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グレープフルーツは、ビタミンをはじめとする栄養成分が豊富で、人間の健康や美容に良いとされていますが、犬に与えても問題ないのでしょうか?
ここでは犬にグレープフルーツを与える際の適量や注意点について解説します。
犬にグレープフルーツを与える際は注意が必要
グレープフルーツの実は、健康な犬であれば少量なら食べても問題ないとされています。ビタミンCや抗酸化物質が豊富で、免疫機能をサポートする効果もあるのです。
ただし、皮には絶対に注意が必要です。グレープフルーツの皮には「リモネン」や「ソラレン」といった犬に有毒な成分が含まれており、誤って食べると中毒を引き起こす可能性があります。
また、グレープフルーツには薬の効果を妨げる成分が含まれているため、投薬中の愛犬には与えないようにしましょう。消化不良を起こしやすい柑橘類でもあるため、与える場合は少量から様子を見ることが大切です。
犬は何歳(いつ)からグレープフルーツを食べられる?
離乳後の幼犬、老犬であっても、グレープフルーツの実の部分であれば与えることは可能です。実の白い筋や種、皮は必ず取り除き、果肉部分のみを与えます。また、グレープフルーツは酸味が強く、犬の胃を荒らすこともあります。
消化器系が発達しきっていない子犬や、弱ってきている老犬に与える際は、少量から試して、犬の反応や体調をよく観察しましょう。
下痢や嘔吐、軟便が見られたら、グレープフルーツを与えるのをやめて、動物病院を受診してください。
グレープフルーツに含まれる栄養成分と犬への影響
犬にグレープフルーツを与えるメリットは以下の3つです。
- ビタミンC
- カリウム
- ペクチン
- リモネン・ソラニン
1. ビタミンC
グレープフルーツは、ビタミンCを豊富に含む果物として知られています。
ビタミンCは、免疫システムの強化や白血球の活性化、皮膚や毛の健康維持、ストレスの緩和などの多岐にわたる健康効果があります。
ただし、犬は体内でビタミンCを合成する能力を持っているため、必ずしも外部から摂取する必要はありません。ビタミンCの効果を得るために過剰摂取すると、尿pHをアルカリに傾ける可能性がありますので、与える量は少量に留めておきましょう。
ミネラルやビタミンは身体を形成する上で大切な成分ではありますが、多く摂れば良いというものではなくバランスがとても大切です。
持病があり、特定の栄養素の制限が必要な場合には、グレープフルーツ単独で与えると持病が悪化するリスクがあるので与えすぎには注意しましょう。
2. カリウム
グレープフルーツは100gあたり約140mgのカリウムが含まれています。
カリウムには、浸透圧を調整する作用があり、体内に溜まった塩分を尿と一緒に体外に排出することで、血圧が高くなるのを防ぎ、神経の伝達や筋肉の収縮にも役立ちます。
ただし、加齢や腎臓病で腎臓の機能が低下していると、余分なカリウムを上手に体外に排出できなくなり、血液中のカリウム濃度が上がる「高カリウム血症」になる心配があります。
高カリウム血症は、痙攣や頻脈、不整脈などを引き起こす原因となり、重篤になると命に関わることもあるため、シニア犬や腎臓病のある犬、心機能が低下している犬にグレープフルーツを与えるときは注意が必要です。
3. ペクチン
グレープフルーツの果皮の内側に存在する軽くて柔らかな部分には、「ペクチン」という食物繊維が豊富に含まれています。
ペクチンは腸内の廃棄物を排出する働きがあり、お腹の調子を整えてくれます。また、この食物繊維は腸内の有害な細菌を減少させ、善玉菌を増加させる効果があるため、腸の健康をサポートし、便秘や軟便の改善に役立つでしょう。
さらに、腸内環境が健康になると、体全体の免疫機能の向上にも繋がると言われています。
4. リモネン・ソラレン
ソラニンとリモネンは、グレープフルーツの皮に多く含まれる成分で、犬にとっては要注意です。リモネンは柑橘類特有の香り成分ですが、犬の消化器系を刺激し、下痢や嘔吐を引き起こす可能性があります。
ソラレンは、投薬中の犬に影響を及ぼすことがあります。そのため、薬を服用中の犬には、グレープフルーツを与えないようにしましょう。
犬への適切なグレープフルーツの与え方
ここでは、犬への適切なグレープフルーツの与え方を紹介します。
量
グレープフルーツの1日の摂取目安量の範囲は以下の通りです。
小型犬(2~5㎏) 20g前後
中型犬(6~15㎏) 40g前後
大型犬(20~50㎏) 70~100g前後
グレープフルーツを与える場合は、週に1〜2回程度に抑えましょう。積極的にあげるほど特に有効な栄養成分があるわけではありませんので、愛犬の様子を見ながら、適量を目安に与えてください。
