク質を豊富に含んでいるため、犬の食事において非常に良い食材です。特に、たまごのタンパク質は必須アミノ酸をバランス良く含んでおり、犬の健康にとって重要な栄養素となります。
たまごを犬の食事に適切に取り入れることで、その栄養価を最大限に活用することができるでしょう。
2. 脂質を摂取できる
脂質もタンパク質と同様、エネルギーの供給源になるほか、細胞やホルモンの構成成分となったり、ビタミンの吸収を助けたりと、なくてはならない栄養素です。
3. ビタミンAを摂取できる
ビタミンAは、正常な視覚、健康な被毛・皮膚・粘膜・歯をつくる働きがあります。ただし、ビタミンAの過剰摂取は、骨関節の異常や消化器系のトラブル、皮膚の炎症やかぶれ等の症状を引き起こす可能性がありますので注意しましょう。
4. ビタミンB2を摂取できる
たまごにはビタミンB群の一種であるビタミンB2が含まれており、特に卵黄には多くのビタミンB2が含まれています。ビタミンB2は、皮膚と被毛を健康に保つために非常に重要な栄養素です。また、糖質、脂質、タンパク質を効率的にエネルギーに変換する重要な役割も果たしています。
ビタミンB2の不足は、皮膚の乾燥や毛並みの悪さ、さらに光線過敏症などの皮膚トラブルを起こす可能性があります。
犬への適切なたまごの与え方
量
【1日に摂取してもよい目安量】
小型犬(体重10kg以下)~約41g(約0.8個分)
中型犬(体重25kg未満)~約80g(約1.6個分)
大型犬(体重25kg以上) 約80g(約1.6個分)~
※上記の量はおおよその目安であり、
実際の犬の体格や運動量によって異なります。
ただし、毎日与えると栄養過多になってしまったり、過剰摂取によってアレルギーの発症や肥満の要因になったりするなど、悪影響を及ぼすこともありますので注意しましょう。
大きさ
たまごは加熱しても硬い野菜と比べれば柔らかく、消化しやすい特性を持っています。 ただし、塊や大きなままだと、消化器に負担がかかったり、のどに詰まるリスクがあります。できる限り細かく刻んで、小さくしてから与えるように心がけましょう。
食べ方
犬にたまごを与えるときは、生でも、加熱処理(茹でる、焼くなど)をしても、基本的には安全です。ただし、腎臓、肝臓などの内臓疾患があったり、シニア犬の場合には工夫をして与えると理想的です。
特に内臓疾患がある場合には低タンパク(タンパク質20%以下)が推奨されますが、たまごを単独で与えるとタンパク質比率が約30%と高くなってしまいます。そのため、与える場合は茹でた野菜でタンパク質の濃度を薄めてあげると良いでしょう。
【茹で野菜の調理方法】
★推奨される野菜(血糖値を上げにくい野菜)
…サツマイモ・キノコ類・ニンジン・小松菜・ブロッコリー
1.みじん切りにして3分以上茹でる
2.茹で汁は捨てる(シュウ酸除去の為)
※焼く、レンジはNG
上記のように処理した野菜を、たまごと1:1の割合で使っていただくことで、腎臓、肝臓疾患のある犬のみならず、シニア犬にも負担のないものとなりますので、ぜひお試しください。
犬にたまごをあげる際の注意点
油や塩などの調味料は使わないようにする
人間用の味付けは犬にとって非常に濃く、調味料を使用すると塩分過多や糖質過多により肥満や糖尿病のリスクを高めることになります。そのため、たまごを与える際は調味料で味付けしないようにしましょう。
生卵をあげる場合は白身を取り除く
生卵の白身に含まれる「アビジン」というタンパク質は、ビタミンB群の一種であるビオチンを吸収しにくくする特性を持っています。ビオチンは、犬の皮膚や被毛を健康に保つために非常に重要です。そのため、大量のアビジンを摂取することによってビオチンが不足すると、皮膚炎や湿疹などが生じる可能性があります。
しかし、実際には人間の場合、生卵の白身を一度に15個食べなければビオチン欠乏症にはならないとされています。つまり、ビオチン欠乏症になるほどのアビジンを摂取することは日常生活では非現実的だといえます。
また、卵黄にはビオチンが豊富に含まれているため、全卵を摂取することでビオチンのバランスが保たれ、欠乏症のリスクが軽減されます。
そして、一般的に犬が生卵の白身だけを飲むことはあまりなく、全卵を食べることが主のため、ビオチン欠乏症のリスクはさらに低くなります。
なお、「アビジン」は、熱を加えると壊れるので、加熱することでより安心して卵をあげることができます。
たまごスープやプリンなどの加工食品は避ける
たまごスープやプリン、マヨネーズなど、たまごの加工食品はたくさんあります。しかし、犬にとっては過剰な塩分や脂質、糖質が含まれているため、与えないようにしましょう。
まとめ
たまごは総合栄養食といわれるほど栄養価の高い食べ物であり、犬に与えても問題ありません。
しかし、腎臓や肝臓など内臓疾患があったり、シニア犬の場合には茹でた野菜をミックスして与えたほうがよいでしょう。また、アレルギー反応を示す可能性もあるため、1日の摂取量に気を付けて与えてください。
■犬にたまごをあげても問題ない!
犬にたまごをあげても問題ありませんが、与えすぎには注意。■犬は何歳(いつ)からたまごを食べられる?
・幼犬から食べることができますが、与える場合は少量から与えましょう。
・幼犬、シニア犬は与える際に注意が必要です。
・腎臓、肝臓などの内臓疾患がある場合は与え方に注意しましょう。■犬にたまごを与える4つのメリット
1.タンパク質を摂取できる
2.脂質を摂取できる
3.ビタミンAを摂取できる
4.ビタミンB2を摂取できる■犬への適切なたまごの与え方
・量…与え過ぎには注意。毎日与えると栄養過多に。
・大きさ…たまごをのどに詰まらせる危険性があるため、細かく刻んでから与える。
・食べ方…加熱しても生のままでも問題無し。
腎臓、肝臓などの内臓疾患のある犬やシニア犬の場合には、
茹でた野菜をたまごと1:1の割合で与える。■犬にたまごをあげる際の注意点
・油や塩などの調味料は使わない。
・生卵をあげる場合は白身を取り除く。
・たまごスープやプリンなどの加工食品は避ける。