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犬のよだれが止まらない?考えられる原因や病気、見分け方を解説

犬を飼っていると、時々愛犬のよだれが気になる瞬間があるかもしれません。私たち人間も美味しい食べ物が目の前にあると、よだれが出るように、犬にとってもよだれは自然な反応の一つです。しかし、よだれの量がいつもより多かったり、様子に異変が見られたときは、体調不良や病気のサインかも知れません。

そこで本記事では、犬がよだれを垂らす理由と、注意が必要なよだれの兆候、見分け方を解説していきます。ぜひ参考にしてください。

犬がよだれを垂らす6つの原因

犬がよだれを垂らすのは、生理的なものから体調不良によるものまで、さまざまな理由が考えられます。犬がよだれを垂らす主な原因は以下の6つです。

  • 空腹だから
  • リラックスしているから
  • 苦味や刺激を感じたから
  • 暑いから
  • ストレスを感じているから
  • 病気・体調不良だから

それぞれの理由について詳しく見ていきます。

理由1. 空腹だから

犬は空腹時に、食べ物を見たり匂いを嗅いだりすると、唾液の分泌が促進され、犬のよだれが増えることがあります。これは食事の消化を助ける準備としての自然な反応なので、特に心配する必要はありません。

理由2. リラックスしているから

犬が深くリラックスしているとき、副交感神経が優位になり、口内を潤すために唾液の分泌が増えることがあります。寝ているときや、飼い主と穏やかな時間を過ごしているときによだれが垂れるのは、リラックスしている証拠です。

理由3. 苦味や刺激を感じたから

苦いものや刺激の強いものを舐めたとき、犬のよだれの量が増加することがあります。これは、口内の苦味や刺激に対応してよだれが多く分泌されるためであり、心配する必要はありません。十分な量の水や食事を与えることで犬は落ち着くでしょう。

万が一、洗剤や薬品など有害なものを舐めてしまった場合は、速やかに獣医さんに診察してもらう必要があります。

理由4. 暑いから

人間のように汗をかいて体温調節ができない犬は、暑くなると、舌を出して呼吸することで体の熱を逃しています。このとき吐き出した息と一緒に、口の中の唾液が気化することで、体温を下げることができます。ただし、口が開けっ放しになってしまうため、よだれが垂れやすいです。

理由5. ストレスを感じているから

動物病院に行ったときや、大きな音に驚いたときなど、犬はストレスや不安を感じると、よだれを多く垂らすことがあります。

動物病院への通院、雷や花火の音、不慣れな場所などがストレスの原因になることが多いです。この場合、よだれに加えて震えや呼吸の乱れが見られることもあります。また、愛犬が不安や緊張を感じている場合、原因を排除するのが最善ですが、難しい場合は、お気に入りのおやつやおもちゃを使ってリラックスさせることができます。

以下のストレスについて詳しく知りたい方は、以下の記事でも参考にしてください。

関連記事:犬もストレスを抱える?飼い主が気付けるサインや解消法をご紹介

理由6. 病気・体調不良だから

様々な健康問題が原因で、犬のよだれの量が増えることがあります。以下のようなケースでは特に注意が必要です。

  • 口内炎
  • 歯周病
  • 喉頭炎
  • 胃炎
  • 胃膨張
  • 熱中症
  • てんかん
  • 誤飲

この場合、よだれに加えて、口臭や食欲不振、発熱、痙攣、吐き気などの他の症状を伴うことが多いです。異常を感じたら早めに動物病院を受診しましょう。

犬のよだれで考えられる8つの病気とは?

犬のよだれが増える原因には、日常的なものだけでなく、体調不良や病気が関係していることもあります。犬のよだれで考えられる病気は以下の8つです。

  • 歯周病・歯肉炎
  • 熱中症
  • 口内炎
  • 胃炎・誤飲
  • 口腔内腫瘍
  • てんかん
  • 咽頭炎

それぞれの病気について見ていきましょう。

1. 歯周病・歯肉炎

歯周病や歯肉炎の時には、よだれの量が増える他にも以下のような症状があります。

歯肉が赤く腫れる、出血や膿が出る
歯石がついている
・口臭がきつくなる
フードを食べにくそうにしている 食欲が落ちる
を気にする、必要以上にこする
・くちゃくちゃとを立てている

他にも、口の様子がいつもと違っていたり、吐き気を催すこともあります。

2. 熱中症

犬がよだれを垂らす際は、熱中症の可能性も考えられます。夏場や気温が高い日は熱中症になりやすく、多量のよだれを放出するだけでなく、呼吸が急に荒くなり、舌や口の内部が赤くなることがあります。

