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犬にゴーヤを与えることは、健康上のメリットも期待できるため、基本的には問題ありません。ただし、与える際には種とワタを取り除き、必ず加熱するなどの下準備が必要です。
また、ゴーヤに含まれる成分の中には、持病のある犬には注意が必要なものもあります。ゴーヤを与える際は、量や調理法に注意し、愛犬の健康状態に合わせて適切に判断しましょう。
本記事では、犬にゴーヤを与える際のメリットや安全な与え方、注意点を詳しく解説します。
犬はゴーヤを食べても大丈夫
犬にゴーヤを与えることは可能です。
ただし、人間と同じように、生のままや種・ワタごと与えるのは危険です。消化不良を起こしたり、種が腸に詰まる「腸閉塞」のリスクがあったりするため、適切な下準備が欠かせません。
安全に与えるためには、種とワタを完全に取り除き、加熱したものを、おやつやトッピングとして少量だけ与えましょう。また、そもそもゴーヤの苦味を嫌がる犬も多くいます。もし愛犬が食べたがらないようであれば、体に良いからといって無理に与える必要はありません。
犬は何歳(いつ)からゴーヤを食べられる?
愛犬の健康を第一に考える飼い主様には、ゴーヤは成犬になってから与えることをおすすめします。子犬やシニア犬は消化器官が未熟、または弱っているため、食物繊維が豊富なゴーヤが消化不良の原因になる可能性があるからです。
どうしても与えたい場合は、ペースト状にするなど、より消化しやすい工夫が必要です。
犬にゴーヤを与える6つのメリット
犬にゴーヤを与えるメリットは以下の通りです。
- ビタミンCを摂取できる
- カリウムを摂取できる
- βカロテンを摂取できる
- 葉酸を摂取できる
- 食物繊維を摂取できる
- ファイトケミカルのモモルデシンを摂取できる
それぞれのメリットについて、詳しく解説します。
1. ビタミンCを摂取できる
ゴーヤには、トマトの約5倍、ジャガイモの2倍の豊富なビタミンCが含まれています。ゴーヤのビタミンCは熱に強いため、加熱調理しても栄養をしっかり摂取できるのが嬉しいポイントです。抗酸化作用により、シニア犬の健康サポートや、皮膚・関節の健康維持にも役立ちます。
なお、犬は自身でビタミンCを生成できますが、加齢などで能力が落ちることも。栄養補助として少量与えるのがおすすめです。
2. カリウムを摂取できる
ゴーヤに含まれるカリウムは、老廃物の排出を促す働きがあります。健康な犬にとっては夏バテ予防にも役立ちます。しかし、腎臓や心臓に持病がある犬、シニア犬にとっては、このカリウムが逆に危険となる可能性があります。
体外にカリウムを排出する機能が低下しているため、血中のカリウム濃度が上がり、体に不調をきたす恐れがあるのです。該当する愛犬に与える際は、必ず獣医師の判断を仰いでください。
3. βカロテンを摂取できる
ゴーヤに含まれるβカロテンは、強力な抗酸化作用を持つ栄養素です。体内でビタミンAに変換されて皮膚や粘膜の健康をサポートするだけでなく、老化の原因となる活性酸素から体を守る働きも期待できます。
しかも、必要な分だけがビタミンAに変換され、残りは肝臓に蓄えられたり、尿と一緒に排出されるので、ビタミンの過剰摂取になる心配もないとされています。
4. 葉酸を摂取できる
ゴーヤに含まれる「葉酸」は、特に成長期の犬にとって重要な栄養素です。「造血のビタミン」とも呼ばれ、赤血球の生成を助け、貧血を予防する働きがあります。
また、新しい細胞が作られる際にも不可欠なため、お腹に赤ちゃんがいる母犬や、体がどんどん大きくなる子犬の、健全な発育をサポートします。
5. 食物繊維を摂取できる
ゴーヤに含まれる「食物繊維」は、愛犬のお腹の調子を整えたいと考えている方におすすめです。特に、不溶性食物繊維が豊富で、腸内で水分を吸収して便のカサを増やし、排便をスムーズにするからです。
例えば、便秘気味の子の食事に少量加えることで、自然なお通じをサポートする効果が期待できます。腸内の善玉菌のエサにもなり、腸内環境全体の改善にもつながります。
6. ファイトケミカルのモモルデシンを摂取できる
