納豆は犬や猫にあげていいの?
納豆は日本を代表する発酵食品のひとつ。今日は納豆の健康効果とあげる際の注意点についてご説明します。
【結論】納豆と野菜は混ぜて食べさせよ!
しっかりと茹でた野菜と納豆を1:1、または2:1の割合であげれば、リンの摂取量も半分に薄まり、腎臓の負担は少なくなります。
納豆の栄養素と健康効果
納豆は大豆を原料とし、さらに醗酵させることによって、大豆に含まれる栄養成分はもちろん、納豆独自の栄養成分も含まれています。
◆タンパク質
筋肉や毛、細胞を構成する栄養源。納豆には、良質な植物性タンパク質が含まれています。
◆食物繊維
納豆には大豆由来の食物繊維が含まれています。食物繊維は糖の吸収をゆるやかにする、腸内細菌の餌になる、便のもとになる、などの作用があり、腸内環境の向上に役立ちます。
◆大豆サポニン
大豆に含まれている成分で、抗酸化作用や免疫力の向上作用があると言われています。
◆ナットウキナーゼ
大豆を醗酵させる過程で生成される酵素で、大豆にはない栄養素です。血栓のもととなる成分を溶かす作用があります。
◆ビタミンK
納豆に含まれる納豆菌が、腸の中で作る成分のひとつで、丈夫な骨を作ったり、出血を止めたりするのに必要です。
◆ミネラル類
納豆には、マグネシウム、カリウムなどのミネラル成分が多く含まれています。ミネラル類は体の機能の維持や調節をするために必要な成分で、バランスが大切です。
納豆をあげる時の注意点
このように納豆は栄養豊富な食品ですが、注意が必要な場合もあります。
◆内臓疾患がある場合
納豆は大豆を原料としているために、野菜に近いものと思われることがありますが、実はタンパク質が豊富で、お肉やお魚と同じ「タンパク源」として考えることができます。
とくにフリーズドライ加工された納豆は、独特な粘りやにおいが軽減されており扱いやすく、おやつやトッピングに人気がありますが、水分が抜けている分栄養が凝縮されています。
◆納豆のタンパク質(生) → 約16~17%
◆フリーズドライ納豆のタンパク質 → 約30~40% 脂質20%前後
また、納豆は、「リン」が多いという特長もあります。
リンは、細胞の生成に非常に重要な成分であり、最低限必要なミネラルでもあります。しかし、肝臓や腎臓など、内臓疾患がある犬や猫の場合、納豆だけをあげてしまうと、リンが腎臓の負担となってしまうことがあるので要注意です。
また、フリーズドライの納豆は粘りが軽減されており、あげやすく便利ですが、栄養成分が凝縮していることで、臓器に負担がかかる可能性があります。このように、フリーズドライの場合は、単体であげるのではなくゆでた野菜と混ぜるのが良いです。
納豆は「マグネシウム、カリウム含有量が多く」腎臓病など内臓疾患を患わっているペットには良くないと言われていますが、それは「納豆単独」でたくさんあげた場合。
しっかりと茹でた野菜と納豆を1:1、または2:1の割合であげれば、リンの摂取量も半分に薄まり、腎臓の負担は少なくなります。