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犬にピーナッツ(落花生)は大丈夫?食べてしまった時の対処法、バターや殻の危険性まで解説

香ばしくて美味しいピーナッツ。愛犬がおねだりしてきたとき、「一粒くらいなら…」と迷った経験はありませんか?あるいは目を離した隙に、ピーナッツやピーナッツバターを食べてしまい、慌てて情報を探しているのかもしれません。この記事では、この記事では、ピーナッツの毒性の有無や影響、食べてしまった場合の正しい対処法、命に関わる危険がある加工品について解説します。

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犬にピーナッツは毒ではないが、与えるべきではない

ピーナッツそのものには、玉ねぎやチョコレートのような犬にとって猛毒な成分は含まれていません。そのため、健康な犬が誤って一粒食べてしまったからといって、直ちに命に関わる可能性は低いです。

しかし、ピーナッツは非常に高脂肪・高カロリーであり、日常的に与えるおやつとしては多くのリスクを伴います。そのため、犬にピーナッツを積極的に与える必要はないでしょう。

そもそもピーナッツとはどんな食べ物?

香ばしく、濃厚な風味が人気のピーナッツ。名前に「ナッツ」と付きますが、アーモンドなどの木の実(種実類)とは違い、実は大豆と同じマメ科の植物です。夏に咲いた花が地面に落ち、そこから地中で実を結ぶことから「落花生(らっかせい)」という和名が付けられました。

ピーナッツの大きな特徴は、大豆やエンドウ豆など他の豆類と比べると、脂質の割合が極めて高い点です。約半分を占める脂質の主成分はオレイン酸などで、古くは人々の貴重なエネルギー源でした。しかし、飽食の現代ではその高カロリーが仇となります。特に体の小さな犬にとっては、少量でも肥満や体調不良を引き起こす原因となり得る、注意が必要な食べ物と言えるでしょう。

犬がピーナッツを食べてはいけない5つの理由

犬がピーナッツを食べてはいけない理由は以下の通りです。

1.高脂肪&高カロリーだから
2.食物繊維を多く含んでいるから
3.リンが腎臓の機能を低下させるから
4.マグネシウムが結石を形成しやすいから
5.カリウムが心臓麻痺を引き起こす可能性があるから

それぞれの理由について、以降で詳しく解説します。

1. 高脂肪&高カロリーだから

ピーナッツの栄養成分の約半分(49.4%)は脂質であり、極めて高カロリーな食べ物です。例えば、煎りピーナッツ20粒(約20g)は約120kcalにも達し、これは超小型犬の1日の必要摂取カロリーの半分近くに相当します。

日常的に与えれば肥満や糖尿病のリスクを高めるだけでなく、高脂肪食は消化の際に膵臓に大きな負担をかけ、急性膵炎といった命に関わる病気の引き金になる可能性もある、非常にハイリスクな食材なのです。

2. 食物繊維を多く含んでいるから

ピーナッツに豊富な食物繊維は、そのほとんどが水に溶けにくい「不溶性食物繊維」です。水に溶けやすい「水溶性食物繊維」の約20倍も含まれています。

適量であれば便通を助けますが、犬の消化能力に対してこの不溶性食物繊維が多すぎると、消化不良を起こして下痢や軟便になったり、逆に腸内の水分を奪いすぎて便秘になったりする可能性があります。消化器系がデリケートな犬には、特に負担の大きい食材と言えるでしょう。

3. リンが腎臓の機能を低下させるから

リンは、骨を作る必須ミネラルですが、その調整を行っているのが腎臓です。そのため、ピーナッツのようにリンが豊富な食べ物を過剰に摂取すると、腎臓は余分なリンを排出しようと常にフル稼働することになり、疲弊してしまいます。

特に、腎機能が衰え始めているシニア犬や、すでに腎臓病を患っている犬にとっては、症状を悪化させる負担となるため、ピーナッツは与えない方が良いでしょう。

4. マグネシウムがストルバイト結石の原因になるから

ピーナッツに豊富なマグネシウムは、過剰に摂取すると尿のpHをアルカリ性に傾け、「ストルバイト結石」という尿路結石を形成しやすくします。ストルバイト結石は、頻尿や血尿といった辛い症状を引き起こす病気です。

健康な犬でも注意は必要ですが、特に、過去に尿路結石と診断されたことがある犬や、なりやすい体質の犬にとっては、ピーナッツが再発の引き金になりかねないため、与えるべきではありません。