ゴーヤ独特の苦味は、「モモルデシン」というファイトケミカルの一種の成分です。モモルデシンは、肝機能を高めたり、動脈硬化の予防につながるメリットがあります。こうしたことから、ゴーヤを食べると暑い夏でも食欲が増し、夏バテや疲労回復にも効果的です。
加えて、モモルデシンは血圧や血糖値を下げる効果もあるためその点でもメリットがあります。
犬への適切なゴーヤの与え方
ゴーヤは犬にとって健康的な食材ですが、与え方にはいくつか注意点があります。正しい方法で与えることで、愛犬の健康を保ちながら栄養を取り入れることができます。
与える量
ゴーヤはあくまでおやつやトッピングとして、1日の総摂取カロリーの10%以内に留めましょう。ゴーヤを与える量は犬の体重に応じて調整する必要があります。具体的な量の目安は以下の通りです。
適量を守ることで、過剰摂取による体への負担を防げます。
・小型(2~5kg) 小さじ1杯程度(約5~10g)
・中型(6~15kg) 大さじ1杯程度(約15~20g)
・大型(20~50kg) 大さじ2杯程度(約30g)
与える際の大きさ
ゴーヤは繊維が豊富なため、そのままだと消化不良を引き起こす可能性があります。細かくカットして繊維を断ち切ることで、消化がしやすくなります。また、ゴーヤは下ゆですると苦味が抜けやすくなり、犬が食べやすくなるのでおすすめです。
食べさせ方
生のゴーヤは犬の消化器官に負担をかけることがあるため、必ず茹でるなどの調理をしてから与えましょう。調理済みのゴーヤは、下痢や消化不良のリスクを軽減し、安心して与えることができます。
犬にゴーヤをあげる際の注意点
犬にゴーヤをあげる際の注意点は、以下の通りです。
- 生のまま与えない
- 種とワタは必ず取り除いてあげる
- 与えすぎると下痢や嘔吐の原因になるので注意する
- アレルギーに注意する
それぞれの注意点について、詳しく解説します。
1. 生のまま与えない
ゴーヤは、生のままでは犬の体に負担をかけるため、必ず調理のひと手間を加えてあげましょう。
ゴーヤには、消化しにくい繊維やシュウ酸というアクの成分が含まれています。これらの成分は、細かく刻んでから3分以上茹でることで減らすことができます。
2. 種とワタは必ず取り除いてあげる
ゴーヤを割ると、たくさんの種とワタが出てきます。そのまま食べると犬の消化に良くないため、ゴーヤを与える際は種とワタは必ず取り除きましょう。
特に、熟したゴーヤの種は赤く、周囲についているゼリー状の果肉は甘くて食べやすいのですが、誤って食べてしまわないように注意が必要です。
愛犬が謝ってゴーヤの種を飲み込むと、種が喉に引っ掛かったり、腸閉塞を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。
3. 与えすぎると下痢や嘔吐の原因になるので注意する
ゴーヤには「食物繊維」が非常に多く含まれています。
食物繊維には「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」があり、適量を摂るぶんには犬にも有用なものですが、ゴーヤはとくに不溶性食物繊維が多く含まれ、与えすぎることで便秘の原因となることもあります。
与える際は細かくカットし、必ず茹でて柔らかくするなど、できるだけ体に負担をかけないよう工夫をして与えて下さい。
4. アレルギーに注意する
愛犬にゴーヤを与える際、アレルギーへの注意が必要です。犬に初めてゴーヤを与える場合、アレルギーチェックとして少量のゴーヤを与えて反応を見てみましょう。
食べてから1時間程度経っても体に異常がない場合、その後は通常通りゴーヤを与えても問題ないです。
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ゴーヤ以外で食べてもいい野菜・果物
ゴーヤ以外にも、犬が食べても良い野菜や果物はたくさんあります。ここでは、与え方のポイントと合わせて代表的なものを5つご紹介します。
さつまいも
さつまいもに含まれる食物繊維は、腸の働きを活発にし、便秘気味の子のお通じをサポートします。自然な甘みで犬も喜んで食べますが、カロリーが高めなので、与えすぎは肥満の原因になります。
