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犬もストレスを抱える?飼い主が気付けるサインや解消法をご紹介

「愛犬にいつもの元気がない」「犬も人と一緒でストレスがあるの?」

愛犬と一緒に過ごしていると、このような疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。結論、犬も人間同様に、ストレスというものが存在します。

適度なストレスは、犬の適応力のために良しとされることもありますが、危険なサインであることもあるため、私たち飼い主は愛犬のストレス状態を見極める必要があります。

そこで本記事では、犬がストレスを抱える際のサインや原因、ストレスの解消・発散方法まで解説します。飼い犬のストレスに不安を感じている方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

【ストレス度別】犬のストレスサイン

犬も人間と同様に、さまざまなストレスを経験します。日常生活で軽度のストレスを感じることは避けられない一方で、これは適応力を養うのに役立ちます。しかし、慢性的なストレスや重度のストレスは、犬の心身に悪影響を及ぼす可能性があることに留意する必要があります。

ストレスの兆候に早めに気付くことは非常に重要です。

軽度ストレスのサイン

しっぽや耳が下がっている

犬が耳を後ろに倒す、普段は上がっているしっぽが下がっている場合には、「不安や警戒」の気持ちを表しています。しっぽだけでなく、体勢が低くなったり、腰が引けた状態になっていることもあります。

いつも以上に体をかく

皮膚疾患があるわけでもないのに、急に後ろ足で耳の後ろや体を搔き始めることがあります。これも、ちょっとしたストレスを感じている場合があります。

具体的には緊張した空気の時、また何か納得のいかないことが起こっている時に、このような行動が出ることがあります。

舌なめずりをする

愛犬が食事の前後でもないのに舌を出して、自分の鼻や口の周りをなめている場合は、ストレスを感じている場合があります。具体的には緊張を感じていて、気持ちを落ち着かせるための行動とされています。

ただし、歯周病や口内炎など、口腔内に異変がある場合にも舌なめずりをするようになりますので、あわせてチェックが必要です。

以上のように、軽度のサインは比較的普段からよく見られる行動も多く含まれています。

ストレスの兆候を見極めることは難しいかもしれませんが、愛犬の通常の行動や態度とは異なる兆候や、サインの頻度に注意深く気を配ることが大切です。

中度ストレスのサイン

軽度のサインでストレスを伝えても、相手に伝わらない場合は、より強いサイン(中度のストレスサイン)を出すようになります。中程度の場合、比較的容易に気付くことができますが、同時にストレスの程度もやや高まっており、問題行動につながりやすい可能性があります。

原因や解決策が不明確で、改善が見られない場合は、かかりつけの獣医師に早急に相談するべきです。

いつも以上に吠える・唸る

近づいただけで唸る吠え続けてしまう場合には、攻撃的な態度をとることで、ストレスの原因を遠ざけようとしている可能性があります。

嫌なことをされている時や、知らない人や物などに警戒心を抱いている場合もありますが、中には体調が悪い時や、痛みがある時に触ろうとすると、唸ることもあります。

また、シニア犬で目や耳などの機能が衰えることで、より不安や恐怖を感じるようになり、唸ったり、吠え続けてしまうこともあります。

噛みつく

軽度のストレスサインや、吠える、唸るなどのサインを出しているにも関わらず、さらにストレスを与えてしまうと、防衛本能から突然噛みつく仕草をしたり、本気で噛みついてしまうこともあります。

震える

犬は寒い時や興奮などでも震えることがありますが、不安や恐怖といったストレスから震えてしまうことがあります。例えば雷や花火の音などで怯えて震える、病院へ行くと震える、というのもそれに当たります。

不安や恐怖が嵩じると、逃げるという問題行動につながることもあります。また、体調が悪い時や痛みがある時にも震えることがあります。

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呼吸が早い

犬が舌を出して早く呼吸をする(パンティング)理由としては、運動後の酸素補給や、体温調節などがありますが、それだけではありません。不安や恐怖、緊張なども交感神経を優位にさせ、その結果、運動後でもなく、暑くもないのに呼吸が早くなる場合があります。

この場合、口を開けてハァハァと呼吸をしているだけではなく、他のストレスサイン(震える、あくびをする、尻尾を股の間に隠す、等)も出ていることが多くあります。

また、熱中症や、その他の病気が理由でパンティングが止まらない場合もあるので、愛犬の様子をよく観察しましょう。

重度ストレスのサイン

ストレスが深刻な場合、獣医師を早急に訪れる必要があります。問題行動だけでなく、健康にも悪影響を及ぼす可能性があるためです。

皮膚炎を起こしている

犬がグルーミングや、汚れを取るために自分の手足や体を舐めるのは自然な行動です。ただしストレスが溜まって発散ができないと、足先や陰部、脇腹など一定の場所を長時間執拗に舐め続けてしまうことがあります。

