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犬の皮膚が赤くなる5つの原因|考えらえる病気や予防する方法

犬の皮膚が赤い時に考えられる病気や、皮膚病が発生する原因・予防方法についてまとめました。

犬の皮膚が赤い時に考えられる5つの病気

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、犬の約10%が罹っているといわれる、最も多い病気のひとつです。遺伝的素因が関与するとされており、日本では柴犬、シーズー、ウェストハイランドホワイトテリア、フレンチブルドッグ、ゴールデンレトリーバーなどに多くみられます。

アレルギーによる皮膚病のひとつであり、本来であれば大きな害を示さない物質に対して体が異常に反応してしまうことにより、様々な症状が出ます。
原因となる物質は「アレルゲン」と呼ばれ、多くの場合は環境中に存在する物質です。

例えば、家のチリの中に存在し、ヒトや動物のフケなどを食べるダニ、ハウスダスト、スギやブタクサなどの植物の花粉、猫のフケ、カビ類などが原因となることが多いです。吸い込むことが原因ではなく、アレルゲンが皮膚の中で反応することが原因といわれています。

またアトピー性皮膚炎の犬は、皮膚のバリア機能や保湿力が低下していることが多く、これもアトピーを発症する要因となります。
(1) 遺伝的な素因がありアレルギーを起こしやすい体質がある
(2) アレルゲンが存在する
(3) 皮膚バリア機能が低下しアレルゲンが体内に侵入しやすい
など、いろいろな要因が重なって発症する、複雑な病気です。

■対処法
アレルゲンの特定と除去
食物、ダニ、花粉、カビなどのアレルゲンを特定し、接触を避ける。

食事の見直し
獣医師の指導のもと、アレルゲンを含まない食事、高タンパク質を避ける。

薬物療法
ステロイド薬や抗体製剤を用いて症状を一時的に緩和。

スキンケア
定期的なシャンプーや保湿剤で皮膚のバリア機能を強化し、アレルゲンからの保護を促進。

環境の管理
空気清浄機の使用、定期的な掃除や寝具の洗濯でアレルゲンの影響を減らす。

免疫療法
アレルゲンに対する免疫反応を緩和するための治療法。獣医師との相談が必要。

食物アレルギー

犬の食物アレルギーは、特定の食べ物や食品添加物に対する過敏反応によって引き起こされる疾患で、皮膚や消化器に様々な症状をもたらします。
これらのアレルギーは食物中の物質(主にタンパク質)に対してアレルギー反応が起きてしまうものです。

アレルギーの原因となる代表的な食べ物には、牛肉、鶏肉、ラム肉、卵、乳製品、大豆、トウモロコシ、小麦などがありますが、これら以外の食物や食品添加物に含まれるタンパク質もアレルゲンとなる可能性があります。

■対処法
除去食試験
・食物アレルギーの判定を目的とする。

・アレルゲンが含まれていないフードを2ヶ月間与え、間食を避ける。
・良い変化が見られた場合、食物アレルギーの可能性が高いと判断。

食事管理
・原因となる食品を特定し、それを含むものを食事から除外。

・特定の食物アレルギーに対応した専用ペットフードの利用。
・高タンパク質フードを避け、中タンパクフードに切り替える。

アレルギー治療
・獣医師による薬物処方、ステロイドや抗ヒスタミン薬などの使用。

ラベルの確認
・フードやおやつの成分を常に確認し、アレルゲンを避ける。

これらの対処法は、犬の食物アレルギーに効果的な管理方法として用いられます。

ノミアレルギー性皮膚炎

ノミの唾液に含まれる特定の物質に対する、犬の過敏反応です。この疾患は、ノミが犬を噛む際に放出される唾液によって引き起こされます。

ノミは体長2mmほどの昆虫です。成虫だけが寄生性で、幼虫やさなぎ(蛹)は周囲環境で発育します。ノミアレルギー性皮膚炎は夏から秋に多くみられ、腰背部や尾根部などに好発し、通常激しい痒みを伴います。幼犬にくらべて成犬での発症が多いとされています。

■対策法
ノミの駆除
・ペット専用のノミ駆除剤(スポットオン薬、スプレー、錠剤など)を使用。

・獣医師の指示に従い、定期的に駆除を行う。

環境対策
・家具、カーペット、寝具などを定期的に掃除。

・必要に応じてノミ駆除専用の製品を使用。

ノミの早期発見と対処
・定期的に犬の体をブラッシングし、ノミを見つけ次第対処。

獣医師の診断と治療
・ノミアレルギー性皮膚炎の疑いがある場合は、獣医師に相談。

・適切な治療を受ける。

スキンケア
・皮膚を清潔に保ち、適切な保湿を行うことで皮膚の健康を維持。

フードとサプリメント
・免疫力を高め、皮膚の健康をサポートするために、バランスの取れた食事と適切なサプリメントを考慮。

これらの対策は、ノミアレルギー性皮膚炎を予防し、発生した場合の影響を軽減するのに役立ちます。

膿皮症

膿皮症は、犬の皮膚に通常存在するブドウ球菌が異常に増殖することで発生する皮膚病です。健康な状態の皮膚には細菌が常に存在しますが、さまざまな要因でバランスが崩れると、有害な細菌の増加によって丘疹や膿疱が生じます。