必ず加熱して、皮を剥き、喉に詰まらせないように小さくカットするか、潰して与えましょう。
キャベツ
キャベツに含まれるビタミンUは、胃の粘膜を保護し、健康な状態を保つ手助けをします。
ただし、生のまま大量に与えると消化不良の原因になるため、必ず加熱して、細かく刻んでから与えるようにしてください。芯の部分は硬いので、取り除くのが安全です。
かぼちゃ
かぼちゃの黄色い色素であるβカロテンは、犬の体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜の健康を維持するのに役立ちます。
与える際は、必ず加熱して柔らかくし、消化に悪い種とワタは取り除いてください。皮も硬いので、剥いてから潰してあげると、より消化しやすくなります。
ブロッコリー
ビタミンが豊富で健康的なイメージですが、腎臓病の子には注意が必要です。生の状態で100gあたり460mgと、非常に多くのカリウムを含んでいます。健康な犬でも、生のままでは消化に悪いため、必ず細かく刻んでから、たっぷりのお湯で茹でて与えるようにしましょう。
トマト
水分が豊富なトマトは、夏バテ気味の犬の水分補給に役立ちます。また、抗酸化作用のあるリコピンも摂取できます。
一方で、犬にとって有毒なアルカロイドを含むヘタや葉、茎、未熟な青いトマトは、絶対に与えてはいけません。必ず赤く完熟した部分だけを少量あげるようにしてください。
犬とゴーヤに関してよくある質問
最後に、犬とゴーヤに関してよくある質問に回答していきます。
子犬や老犬(シニア犬)に与えても大丈夫ですか?
ゴーヤを与えるのは、消化器官が十分に発達した成犬になってからが理想です。
子犬やシニア犬は、消化機能が未熟だったり、衰えていたりするため、食物繊維が豊富なゴーヤが消化不良の原因になる可能性があります。もし与える場合は、特に少量にし、ペースト状にするなどの配慮が必要です。
ゴーヤが苦いのはなぜ?
ゴーヤ独特の苦味は、「モモルデシン」という成分によるものです。このモモルデシンは、肝機能のサポートや、食欲増進の効果が期待される、健康に良い成分です。
しかし、犬はこの苦味を嫌がることが多いため、無理に食べさせる必要はありません。
ゴーヤの種とワタは、なぜ取り除く必要があるのですか?
ゴーヤの種とワタは、犬にとって非常に消化が悪く、嘔吐や下痢の原因となります。特に、熟したゴーヤの赤い種は、犬にとって有毒なアルカロイドという成分を含む可能性も指摘されており危険です。
また、種が喉や腸に詰まってしまうと、腸閉塞という命に関わる状態を引き起こすことも。愛犬の安全を守るため、必ずスプーンなどで綺麗に取り除いてから与えるようにしてください。
ゴーヤの葉やツルを食べてしまっても大丈夫ですか?
ゴーヤの葉やツル自体に、犬にとって有毒な成分は含まれていません。しかし、繊維質で硬いため、消化不良を起こし、嘔吐や下痢の原因となる可能性があります。与える際は、葉やツルは取り除いてあげましょう。
また、家庭菜園などで育てている場合、農薬が付着している危険性も考えられます。愛犬が誤って口にしてしまわないよう、注意してあげましょう。
ゴーヤの苦味を嫌がります。無理に与えるべきですか?
無理に与える必要は全くありません。犬にも、人間と同じように味の好みがあります。ゴーヤの独特の苦味が苦手な子も多いです。
犬が嫌がるものを無理に食べさせることは、ストレスになるだけでなく、食事そのものへの不信感に繋がる可能性もあります。栄養補助が目的であれば、他の好きな野菜で代用してあげましょう。
ゴーヤチャンプルーのおすそ分けは大丈夫ですか?
人間用に調理されたゴーヤチャンプルーには、油を多く使っていたり、塩分が高かったりするため、膵炎や腎臓病など深刻な病気の引き金になることも。テーブルの上から盗み食いされないよう、注意が必要です。
まとめ
ゴーヤは、犬が食べても大丈夫な食材です。正しく与えられれば、ビタミンCや食物繊維などの栄養素が愛犬の健康維持に役立ちます。
しかし、生のまま与えたり、種を与えたりすることは非常に危険です。また、苦味を嫌がる子も多いため、愛犬が喜んで食べる場合にのみ、おやつやトッピングとして活用しましょう。









