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▼仮説▼ 犬には穀物は悪い。なぜなら、犬の先祖はオオカミであり、オオカミは狩りをした動物のお肉を食べるから!
いっけんすると、確かにこの指摘はなるほど!と納得できるものですが…
本当に、穀物不使用(グレインフリー)ドッグフードは、からだに良いのでしょうか?
1)最新臨床栄養学で明らかになった、穀物(食物繊維)の腸活効果
穀物は、悪者?善者?
本当に、穀物不使用(グレインフリー)ドッグフードは、からだに良いのでしょうか?
グレインフリードッグフードのメリット
1. 穀物アレルギーを回避できる
犬は本来、肉食に近い雑食動物です。そのため、穀物は犬にとって必ずしも必要ではありません。むしろ、穀物に含まれるタンパク質や炭水化物は、犬にとってアレルギーの原因となる可能性があります。
2. 肥満防止と血糖値上昇を抑制できる
穀物は消化吸収がよく、カロリーも高いため、肥満や糖尿病の原因になる可能性があります。グレインフリードッグフードは、穀物ではなく肉や魚を主原料としているため、肥満や糖尿病のリスクを軽減することができます。
3. 腸内トラブルを防止できる
穀物には食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は腸内環境を整える働きがあり、腸内トラブルを防止するのに役立ちます。グレインフリードッグフードは、穀物に含まれる食物繊維を補うために、豆類や野菜などの食物繊維を多く含んでいるものが多いため、腸内トラブルの予防につながると考えられます。
グレインフリードッグフードのデメリット
1. 穀物の食物繊維による腸活ができない
穀物に含まれる食物繊維は、腸内細菌のエサとなり、腸内環境を整える働きがあります。グレインフリードッグフードは、穀物を使用していないため、この働きを期待することができません。
2. 肝臓や腎臓に負担がかかる
穀物は、肝臓や腎臓で代謝されるタンパク質や脂質を多く含んでいます。グレインフリードッグフードは、穀物に含まれるタンパク質や脂質を補うために、肉や魚などのタンパク質や脂質を多く含んでいるものが多いため、肝臓や腎臓に負担がかかる可能性があります。
3. 拡張型心筋症(心臓病)になりやすい可能性がある
2018年、米国の研究チームが発表した論文によると、グレインフリードッグフードを食べていた犬は、食べていなかった犬に比べて、拡張型心筋症(心臓病)になるリスクが約2倍高かったと報告されています。
4. 原材料を厳選するため高額になりやすい
グレインフリードッグフードは、穀物を使用しない代わりに、肉や魚などの高品質な原材料を使用していることが多いため、高額になりやすい傾向があります。
2)「穀物は犬に悪い?」の正確な判断基準。
犬にNGな穀物 …雑穀やトウモロコシなどの食物繊維は消化しづらく、胃腸に負担をかけるのでNG?という噂がある。
犬に与えたい穀物…玄米、大麦→全粒粉(未精製)炭水化物は、難消化性デンプンといって、ゆっくり消化されることによって、食物繊維が大腸まで運ばれ、むしろ善玉菌のエサとして腸活に利用され、癌のエサとなるブドウ糖の吸収をブロックできるメリットがある。
人間でも、小麦で作られたパンはNG(グルテンフリー論)、お米は白米より玄米がいい(栄養価が高い)と言われるようになりました。
穀物=悪ではなく、未精製穀物のメリットもしっかり見極めることが大切です。
また、下記のような傾向があることがわかってきました。
肉中心=穀物を使用しない…狼を先祖にもつ犬の食性からすると、一見肉食は理にかなっているように聞こえるが、実際には短命の傾向。シニア期には、腎臓や肝臓負担の心配。
肉と穀物の両方…実際には、雑穀もしっかりと調理すれば、食物繊維を消化できる。ただし、調理法が問題であり、しっかりと穀物の処理をする必要がある。腸活習慣のある犬や猫は、便通も良く長寿傾向。
3)グレインフリーフードの注意点は?