それによって、皮膚炎や脱毛を起こしてしまうことがあります。

犬の皮膚炎の原因は、ストレスによる心因性の他にも様々なことが考えられますので、何が原因か?の特定のためにも動物病院を受診して、早めのケアを心がけましょう。

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激しく脱毛している

犬の脱毛には、季節の変わり目にある換毛や、アトピーやアレルギー等の病気によるもの、そしてストレスによるものがあります。

ストレスによる脱毛は、上述したように同じ場所を長時間執拗に舐めたり、噛んだりすることでその部分の毛がなくなってしまったり、毛が抜けてしまいます。他の部分は正常なのに、地肌が見えるような脱毛部分が出来ている場合には、ストレス性の脱毛の可能性があります。

他の原因として、ホルモンの病気による脱毛も考えられますので、やはり動物病院を受診して原因の特定をしてあげましょう。

食欲不振になっている

犬もストレスによって、食欲が落ちてしまうことがあります。この場合、食欲不振だけではなく、複数のストレスサインを出していることも多いです。

あまりに食べない、食欲不振が長く続く場合には、免疫力や気力の低下など、健康に影響を及ぼすことがあるので要注意です。

嘔吐・下痢がある

嘔吐の原因としては、誤食や食べすぎ、また逆にお腹が空きすぎることによるエネルギー不足など、様々なことが考えられますが、ストレスもその原因となることがあります。

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この場合はストレスによる自律神経の乱れが嘔吐を引き起こしています。

また、同じようにストレスによる神経性の下痢を起こすこともあります。嘔吐も下痢も、長く続く場合や、食欲不振も併発している場合には注意が必要です。

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犬がストレスを感じる3つの原因

犬がストレスを感じる主な原因は以下の通りです。

  1. 環境変化による不安・緊張
  2. 空腹
  3. 睡眠不足

それぞれの原因について、以降で詳しく解説します。

1. 環境変化による不安・緊張

人間も、職場の変更、引っ越し、家族構成の変化など、さまざまな環境の変化によって緊張や不安、葛藤を経験することがあります。犬も同様に環境や家族の接し方などに変化が見られると、心理的なストレスを感じる場合があります。

また、犬種によって体の大きさや被毛の量・長さが異なるため、犬が快適に感じる気温や湿度も人とは異なります。

体温も人間の平熱が36~37℃に対して犬の平熱は38~39℃と人間よりも高めです。人では問題がなくても、犬にとって暑すぎる、寒すぎることでストレスになる可能性があります。

犬にとって、聴覚や嗅覚などの感覚が人間よりも鋭敏であるため、大音量や明るい光、不自然な香りなどの要因は、環境的なストレスの要因となり得ます。

2. 空腹

空腹は犬にとってストレスの原因となることがあります。犬の体のサイズに合わせて適切な量の食事を提供しないと、ストレスが蓄積されるだけでなく、栄養不足により予期せぬ健康問題を引き起こす可能性があります。

また、新鮮な水が利用できない、トイレや寝床が清潔でない、トイレの場所が分かりにくい、行きにくい場所に配置されているなど、生理的欲求が満たされない場合、生理的なストレスが発生する可能性があります。

3. 睡眠不足

通常、家の中は犬にとって安心できる場所ですが、急な環境の変化、例えば引っ越しの際などには、不安と緊張から睡眠不足が生じることがあるかもしれません。

また、音や光の刺激が強い、人間の生活リズムと合わない、など睡眠に適さない環境では、睡眠時間だけでなく睡眠の質も落ちてしまい、十分な休息を得られず、ストレスが溜まる原因となります。

犬のストレスを解消・発散する方法

犬がストレスを抱えている場合、できるだけ早くその原因を特定し、ストレスを軽減させることが非常に重要です。主な解消・発散方法は以下の通りです。

  1. スキンシップを増やす
  2. 散歩や運動の時間を増やす
  3. 適度におやつを与える
  4. 犬用のスペースをしっかり確保する
  5. 噛むおもちゃを与える