5. カリウムに持病がある犬にはリスクになるから

ピーナッツに含まれるカリウムは、通常、健康な犬であれば腎臓の働きによって余分な量は体外に排出されます。

しかし、腎臓病特定の心臓病を患っている犬は、カリウムを上手に排出できません。その結果、血液中のカリウム濃度が異常に高くなる「高カリウム血症」に陥り、不整脈などの心臓機能障害を引き起こす危険があります。持病のある愛犬にとっては、ピーナッツが症状を悪化させる可能性があるため、与えないでください。

ピーナッツに関する注意点

続いて、ピーナッツに関する注意点を解説していきます。

1. 大豆アレルギーを持っている愛犬には特に注意する

ピーナッツは、犬によってはアレルギーの原因となることがあります。特にピーナッツは大豆と同じマメ科の植物なので、大豆アレルギーの愛犬は交差反応を起こす危険性が高く、与えるべきではありません。もちろん、大豆アレルギーがない犬でも稀に発症します。皮膚のかゆみや嘔吐、下痢などの症状が出た場合は、すぐに与えるのをやめ、動物病院に相談しましょう。

2. 小さくてうっかり誤飲してしまうので気を付ける

ピーナッツを犬にそのまま丸ごと与えると、よく噛まずに丸呑みし、喉や食道、気管に詰まらせて窒息する危険があります。運良く食道を通過しても、消化されずに腸まで達し、腸閉塞を引き起こして激しい嘔吐を繰り返すことも。特に、丸呑みしがちな子犬や、噛む力・飲み込む力が弱いシニア犬、体の小さい超小型犬では、このリスクが非常に高いため、粒のまま与えるのは絶対にやめましょう。

窒息・消化不良のリスクを避けるための、ピーナッツの与え方

基本的には犬にピーナッツを与えることは推奨しませんが、もしアレルギーがなく、健康な犬にどうしても少量与えたい場合は、以下のルールを必ず守ってください。

まず、与えるピーナッツは「無塩・無糖・無添加で、薄皮も剥いた生の落花生」を、必ず加熱したものに限定します。おつまみ用の塩味がついたものや、砂糖でコーティングされたものは絶対にNGです。

次に、喉や消化管に詰まらせるリスクを避けるため、粒のまま与えるのはやめましょう。ミキサーなどでペースト状にするか、包丁で細かく砕いて粉末状にするのが最も安全です。

与える量は、おやつやトッピングとして、1日の必要カロリーの10%以内に収まるよう、ごく少量に留めてください。

犬がピーナッツを食べてしまったら?

ピーナッツそのものに猛毒はありません。慌てて自己判断で吐かせたりせず、まずは「いつ、何を、どれくらいの量」を食べたのかを正確に把握しましょう。ただし、いつもと様子が違う、嘔吐や下痢などの症状が見られる場合は、すぐに獣医師への相談が必要です。

なお、甘味料キシリトール入りのピーナッツバターや、殻ごと食べてしまった場合は、命に関わる危険性がありますこれらに該当する場合は、症状が出ていなくても、すぐに動物病院へ連絡してください。それ以外の場合でも、食べた量や愛犬の様子を伝え、獣医師の指示を仰ぐのが最も安全な対処法です。

ピーナッツバターや殻、加工品の危険性

ピーナッツそのものにも注意が必要ですが、実はそれ以上にピーナッツバターや殻、人間用に加工された製品の方が、犬にとってはるかに大きな危険を及ぼす可能性があります。

ピーナッツバター

人間用のピーナッツバターは、製品によって甘味料としてキシリトールが使用されていることがあり、これは犬にとって猛毒です。

少量でも急性肝不全や低血糖を引き起こし、命を落とす危険性が非常に高いです。与える前に、必ず原材料表示を確認してください。

ピーナッツの殻

ピーナッツの硬い殻は、犬の消化器では分解できません。殻ごと食べてしまうと、食道や腸を傷つけたり、詰まらせて腸閉塞を起こしたりする危険があります。

ピーナッツクリーム

人間用のお菓子やパンに使われるピーナッツクリームは、大量の砂糖やバター、添加物が含まれています。これらは肥満や体調不良の直接的な原因となるため、与えてはいけません。

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まとめ

本記事では、犬にピーナッツを与えることが避けられるべき理由や注意点について解説しました。ピーナッツは犬にとって毒性はありませんが、高脂肪・高カロリーで肥満や膵炎のリスクを高める可能性があります。

また、アレルギーや誤飲といった危険性もあり、愛犬の健康面でのメリットがほとんどないため、積極的に与える必要はありません。本記事の内容を参考に、愛犬の食事管理を見直してみてください。