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里芋は愛犬に食べさせても大丈夫な食べ物でしょうか?ここでは里芋を犬に与えてもよいのか、与える場合にはどんなことに注意したらよいのかなど解説します。
基本的に犬は里芋を食べても大丈夫
里芋は、適量であれば犬に安心して考えることができる食材です。そのため、食べ過ぎには注意が必要です。
里芋にはシュウ酸カルシウム結晶が含まれており、生の状態で与えると、犬の口や喉、胃の粘膜に刺さり、嘔吐やよだれを垂らすなどの中毒症状を引き起こします。
里芋の皮をむく際、人間が手にかゆみを感じるのは、シュウ酸カルシウム結晶が皮膚に刺さることによるものです。この成分は、尿のpHを酸性にすることで、シュウ酸カルシウム結石の原因になる可能性もあります。犬に里芋を与えるときは、適切な与え方や与える量に注意が必要です。
犬は何歳(いつ)から里芋を食べられる?
幼犬は消化器系がまだ成熟していないため、成犬になってからが理想的です。
幼犬は里芋を煮て細かく切り与えても、完全に消化することが難しいことがあります。シニア犬に関しては、年齢とともに消化や吸収能力が低下することでうまく消化することができない可能性があります。
幼犬やシニア犬にとって、下痢、軟便、嘔吐は成長や健康を乱し、体力の消耗を招きやすいです。新しい食材や初めて与える際は、その影響を考慮し慎重な判断が必要です。
犬に里芋を与える3つのメリット
1. ガラクタンを摂取できる
里芋を調理する際に最もヌメヌメとした「ぬめり」は「ガラクタン」という成分によるものです。
ガラクタンは炭水化物とタンパク質の複合体で、人間にとってはコレステロールの低下や高血圧の予防、動脈硬化の予防、さらにはガン細胞の抑制に関連する効果が期待される成分として知られています。また、これは水溶性食物繊維の一部として分類されます。
ガラクタンには、胃や腸の粘膜を保護し、消化をスムーズにする特性があり、さらに免疫力の向上も期待されています。また、食物繊維の摂取は、便秘の緩和および腸の運動機能の正常化に効果的です。これらの健康効果は魅力的ですが、食材を与える際には、愛犬の種類や健康状態に応じた適切な量や形態を検討することが重要です。
2. カリウムを摂取できる
里芋はカリウムを多く含む野菜の代表格です。
カリウムは筋肉の働きを助けたり、尿の排泄を促すことで、余分なナトリウムを排出し、血圧の調節や心臓の働きを助ける成分です。カリウムが不足すると、歩行不全、食欲不振、元気消失などの症状につながります。
ミネラルやビタミンは身体を形成する上で大切な成分ではありますが、多く摂れば良いというものではなくバランスがとても大切です。持病があり、特定の栄養素の制限が必要な場合には、里芋単独で与えると持病が悪化するリスクがあるので与えすぎには注意しましょう。
3. ビタミンB1を摂取できる
ビタミンB1、別名「チアミン」は水溶性のビタミンです。動物のエネルギー産生に欠かせない栄養素です。
特に糖の代謝に密接に関わっており、エネルギー生成の過程で乳酸をもう一度エネルギー源として活用する能力があるため、疲労感の軽減に効果的です。運動量が多い幼犬や成犬、活発な犬におすすめです。
犬への適切な里芋の与え方
量
小型 (2~5kg)・・・ 35g~70g
中型 (6~15kg)・・・ 80g~160g
大型(20~50kg)・・・ 200g~400g
※犬に里芋を与える際は必ず適量を守り、過剰摂取しないように注意しましょう。
大きさ
里芋を丸々与えると、飲み込むときにのどに詰まらせる危険があります。
特に小型犬や幼犬では注意が必要です。
そのため、食材は適切なサイズに細かく切ったり、ペースト状に潰してマッシュポテトのようにして、飲み込みやすくすることで安全に与えることができます。
食べ方
里芋に含まれるシュウ酸カルシウム結晶の中毒を回避するために、里芋は適切に加熱してから与えることをおすすめします。
シュウ酸は水に溶ける性質を持っているため、茹でることでその量を減少させることができます。一方、蒸し料理や電子レンジでの加熱ではシュウ酸の量は減らすことができません。犬に里芋を安全に考える際には、必ず茹でてから与えましょう。
人間の食事用に調味された里芋は、塩分や糖分が多く含まれている場合があります。これらの過剰摂取は、犬の健康を害する可能性があります。
犬に里芋を与える際には、調味料を添加せず、自然な状態で与えるのがベストです。
犬に里芋をあげる際の注意点
尿路結石症を防ぐために必ず加熱処理する
里芋には多くの栄養成分が含まれる一方、シュウ酸の含有量も高いとされています。
犬の体内で、このシュウ酸がカルシウムと結合することで結石が形成されるリスクが考えられます。
結石は、膀胱や尿道にダメージを与え、血尿や痛みの原因となりますので、里芋の摂取量には気を付けましょう。とくに腎臓病や尿路結石がある犬には、シュウ酸が多く含まれる里芋は控えましょう。
調理方法としては細かく刻んで茹でることで、結石のリスクを軽減させることに繋がります。
食物アレルギーの症状が出る場合もある
食物アレルギーは、特定のタンパク質成分に対して免疫系が過敏に反応することを言います。里芋は主に炭水化物を中心とした食材でありますが、極少量のタンパク質も含まれています。このため、一部の犬が里芋のタンパク質に対してアレルギー反応を示す可能性があります。
里芋を食べた後に皮膚のかゆみ、湿疹、消化器症状などのアレルギー症状が現れた場合、里芋が原因である可能性があります。万が一そのような場合には、すぐに動物病院に連れて行きましょう。
里芋の葉や柄をあげないように注意する
多くの方が知らないかも知れませんが、里芋の葉や柄にもシュウ酸が含まれています。
愛犬がこの部分をかじったり触れたりしない様に注意が必要です。
まとめ
今回は里芋を犬に与えてもいいのか、与える際の適量、メリット、注意点について解説しました。
里芋には、犬の健康をサポートする栄養素や、免疫力を向上させる成分が含まれていますので適切な方法で与えれば問題ありません。生のまま与えてしまうとシュウ酸カルシウム結晶の影響でリスクがあるので、必ず加熱してから与えることが重要です。
また、里芋は一時的なサプリメントとして、主食のドッグフードを中心に、適量としてトッピングやおやつとして与えるのがお勧めです。
ただし、内臓疾患のある犬には注意が必要な食物でもあります。特に腎臓、心臓の疾患や、甲状腺の疾患、又は、結石がある場合は、獣医さんに相談した方が良いでしょう。
■基本的に犬は里芋を食べても大丈夫
■犬は何歳(いつ)から里芋を食べられる?
■犬に里芋を与える3つのメリット
・ガラクタンを摂取できる
・カリウムを摂取できる
・ビタミンB1を摂取できる■犬への適切な里芋の与え方
・量
・大きさ
・食べ方■犬に里芋をあげる際の注意点
・尿路結石症を防ぐために必ず加熱処理する
・食物アレルギーの症状が出る場合もある
・里芋の葉や柄をあげないように注意する