それぞれの解消方法について、詳しく解説していきます。

1. スキンシップを増やす

犬は知能の高い動物であり、自分が飼い主に愛されているかどうかを理解できます。愛する飼い主との触れ合いの時間は、犬にとって非常に幸せな瞬間です。

短い時間でも構いませんので、おもちゃを投げたり、犬が喜ぶところを撫でたり、声をかけてコミュニケーションをとりましょう。これによってスキンシップを深めることができます。体を撫でてもらったり、声を掛けてもらえるだけでも、犬は安心してストレスの解消になります。

ブラッシングが好きな犬は、ブラッシングを行うことでスキンシップを楽しむことができます。ただし、過度なスキンシップが逆にストレスを引き起こすことがあるため、犬の個性に合った適切なバランスを保つことが大切です。

犬の反応をよく観察しながら、愛犬が喜ぶスキンシップを楽しんでください。

2. 散歩や運動の時間を増やす

運動や食事の適切な量は、犬種、年齢、健康状態に応じて異なります。運動と食事の欲求が適切に満たされると、犬は満足感を得ることができ、ストレスを蓄積しにくくなるでしょう。

散歩の時間と回数は小型犬で30~60分を1日2回、中~大型犬だと60分以上を1日2回が目安ですが、犬種や体格、性格によっても違います。過剰な運動もストレスになりますので、愛犬の様子を見ながら楽しいお散歩を心がけましょう。

3. 適度におやつを与える

ストレス状態の犬は緊張しています。食べ物を食べることで、緊張状態をほぐし、副交感神経を刺激することができます。体型に気を付けながら、適度におやつを与えてあげましょう。

また、噛むという行動でストレスを発散することができるので、適度な噛み応えがあるおやつも良いでしょう。

ただし、骨や乾燥したジャーキー類は、小型犬では歯や歯茎を傷める可能性がありますので要注意です。また、内臓疾患がある犬にジャーキー類など高いタンパク質比率のおやつを与えることで、腎臓や肝臓に負担をかけることがありますので、栄養成分をよく見て与えましょう。

4. 犬用のスペースをしっかり確保する

留守番中に雷や地震などの急な出来事や、怒られた時などに犬が安心して避難できるスペースを提供することも重要です。犬が自由に動けるスペースに、サークルで囲いを作って中にケージやベッドを置いてあげるなど、「自分だけの場所」を確保してあげると良いでしょう。

犬は甘えたいと感じるときには家族の隣に寄り添い、自分のペースでリラックスしたいときには犬用のスペースに移動することもあります。家族の活動を近くで観察できるため、犬も安心して過ごせます。

5. 噛むおもちゃを与える

犬に留守番をさせる等ストレスを与えることが考えられる場合、気を紛らわせるために効果的なのがおもちゃなどのグッズです。

犬はストレスを発散するために噛む行動をとることがあります。家庭内で問題を防ぐためには、犬用のおもちゃで噛む習慣を促すことが役立ちます。犬用のデンタル製品や噛むおもちゃを提供する際には、犬がそれらを安全に使用できるかを確認しましょう。

ただし、硬すぎるおもちゃは歯が欠ける可能性があるので、注意が必要です。

また、犬用のガムを与えている方は、丸呑みやのどに詰まらせるなどの事故に注意するだけでなく、タンパク質の比率も確認しましょう。おやつの項でも書きましたが、内臓疾患がある場合、高タンパクの食べ物は、腎臓や肝臓の負担となる場合があります。

おもちゃやデンタル商品の好みも個体差がありますので、愛犬の好みを見つけてあげることが大切です。定期的にデンタル商品やガムを噛むことは歯周病予防にも役立ちます。

さらに、おやつを入れて遊べる知恵玩具やおもちゃなどのアイテムは、犬が時間をかけて遊べるので、寂しさや不安を解消するのに役立ちます

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まとめ

言葉を話せない犬のストレスサインに早く気付くのは飼い主の役割です。

飼い主は早めに気づくことで愛犬のストレスを軽減してあげましょう。ストレス解消法は多岐にわたりますので、飼い主は愛犬の状態を観察しながら最適な方法を見つけてあげることが大切です。

さらに、健康に深刻な影響を及ぼす重度のストレスサインが見られたり、複数のストレスサインが同時に現れた場合は、必ず獣医師に相談し、適切な治療を受けさせるべきです。

犬のストレスの要因とその軽減方法について、代表的なものを列挙しました。

子育てと同様に、毎日犬の表情や行動を注意深く観察することで、犬からのサインやメッセージを見逃すことなく捉えることができます。

心の健康は体の健康にもつながりますので、愛犬を見守ることは、病気の予防にもなります。犬はストレスを感じやすいことを意識し、ぜひ愛犬の出すサインを見逃さないようにしてくださいね。

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