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世界的に栽培され、親しまれているじゃがいもは、「馬鈴薯(バレイショ)」とも称され、ナス科ナス属に属する多年生草本植物です。
そんなじゃがいもは、愛犬に食べさせても大丈夫な食べ物なのでしょうか?
そこで今回は、犬にじゃがいもを与えて問題ないか、与えるメリットや注意点、与え方について解説していきます。
犬はじゃがいもを食べても大丈夫
犬にじゃがいもを与えても問題ないです。
犬の活動に必要なエネルギーを供給する炭水化物、酸化から体を守るビタミンC、高血圧予防に寄与するカリウム、そして消化を促進し便通を改善する効果が期待される食物繊維など、多岐にわたる栄養素が含まれていることが知られています。
犬は何歳(いつ)からじゃがいもを食べられる?
離乳後の幼犬から、じゃがいもを食べても問題ありません。
特に幼犬や運動量の多い犬などには、じゃがいもの炭水化物がエネルギー源になります。
しかし、消化器官が未熟な幼犬や、物を飲み込む能力が衰えている老犬は、じゃがいもを誤ってのどに詰まらせるリスクがあります。
与える際は小さくカットし、食べた後に嘔吐しないか、お腹を壊さないかを確認しながら少量ずつ与えるようにしましょう。
犬にじゃがいもを与える4つのメリット
1. でんぷん(炭水化物)を摂取できる
じゃがいもに豊富に含まれる「じゃがいもデンプン」は、犬のエネルギー源として、とても優秀な食材です。
さらに、消化しやすく、犬と相性の良い炭水化物は、食べるとスムーズに消化・吸収され、利用されます。また脂肪分が非常に少なく、脂質の制限が必要な病気の犬にとっても優良なエネルギー源と言えます。
ただし、消化が良いために、血糖値を上げやすい、ブドウ糖に変換されやすいという側面もあります。食後血糖値の上昇を示す指標であるGI値は90。サツマイモのGI値55と比べても大変高いことがわかります。
従って、糖尿病やガンなど患っている場合は、与える際に注意が必要です。
●ジャガイモのGI値 90
●サツマイモのGI値 55
2. ビタミンCを摂取できる
じゃがいもには、みかんと同じぐらいの「ビタミンC」が含まれています。
ビタミンCは、健康的な血管や歯、骨を保つために必要なコラーゲンの生成を助ける働きがあります。
また、粘膜の強化、体内組織の修復や、ストレスの軽減、免疫力のアップ、皮膚の健康維持などの働きがあり、疲労回復にも効果が期待できます。
じゃがいもにはビタミンCが含まれており、でんぷんによって保護されているため、加熱しても容易に破壊されません。
ただし、犬は自身の体内でビタミンCを生成することができるので、積極的にじゃがいもから摂取する必要がありません。
むしろ過剰摂取となると、尿phがアルカリ性に傾く可能性が出てきますので、与える量は少量に留めておきましょう。
3. カリウムを摂取できる
じゃがいもには、「カリウム」が豊富に含まれています。
カリウムは浸透圧の調整に寄与し、体内に蓄積された余剰な塩分を尿を介して排出することにより血圧の安定を助け、高血圧の予防に効果があるとされています。この機能により、カリウムは循環系の健康維持に重要な役割を果たします。
ただし、加齢や病気で腎臓の機能が低下している場合は、余分なカリウムを体外に排出しづらくなることで過剰になり、「高カリウム血症」になるおそれがあります。
無力感や疲れやすさ、筋肉の震えやけいれん、食欲不振、下痢、嘔吐、不整脈などを引き起こしますので、シニア犬や腎臓疾患がある場合は注意が必要です。
4. 食物繊維を摂取できる
じゃがいもには「食物繊維」が豊富に含まれています。
食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があり、じゃがいもにはどちらも含まれています。
「水溶性食物繊維」
・食後の血糖値の上昇を穏やかにする
・コレステロールの吸収を抑える
・腸内環境を整える
「不溶性食物繊維」
・便のカサを増し、便秘を改善する
犬への適切なじゃがいもの与え方
じゃがいもを犬に与える場合の適切な量は以下の通りです。
◆じゃがいもの適切な量◆
小型(2kg~5kg) ・・・20g~45g
中型(6kg~15kg) ・・・50g~100g
大型(20kg~50kg) ・・・135g~270g
犬にとって有益な栄養素が豊富に含まれているとはいえ、与える量には慎重になるべきです。特に、炭水化物の摂取量が過多になるとカロリー過多に陥り、肥満や糖尿病のリスクを高める恐れがあります。また、じゃがいもなどに含まれる炭水化物は血糖値を急上昇させやすいというデメリットもあります。これらの点を踏まえ、犬に食べさせる際には、その量を慎重に調節することが重要です。
大きさ
じゃがいもを犬に与える場合は必ず細かく刻んだり、ペースト状にしてあげましょう。
大きなものは消化にも悪く、丸呑みすると喉につまる可能性がありますので、注意が必要です。
