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ナスは夏から秋が旬ですが、今は1年中食卓にあがる野菜ですね。
犬がナスを食べても大丈夫なのかは知っておきたいところでしょう。
ここでは犬にナスを与える際のメリット、デメリットや、注意点を解説していきます。
犬はナスを食べても大丈夫
ナスは犬が食べてもいい野菜ですが、「特に食べさせなくてもいい野菜」とも言えます。
ナスには水分が多く含まれる事や、ナスニン、アントシアニン、食物繊維など健康面に有効な栄養素が含まれているといったメリットがあります。
しかし、植物性自然毒である”アルカロイド”を含む野菜でもありますので、食後の犬の体調や与える量には注意が必要です。
犬は何歳(いつ)からナスを食べられる?
幼犬から与える事が出来ます。
ただし、シュウ酸をはじめとする成分が結石の原因になる可能性があるので、積極的にあげるのは控えた方が良いでしょう。
また、ナスの皮の部分は固く、噛む力が弱い幼犬はそのまま丸呑みしてしまう可能性があるので、なるべく細かくカットし、しっかり茹でてから与えるようにしましょう。
犬にナスを与える3つのメリット
1. カリウムを摂取できる
カリウムには利尿効果があり、尿と一緒に体の老廃物を排出してくれます。毎日の尿が少ない愛犬や夏バテ、糖尿病の予防のときにも効果的です。
ただし、加齢や腎臓病で腎臓の機能が低下していると、余分なカリウムを上手に体外に排出できなくなり、血液中のカリウム濃度が上がる「高カリウム血症」になる心配があります。高カリウム血症は、痙攣や頻脈、不整脈などを引き起こす原因になりますので、シニア犬や腎臓病のある犬、心機能が低下している犬に与える場合は獣医師に相談しましょう。
2. ナスニン(ポリフェノール)を摂取できる
ナスには健康効果が期待される、“ナスニン”というアントシアニン系色素のポリフェノールが含まれており、特に皮部分に多く含まれています。ナスニンには強い抗酸化力があるため、過剰な活性酸素による細胞の損傷を防ぎます。
そのため、ガン予防や発ガン性物質の抑制、免疫力の向上、老化予防に役立つといわれています。ガン予防においては、ブロッコリーよりも発ガン性物質を抑制する力が高いということがわかっています。
また、ナスの紫色の色素であるアントシアニンは、眼病予防にも効果的な成分です。
シニア犬になると自らが持つ抗酸化力が低下するので、抗酸化力を持つナスを食べることは有益です。
3. 食物繊維を摂取できる
やわらかい食感からは想像しにくいですが、実は、ナスはおなかの調子を整える食物繊維の宝庫。
腸内環境を整え、便秘の予防・改善はもちろん、血糖値の上昇をゆるやかにしたり、血中コレステロール値を低下させたりする働きがあるので、心筋梗塞や糖尿病などの生活習慣病の予防にも役立ちます。
犬への適切なナスの与え方
与える量
ナスは、栄養成分に脂質や炭水化物が少なく、カロリーが低いので活用しやすい野菜です。水分を多く含むので、水分補給も兼ねる事が出来ます。
ただし、ナスには“アルカロイド”という苦味と毒性を持つ成分も入っています。
常識を超えるほど大量に食べない限り、健康被害とはなり難い程度の量ですが、長期間、継続して食べさせ続けると、アルカロイドの影響で関節の炎症が起きやすくなる可能性があります。
毎日ナスを食べさせるのはリスクが高くなるので、週に1度のおやつ程度とするぐらいが適量です。
■摂取目安量/1日■
体重 5kgの小型犬・・・15g
体重10kgの中型犬・・・30g
体重20kgの大型犬・・・50g
※目安量程度に留めておきましょう
大きさ
ナスの栄養素である「ナスニン」を豊富に含む”皮”は積極的にとり入れたい部位です。
ただ、ナスの皮は固く「消化しづらい」ものです。