■対策法
抗生物質の投与
・細菌感染が原因のため、抗生物質の投与が一般的な治療法。

外用薬の使用
・皮膚炎症を鎮めるために、抗生物質や抗真菌薬を含むシャンプーやクリームの使用。

清潔な皮膚の維持
・皮膚を常に清潔に保ち、細菌の繁殖を防ぐ。

免疫力の強化
・健康的な食事と適度な運動で免疫システムを強化し、皮膚感染症の予防に効果的。

マラセチア皮膚炎

酵母菌の一種である、マラセチアが過剰に増殖することによる皮膚炎です。
皮膚が赤くなり痒みを引き起こし、慢性化すると皮膚の厚みが増すこともあります。 皮膚だけでなく、耳で増殖して外耳道炎を悪化させることもあります。

■対策法
抗真菌薬の使用
・マラセチアは酵母菌であるため、抗真菌薬が治療に用いられる。

・一般的にはシャンプーや外用クリームの形で適用。
・重度の症状には経口薬が処方される場合もある。

皮膚の清潔さと保湿の維持
・皮膚を清潔に保ち、適切な保湿を行うことでマラセチアの増殖を抑制。

・湿度が高い場所は避け、乾燥した環境を保つことが有効。

栄養バランスの良い食事
・免疫システムを健康に保ち、皮膚の健康を維持するためにバランスの良い食事が重要。

これらの対策は、マラセチア皮膚炎の予防と症状の管理に効果的です。

犬の皮膚病が発生する5つの原因

ストレス

犬が日常生活で感じるストレスは、免疫力の低下を引き起こし、皮膚炎やアレルギーの発症や悪化に繋がることがあります。

ストレスを感じている犬は、お留守番中の退屈を紛らわせたり、気持ちを落ち着かせるために自身の体を舐めることがあります。
足先がよだれで濡れていたり、体を舐めることで毛が赤茶色に変色している場合、これはストレスのサインである可能性が高いです。

こうした行動からストレスの兆候を見極め、飼い主さんはコミュニケーションの時間を増やしたり、知育玩具の提供などを通じてストレス軽減してあげましょう。

乾燥

皮膚の乾燥は、バリア機能の低下と皮膚病のリスク増加につながります。乾燥対策には加湿と保湿成分(セラミド、ヒアルロン酸など)を含むシャンプーや入浴剤の使用が有効です。

細菌の繁殖

細菌感染による皮膚病の一例である「膿皮症」は、犬の皮膚に存在する常在菌によって引き起こされます。
人間でいう「とびひ」に相当するこの病気は、皮膚バリア機能の異常や内科的疾患による皮膚機能のバランス崩れが原因で発症すると考えられています。

寄生虫の感染

ノミやマダニは犬の血を吸い、アレルギーや人間に感染する伝染病を起こす可能性があります。これらの寄生虫暖かい環境では一年中活動するため、適切な予防が必要です。

また、ニキビダニの異常増殖は毛穴のブツブツとして現れ、イヌセンコウヒゼンダニによる疥癬症(かいせん)は耳の縁や関節部にかゆみとして出現します。
さらに、ノミアレルギー性皮膚炎はノミの唾液に反応して起こり、激しいかゆみ、炎症、脱毛、皮膚の赤みが特徴で、犬は患部を噛んだり舐めたりする行動が見られます。

栄養バランスの崩れ

皮膚のバリア機能を強化し、健康を維持するためには、消化しやすいタンパク質、ビタミンB群、ヒスチジン、ビタミンA、ビオチン、亜鉛、銅、オメガ3系・オメガ6系不飽和脂肪酸などの栄養素をバランスよく摂取することが重要です。

栄養バランスが偏ると皮膚のバリア機能も低下するため、バランスの良いフードの提供とサプリメントの活用が推奨されます。
また、亜鉛不足は脱毛やフケの原因になりますので、手作り食では特に注意が必要です。さらに、フードの保存状態も重要で、適切な保管で栄養価の変化を防ぎ、開封後は1ヶ月以内に食べきることが望ましいです。