食べ方
じゃがいもの芽や緑がかっている皮は、天然毒素であるソラニンやチャコニンが含まれており、それらを多く食べてしまうと嘔吐や下痢、腹痛などを引き起こし、神経系にも影響を与えます。
したがって、芽や皮は必ず取り除きましょう。
じゃがいもの糖質やカリウムなどのミネラルが原因の害を減少させるため、与える際は十分に茹でて柔らかくし、少量のみ提供することが望ましいです。
犬にじゃがいもをあげる際の注意点
じゃがいもはGI値が高い
GI値とはグライセミック・インデックスの略で、食品に含まれる糖質の吸収度合いを示します。簡単に言うと、食べ物でどのくらい血糖値が上がるのかを表す指標です。
■GI値が高い → 61以上 血糖値が早く上昇しやすい
■GI値が低い → 60以下 血糖値が上昇しにくい
GI値によって、血糖値が上がりやすい野菜、上がりにくい野菜があります。
じゃがいものGI値は90、サツマイモのGI値は55。
同じイモ類で甘いサツマイモですが、血糖値が上がりにくい野菜のため与えやすいです。
血糖値の上昇と共に、病気は進行しやすいと言われています。血糖値が上昇しやすい(GI値が高い)じゃがいもは、病気やガンへの影響が大きく関わってきます。
じゃがいもの芽は中毒の可能性があるので与えない
じゃがいもの芽には、天然毒素である「ソラニン」や「チャコニン」が多く含まれており、人間でもたくさん食べてしまうと下痢や腹痛、嘔吐などの中毒症状が出ます。
もちろん犬も、下痢や腹痛、嘔吐などの症状が見られることがありますので、与える際には完全に芽を取り除いてください。
生のじゃがいもは消化不良を引き起こすので与えない
犬への生じゃがいもを与えるのは避けるべきです。
生じゃがいものでんぷんは消化が難しく、犬に嘔吐や下痢を引き起こす可能性があります。
また、じゃがいもに含まれる糖質やカリウムなどのミネラルは、生の状態で与えた場合、過剰摂取に至ることがあります。さらに、硬いじゃがいもをそのまま与えると、消化不良を引き起こすなど、犬の健康に悪影響を与える可能性があります。これらの点から、じゃがいもを犬に与える際には、その状態や量に特に注意し、犬の健康を最優先に考慮しましょう。
従って、犬に与える際は必ずやわらかく茹で、糖質やミネラルが溶け出たゆで汁は、捨てるようにして下さい。
アレルギーに注意する
確率としては少ないですが、中にはじゃがいもにアレルギー反応を示す犬もいます。
そのため、初めてじゃがいもを犬に与える場合は、少しずつ与えることからスタートしましょう。
じゃがいもとかぼちゃにはアレルギー物質の構造が似ているため、交差反応を引き起こすアレルギー反応が生じる可能性があります。したがって、かぼちゃに対するアレルギーを持つ犬には、じゃがいもの摂取も避けることが推奨されます。
ポテトチップスやフライドポテトなど加工食品は避ける
ポテトチップスやフライドポテトなどの加工食品は、過剰な油分、塩分や香辛料が犬の健康に悪影響をおよぼす可能性があります。
さらに、冷凍食品、フライドポテト、ハッシュドポテト、またはじゃがいもを主原料とするスナック菓子には、時として「玉ねぎ成分」が含まれていることがあるため注意してください。
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まとめ
犬にとって消化しやすく相性の良い炭水化物で、犬の体に役立つ栄養素が豊富なじゃがいも。
しかし、じゃがいもは100gあたり約76kcalと、葉物野菜と比較して高カロリーな食材です。また、GI値が90と高く、食後の血糖値が急上昇しやすい食材です。
エネルギーに変換しやすいため、ブドウ糖に変換されやすく、場合によってはガンの餌になるというデメリットもあります。糖尿病やガンに罹患している場合や、犬の健康状態によっては、与える量に注意が必要です。
加えて、腎臓病、腎不全、肝臓病などの病気を抱える犬にじゃがいもを与える際は、必ずかかりつけの獣医師に相談することが重要です。
1.犬はじゃがいもを食べても大丈夫
2.犬は何歳(いつ)からじゃがいもを食べられる?
幼犬から老犬まで食べられる3.犬にじゃがいもを与える4つのメリット
・でんぷん(炭水化物)を摂取できる
・ビタミンCを摂取できる
・カリウムを摂取できる
・食物繊維を摂取できる4.犬への適切なじゃがいもの与え方
●量(与える目安)
小型(2kg~5kg) ・・・24g~48g
中型(6kg~15kg) ・・・55g~108g
大型(20kg~50kg) ・・・136g~270g
●大きさ
喉に詰まらせないよう小さくカットしたり、ペースト状にして与えると良い。
●食べ方
皮や芽は必ず取り除き、やわらかく茹でこぼす5.犬にじゃがいもをあげる際の注意点
・じゃがいもはGI値が高い
・じゃがいもの芽は中毒の可能性があるので与えない
・生のじゃがいもは消化不良を引き起こすので与えない
・アレルギーに注意する
・ポテトチップスやフライドポテトなど加工食品は避ける