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犬にカレーを食べさせるのは危険です。カレーには犬にとって有害な「玉ねぎ」をはじめ、各種香辛料や小麦などが使われているため、さまざまな害が発生する可能性があるためです。この記事では、犬にとってカレーが危険である理由や、食べてしまった場合の対処法などを紹介します。
犬にカレーをあげてはいけない
香辛料の強い香りが食欲をそそるカレー。多くの家庭で人気のメニューでしょう。カレーが嫌いという人は、あまりいないのではないでしょうか。ただし、犬も私たちと同じようにカレーを食べてもいいわけではありません。『犬にとってカレーは危険な食べ物』なので与えるのはやめましょう。
犬がカレーを食べてはいけない4つの理由
1. タマネギ中毒にかかる恐れがある
玉ねぎには「有機チオ硫酸化合物」という成分が含まれています。有機チオ硫酸化合物は犬の赤血球に存在するヘモグロビンを酸化させる作用があり、赤血球が酸化すると、赤血球内に「ハインツ小体」と呼ばれる変性物質を作ります。ハインツ小体を持つ変性した赤血球は非常にもろい状態となっており、脾臓(ひぞう)や血管内で容易に壊されてしまいます。
有機チオ硫酸化合物は、加熱や乾燥などの加工を加えたとしても毒性がなくなりません。そのため、カレーに入っている玉ねぎであっても犬に中毒を引き起こす危険性があります。
タマネギ中毒の症状とは?
・元気がない
・食欲がない
・嘔吐、下痢をする
・発熱
・ふらついて歩けなくなる
・尿が茶褐色や濃いオレンジのような色など通常よりかなり濃い色になる
・皮膚や粘膜が黄色くなる(黄疸)
・粘膜が白っぽくなる(貧血)
・脈が弱くなる
・呼吸や脈が速くなる
・呼吸困難
・血便
・吐血 など
犬が玉ねぎを食べてから症状が現れるまでは、しばらくかかります。発症までに数日かかることもあり、食べた直後に元気だからといって、発症しないというわけではありません。特に生のタマネギやネギ類は、少しでも口にするようなことがあれば、動物病院に連れて行き処置を受けることが大切です。
2. 香辛料の刺激が強すぎる
香辛料は、犬にとっての刺激物になります。カレーには多くの香辛料が含まれているため犬には与えない方が良いでしょう。
一般的なカレールーの原材料表示を見ると、多くの商品で「カレー粉」「香辛料」または「ガーリックパウダー」などの記載があります。
カレー粉や香辛料に入っている唐辛子やコショウ、にんにくなどの刺激物は、犬の胃腸に負担をかけ嘔吐や下痢を招いてしまう危険性があるので注意が必要です。
3. 塩分過多のリスクがある
カレーの塩分は、犬にとっては多すぎます。カレーのルウ1食分(20g前後)には、食塩が2g前後(ナトリウム880㎎)含まれており、約4%ということになります。アフコ基準のナトリウム濃度は0.06%ですので、カレーは犬にとって塩分(ナトリウム)が多すぎるということになります。
カレールウには、犬にとって過剰な塩が含まれているため、与えるべきではありません。
食塩は動物が生きていくうえで不可欠な栄養素ではありますが、過剰に摂取すると高血圧、心臓・腎臓障害などを引き起こしてしまいます。
4. 食物アレルギーの恐れがある
商品によってカレールウの材料は異なっています。市販のカレールウのほとんどには、食用油脂、小麦、でんぷんなどのアレルギーの原因になりやすい材料が含まれています。
今ではカレー人気もあり、多種多様な食材が含まれたカレールウが発売されています。
そのため、Aのカレールウではアレルギー症状が発生しなかったとしても、Bのカレールウでは中毒症状が発生するという可能性があります。
カレーはたくさんの具材が魅力の料理ですが、その分、アレルギー物質が多くなる可能性がありますので、犬には与えないようにしてください。
犬がカレーを食べて(舐めて)しまった場合の対処法
嘔吐・下痢の症状がないか確認する
すぐに動物病院へ連れて行けない場合は犬の様子を観察し、下痢や嘔吐の症状が出ている場合はその回数を記録しておきましょう。
病院へ連れて行った際には、いつ、どのような調理法で、どのくらいの量を食べたか、現在どのような症状が出ているかを伝え、獣医師の指示に従いましょう。
元気がない場合は病院に連れていく
もし激しい下痢や嘔吐、元気がないなど、あきらかに普段と違う様子の場合にはすぐに病院に連れていきましょう。
玉ねぎ中毒は時間が経過してから発症することがよくあるため、症状がなくても動物病院の受診がおすすめです。自己判断で処置をすると、中毒症状以上の苦痛を犬に与えてしまうこともありますので、注意してください。
犬にカレーをあげる方法
■犬用のカレーを購入して与える■
犬用に加工されたカレーが販売されているので、購入して与える
■犬用のカレーを作り与える■
市販のカレールウを使用せずにカレーを作り、与える
まとめ
私たち人間にとっては、とてもおいしいカレーですが、犬にとっては危険(玉ねぎ・香辛料・塩分)がいっぱいなので、犬にカレーを食べさせてはいけません。
家庭でカレーを食べるときは、調理中だけでなく配膳や食事中なども気を配り、特に、小さい子供がいる家庭では、誤って犬が食べてしまわないようにしっかり見ておきましょう。
また、生の玉ねぎやネギ類は、中毒を引き起こす可能性があります。熱を加えて形を失っても、パウダー状に乾燥されて顆粒だしに入っていても、中毒を引き起こす可能性があります。そのため、洋風スープやシチューなども危険ですので、安易に犬に与えないようにしてください。