◆犬の皮膚の健康を保つために必要な栄養素
皮膚の健康維持には多くの栄養素が必要で、重要なものには以下が含まれます。

・タンパク質(皮膚と被毛の構成要素)
・ビタミンA(皮膚代謝と皮脂分泌の調整)
・ビタミンB群(被毛の質向上、フケ減少、皮膚健康)
・オメガ3系不飽和脂肪酸(炎症抑制)
・オメガ6系不飽和脂肪酸(被毛の質向上)
・亜鉛(皮膚バリアの改善と被毛の質向上)

犬の皮膚病を予防する5つの方法

食事を見直す

食事が原因で皮膚の赤みが起きている可能性も考えられます。

■粗悪なたんぱく質
出所が不明な肉や肥料の飼育肉、残りもの(ハシキレ)の部位、薬品(ホルモン剤、抗生物質、成長促進剤、抗菌剤等)が使用されているケースもあります。

■高いたんぱく質
良い品質のタンパク質でも、タンパク質比率が高いもの(タンパク質35%以上)は、皮膚病とともに痒みを促進する可能性があります。

■粗悪な脂質
低品質な動物性油脂や粗悪な油脂は、酸化体質をさらに悪化させ、ベタベタ肌やカサカサ肌などのさまざまな皮膚トラブルのもとになります。

■粗悪な穀物や乳製分
遺伝子組み換え作物や消化の悪い穀物、農薬や乳成分は皮膚トラブルの元になります。

皮膚の赤みは、タンパク質の量を調整する必要があります。
栄養不足から来るものか?過剰栄養から来るものか?を判断することも必要です。特に肉や魚などのタンパク質は血行促進効果が高いため、栄養不足と思いきや、あげすぎると過剰栄養によって赤みが強く出ることが多いですので、与え過ぎにも注意が必要です。

高タンパクな肉や魚は、単独であげてしまうとデメリットですが、適切な量のゆで野菜と混ぜ、タンパク質比率を低くして与えることでデメリットをおさえ、本来のメリットを生かすことができます。

皮膚の赤みがある愛犬への食事の選び方としてはこちらのページも参考にしてください。

正しい食生活習慣を

良質で適量なタンパク質フードをあげるのがコツです。
35%以上の高タンパク質フードは避け、例えばドライフードでは20~30%程度の中タンパク質なものを選定しましょう。

正しいスキンケアを行う

スキンケアは大きく分けて2つの作業があります。

「皮膚に有害なモノの除去(洗浄)
手法として洗浄(シャンプー)や消毒があります。

「皮膚への有益物質の添加(保湿)
保湿スプレーやクリームなどがあります。洗浄後に行ってください。

ブラッシングを定期的に行う

皮膚の健康を維持するためには、適切なブラッシングが欠かせません。抜け毛が残ると皮膚が蒸れやすく、これが皮膚病の原因になることがあります。定期的なブラッシングで抜け毛を取り除き、同時に皮膚の状態を確認することが重要です。

これにより、皮膚の異変を早期に発見し、対処することが可能になります。たとえ短時間でも、毎日ブラッシングを行う習慣を取り入れることで、愛犬の皮膚病を予防し、全体的な健康状態を良好に保つことに繋がります。

濡れた体を乾かすときはタオルドライを活用する

ペットの皮膚と被毛の健康を考えると、洗浴後の乾燥方法は重要です。
夏場は自然乾燥が可能な場合もありますが、毛が湿った状態が長く続くと細菌の繁殖が促され、悪臭や皮膚炎のリスクが高まります。特にダブルコートの犬の場合、根元までしっかり乾かすためにドライヤーの使用が推奨されます。

ただし、敏感肌の犬にとってはドライヤーの熱が刺激になる可能性があるため、吸水性の良いタオルで丁寧にタオルドライを行い、ドライヤーは適切な距離を保ち、温度を低めに設定して使用することが大切です。

これらの対策は、皮膚の健康を保ち、皮膚病の予防に有効です。

まとめ

愛犬の皮膚病の予防と管理には、まず犬種や年齢に応じたリスクを理解し、適切なスキンケアと日々の対策を行うことが重要です。

かゆみや他の皮膚の異変が見られた場合は、迅速に動物病院への相談をお勧めします。これにより、愛犬のストレスを軽減し、皮膚病の悪化を防ぐことが可能です。

皮膚病は目で見て確認できるので、日常のスキンシップを通じて早期発見に繋げることができます。

1.犬の皮膚が赤い時に考えられる5つの病気
・アトピー性皮膚炎
・食物アレルギー
・ノミアレルギー性皮膚炎
・膿皮症
・マラセチア皮膚炎

2.犬の皮膚病が発生する5つの原因
・ストレス
・乾燥
・細菌の繁殖
・寄生虫の感染
・栄養バランスの崩れ

3.犬の皮膚病を予防す5つの方法
・食事を見直す
・正しい食生活習慣を
・正しいスキンケアを行う
・ブラッシングを定期的に行う
・濡れた体を乾かすときはタオルドライを活用する

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