大きさと食べ方
外皮は犬にグレープフルーツを与える際は、以下の手順で準備しましょう。
- 皮を完全に剥く(白い筋も取り除く)
- 種を丁寧に取り除く
- 一口大(1cm角程度)に小さく切る
外皮は消化しにくい上に、ソラレンが含まれているため、下痢や嘔吐になることがあります。
犬に与える際は、皮やスジを取り除き、種も確実に除去してください。
絞ってジュースにしても良いですが、過剰に摂取すると下痢になることがあるため、適量を守り、さらに薄めて与えるなどの注意が必要です。
犬にグレープフルーツをあげる際の注意点
最後に、犬にグレープフルーツをあげる際の注意点を紹介します。
- 中毒症状を引き起こさないよう与え方には気を付ける
- 過剰摂取すると下痢や嘔吐の原因になる
- 市販のグレープフルーツジュースやゼリーはあげないようにする
それぞれの注意点を見ていきましょう。
中毒症状を引き起こさないよう与え方には気を付ける
グレープフルーツの皮に含まれるソラレンは、犬の体内で薬の代謝に影響を与え、中毒症状を引き起こす可能性のある成分です。実の部分なら少量は安全ですが、皮は絶対に与えてはいけません。犬が大量に摂取すると「ソラレン中毒」の原因となる可能性があります。
しかし、実際に毒性を示すほどのソラレンを犬が摂取するためには、かなりの量のグレープフルーツを食べる必要がありますので、リスクは非常に低いと考えられます。
実際に犬にグレープフルーツを皮ごと与えるケースは少ないと思われますが、私たち人間が食卓で皮付きのグレープフルーツを食べることはあると思います。
愛犬が食卓の食材に興味を持ち、間違って皮を食べてしまわないように注意しましょう。
過剰摂取すると下痢や嘔吐の原因になる
グレープフルーツの外皮、特に分厚い部分や内皮、さらに白いスジ部分は、犬にとって消化しにくいものです。
これらの部分を愛犬が大量に口にすると、消化不良の原因となる可能性があります。体調を崩した場合は、すぐに与えるのを中止し、症状が改善しない場合はすぐに動物病院を受診しましょう。
市販のグレープフルーツジュースやゼリーはあげないようにする
人間用のグレープフルーツ関連の加工品、例えばグレープフルーツジュースやアイス、ゼリーなどは、犬に与えるのは避けましょう。
生のグレープフルーツには、自然に果糖が含まれていますが、人間向けの加工品では糖分が含まれることが一般的です。犬にこれらの商品を与えると、糖分の過剰摂取となり、健康リスクを増加させる可能性があります。
愛犬の健康維持のために、人間用の加工食品は控え、犬専用の食事やおやつを選びましょう。
まとめ
グレープフルーツは、正しい与え方をすれば、愛犬の水分補給や疲労回復のサポート食材として有効です。
その酸味とフレッシュな味わいは、特に暑い季節にはリフレッシュ効果も期待できます。
しかし、グレープフルーツを過剰摂取すると、下痢や嘔吐、肥満の原因になる可能性があるため、少量にしたほうがよいでしょう。
与える量や注意点に気をつけて、愛犬とともに健康な食事を楽しみましょう。
■犬にグレープフルーツを与える際は注意が必要
・果糖(糖質)が血糖値を上昇させる
・腎臓に疾患がある犬は要注意
・外皮に含まれる「ソラレン」は消化に悪影響を及ぼす可能性がある■犬は何歳(いつ)からグレープフルーツを食べられる?
・離乳後の幼犬、老犬でも食べられる
・下痢や嘔吐、軟便が見られたら、与えるのをやめて、動物病院を受診■グレープフルーツに含まれる栄養成分と犬への影響
①ビタミンC
・免疫システムの強化や白血球の活性化、皮膚や毛の健康維持、ストレスの緩和
・過剰摂取は、尿pHをアルカリに傾けて結石や尿路感染症誘発の可能性
・持病がある場合は、単独で与えると持病が悪化するリスク、与えすぎには注意
②カリウム
・血圧が高くなるのを防ぎ、神経の伝達や筋肉の収縮にも役立つ
③ペクチン
・食物繊維が腸の健康をサポートし、便秘や軟便の改善に役立つ
・加齢や腎臓病で腎臓の機能が低下していると、「高カリウム血症」になる心配
・シニア犬や腎臓病のある犬、心機能が低下している犬に与えるときは注意
④リモネン・ソラレン
・消化器系を刺激し、下痢や嘔吐を引き起こす可能性■犬への適切なグレープフルーツの与え方
・量
・大きさ
・食べ方■犬にグレープフルーツをあげる際の注意点
・中毒症状を引き起こさないよう与え方には気を付ける
・過剰摂取すると下痢や嘔吐の原因になる
・市販のグレープフルーツジュースやゼリーはあげないようにする■犬にグレープフルーツをあげる際の注意点
・中毒症状を引き起こさないよう与え方に気を付ける
・過剰摂取すると下痢や嘔吐の原因になる
・市販のグレープフルーツジュースやゼリーは与えない