グレインフリーフードは、穀物を含まない食品です。穀物アレルギーの犬や猫に適した食事法として注目されていますが、穀物を含まないことによる注意点もあります。
1. グレインフリーフードの特性
グレインフリーフードの特性としては、以下の点が挙げられます。
- 高タンパク質
- 低炭水化物
- 高脂質
穀物はタンパク質や炭水化物、脂質などの栄養素をバランスよく含んでいます。そのため、穀物を含まないグレインフリーフードでは、これらの栄養素のバランスを保つことが重要です。
2. 高タンパク質の注意点
グレインフリーフードは、一般的に肉が多く含まれ、高タンパク質の特性を持っています。この高タンパク質は、腎臓、肝臓、心臓に負担をかける可能性があります。
犬や猫の腎臓や肝臓は、タンパク質の代謝を担っています。そのため、高タンパク質の食事を続けると、これらの臓器に負担がかかり、病気のリスクが高まる可能性があります。
また、高タンパク質の食事は、尿酸値の上昇にもつながる可能性があります。尿酸値が高くなると、痛風や腎臓病などのリスクが高まります。
3. 穀物の代替品とその注意点
高タンパク質を避けるため、グレインフリーフードでは穀物の代替品を検討する必要があります。しかし、穀物を豆類に置き換える場合、反栄養素(レクチン、サポニン、フィチン酸)が含まれており、腸への刺激や肝機能への影響が懸念されます。
レクチンは、腸の粘膜を刺激する可能性があり、サポニンは、タンパク質の吸収を阻害する可能性があります。フィチン酸は、ミネラルの吸収を阻害する可能性があります。
反栄養素は、食材の種類や調理方法によって含有量が異なります。そのため、グレインフリーフードを選ぶ際には、反栄養素の含有量をチェックしておきましょう。
4)グレインフリーフードは『高タンパク』『低食物繊維』になりがちで、腎臓病や肝臓病など内蔵疾患に注意が必要
タンパク質は、筋肉や毛、爪、細胞などをつくる大切な栄養源です。
ただし、タンパク質は、肝臓では「ペプチド」→「アミノ酸」に分解し、そこで発生した毒素(アンモニウム)を無害な尿素をつくり、また腎臓では血液を濾過して老廃物や余分な塩分を尿として体の外へ排出するという負担がかかります。
つまり、タンパク質は適切な量、比率がとても重要であり「摂れば良い」というわけではありません。高タンパク質フードを食べ続けたペットは、若い時期(7歳まで)は良くても、高齢時になると腎臓、肝臓の病気になる確率、血液検査の数値が高くなるケースがとても多いのも現実です。
穀物(食物繊維)のメリットとデメリット。
どう穀物と付き合って行くべきか?
穀物の取り過ぎは、消化の面でデメリットが大きい→最新栄養学では誤った認識です。むしろグレインフリーフードは、タンパク質過多(30%以上)になる傾向がある。またはタンパク質率を低くするために豆類を使用することも多く、腸や肝臓への影響が懸念される。
未精製穀物のゆっくりと吸収され、大腸まで食物繊維が届き、腸内環境をよくするというメリットを利用しない手はない。
良質なグレイン使用のドッグフードは、グリセミック指数(血糖値の上昇率)の低い大麦、玄米を配合しながら、むしろ糖の吸収をブロックする食物繊維の性質を利用し、悪玉菌優勢な腸から善玉菌優勢環境をつくって、長寿環境を整える。
腸内細菌の善玉菌、悪玉菌の比率(腸内フローラ)を考えた時、善玉菌のエサとなる食物繊維は、むしろ健康のために有利に働きます。「穀物や炭水化物、食物繊維を一切否定」という表面的で偏った価値観ではなく、命という全体のバランスという観点から、細心の配慮による原料の選定、質と量にこだわりました。
玄米や大麦などは、その繊維質により、腸内の悪玉菌のエサとなり、腸内環境(腸内フローラ)を善玉菌で優勢するというとても素晴らしい役割をしてくれるのです。
腸内環境を良くするとは=長生きにつながる。
特に玄米や大麦などの穀物は、犬にとって有益なエネルギー源である。
最新臨床栄養学でわかった穀物(食物繊維)の腸活
低GI値の大麦と玄米を配合、糖の吸収をブロックする食物繊維の性質を利用し、善玉菌優勢な腸環境を作るドッグフード
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<参考文献>
■十二指腸以降でのアミラーゼ消化が確認されているデータ。
【Nutrient Requirements of Dogs and Cats (2006)】
■ペットフードの炭水化物消化率測定データでも消化できることが確認されているデータ。
【Validity of NRC method for estimating metabolizable energy value of laboratory dry canine diets. Ohshima S1, Fukuma Y, Suzuki T, Funaba M, Abe M.(1995)】
■犬の肝臓の銅毒性
【Copper Toxicity in the Canine Liver Stephanie Shrader、John Robertson】