人間よりも消化器官が発達していない犬のお腹にとっては、優しい食材とは言えず、体の負担となってしまいます。
ナスの身も皮も、熱にも強いですから、生ではなく湯がいてやわらかくしましょう。
そして、皮はなるべく細かく刻むか、ミキサーでペースト状にして与えるのがお勧めです。
また、「ナスニン」は水溶性なので、スープなどにするとさらに効率よく摂取することができます。
食べ方
ナスを犬に食べさせる際は加熱が必要です。
ナスニンが多い皮部分は固いので、軟らかくしてから食べさせましょう。
ナスにはシュウ酸も含まれています。シュウ酸は過剰に摂取することで結石のもとになることがありますので、結石になりやすい犬や腎臓に疾患のある犬は注意が必要です。
ナスのシュウ酸による害を軽減させるためには、食べ方を工夫すると良いでしょう。
★工夫1:ナスを細かくみじん切りにして3分程度茹でる
★工夫2:茹でたお湯にはシュウ酸や、中毒性物質であるアルカロイドも含まれているので必ず捨てる
犬にナスをあげる際の注意点
揚げナスや炒めナスは油が多いのであげない
ナスは油を吸収しやすい食べ物です。
揚げナスや油で炒めたものを与えると、消化不良を起こし、下痢や嘔吐をしてしまう事があります。
また使用する油には酸化防止剤やトランス脂肪酸など疾患のリスクを高めるものが含まれている場合もあるため、油で調理をしたナスは与えない方が良いでしょう。
特に、膵炎を患っている犬には与えてはいけません。
葉・茎にはアルカロイドが含まれているため注意する
ナスには、アルカロイドと呼ばれる自然毒が含まれています。
このアルカロイドは、特にナスの葉や茎に多く含まれているため、犬にはナスの葉・茎を与えないようにしましょう。
家庭菜園などでナスを育てている場合、愛犬が誤ってナスの葉・茎をかじらないように注意しておきましょう。
アルカロイドを大量に摂取すると、嘔吐や下痢といった中毒症状を発症することがあります。
ナスの実の部分にも、少量のアルカロイドは含まれていますが、実際に、犬がナスを食べて中毒症状を起こしたという例はありません。ただし、大量にナスを食べた場合は、どんな反応が起こるか分かりませんので、注意しましょう。
アレルギーの症状が見られる場合もある
ナスは、アレルギーを起こす可能性がある野菜です。
特に、すでにトマトやピーマン、ジャガイモなどのナス科の野菜にアレルギーがある場合、ナスでもアレルギーが起こる可能性があります。また、ナスはスギ花粉との交差反応が認められるため、スギ花粉アレルギーがある犬も要注意です。
今、何のアレルギーがない犬でも、いつアレルギーを発症するかは分かりません。念のため、初めてナスを食べさせる場合には、ごく少量から始めましょう。
皮膚や目、耳のかゆみや赤み、嘔吐や下痢といった症状がみられたら、アレルギー反応かもしれません。
まとめ
ナスにはいろいろな栄養素が入っているものの、それぞれの含有量が低いので、決して栄養価が高い野菜とはいえません。
しかし、ナスには”ナスニン”や、”アントシアニン”などの有益な成分も含まれています。栄養を摂らせるというよりも、シニア犬などが抱えるリスクを低下させるのに役立つ可能性がある野菜です。
犬にナスを食べさせる際は、アルカロイドの悪影響も考慮して、加熱処理したものを少しだけ与えるに留めましょう。
①犬はなすを食べても大丈夫!?
少量なら与えても問題ないが、積極的に与えなくても良い野菜②いつから茄子を食べられる?
幼犬から与えることができる③犬にナスを与える3つのメリット
1.カリウム摂取
2.ナスニン摂取
3.食物繊維摂取④犬への適切なナスの与え方
・量は少量で留める
・大きさは細かくペースト状にする⑤食べ方
・加熱が必要
・結石や腎疾患がある場合は注意⑥犬にナスをあげる際の注意点
・揚げたものや炒めたものはNG
・葉や茎はアルカロイドが含まれるため注意
・アレルギー症状が出る場合もある