また、嘔吐や下痢などの症状も出ることがあり、早急な対処が必要です。放置すれば命に関わるため、すぐに動物病院を受診しましょう。

関連記事:犬の熱中症|症状や原因、かかりやすい犬種、予防する方法を紹介

3. 口内炎

口内炎は、口の中の粘膜に炎症が起こる状態です。発生する場所によって名称が異なり、歯肉炎も口内炎の一種です。原因はウイルス感染や外傷など様々です。

症状としてよだれ以外にも食欲不振、口臭、強い痛みなどの症状が現れることがあります。痛みがあると、口を触られるのを嫌がる、あくびを途中でやめてしまうなどの様子が見られます。

よだれもいつもよりドロッとしていたり、血が混ざったよだれが出てくることもあり、注意が必要です。

4. 胃炎・誤飲

胃の中に炎症が起きたときや、異物を誤って飲み込んでしまったときにも、吐き気に伴ってよだれが増えることがあります。異物誤飲の場合、誤って摂取したものが有毒だったり鋭かったりする場合、迅速な対処が必要です。「なんだか様子がおかしいな」と思ったら、迷わず動物病院に連れていきましょう。

5. 口腔内腫瘍

口腔内腫瘍には良性と悪性のものがあります。悪性の口腔内腫瘍は痛みを引き起こすこともあり、口を閉じづらくなることでよだれが多くなりがちです。また、よだれ以外にも食事量が急に減ってくる、歯茎や口まわりからの出血、口臭がひどくなるなどの症状が現れます。

6. てんかん

てんかんは脳の異常によって起こる疾患で、てんかんの発作前徴候として、よだれが増えることがあります。また、舌を頻繁に舐める、不安定な動きでウロウロと歩き回るなど、普段と違う動きが見られる場合は注意が必要です。

てんかんの発作を目撃した場合、記録を取り、状態が安定したら動物病院で獣医に相談しましょう。早期の診断と適切な治療が、愛犬の健康を左右することになります。

7. 咽頭炎

咽頭炎は、食道の入り口や気管の入り口が炎症を起こしている状態を言います。

原因としては、ウイルス・細菌などの感染のほか、タバコの煙や車の排ガスなどの有毒物質の吸引や誤飲による傷、腫瘍などが考えられます。症状のひとつとして大量のよだれがあり、その他に喉やリンパの腫れ、咳、呼吸障害などもみられます。

8. 中毒

中毒症状が発生した場合、犬は多量のよだれを垂らすことがあります。例えば、チョコレートやネギ類を誤って食べた場合、中毒症状としてよだれや痙攣が現れることがあります。犬にとって危険な食べ物は多く、特にチョコレートに含まれるカカオは誤飲した際に過剰な興奮作用を引き起こし、よだれや痙攣を引き起こす可能性があります。

犬が食べてはいけないものに関して、以下の記事でまとめて紹介しています。こちらもあわせてチェックしてみてください。

関連記事:愛犬が食べてはいけない食べ物リスト|危険な食材と注意点をジャンルごとに解説

病気の可能性があるよだれの見分け方

ここでは、病気の可能性があるよだれを見分ける方法を3つ紹介します。

1. よだれがポタポタと止まらない

単によだれが多いだけでなく、異常な量のよだれがポタポタと止まらない場合は、病気のサインかもしれません。

  • 熱中症
  • 胃拡張・胃捻転など
  • 乗り物酔い(車酔い)など

極度の緊張、恐怖などのストレスを感じている場合でも、よだれが止まらなくなる場合があります。思い当たる原因がない、よだれの他に症状が出ている場合は、動物病院で受診しましょう。

2. 気泡を含んだよだれになっている

よだれに気泡が含まれている場合、下記の可能性があります。

  • 愛犬が誤って殺虫剤や農薬などを飲み込んでしまった
  • 脳の異常
  • 肺などの呼吸器心臓の疾患
  • 胃拡張・胃捻転など
  • 乗り物酔い(車酔い)など
  • 膵炎

原因が明らかでなければ、命にかかわる病気の可能性もあるため、早めに受診しましょう。

3. よだれから臭い匂いがする

よだれから臭い匂いがする場合、特定の病気の可能性が考えられます。

例えば、口からアセトン臭がする場合、糖尿病の可能性があるかもしれません。糖尿病の場合、口渇が原因で口臭が生じることもあります。

また、アンモニアのような臭いがある場合、腎不全や尿毒症の兆候かもしれません。これは、体が毒素を適切に排出できないために悪臭が生じることがあります。

さらに、酸っぱい匂いが感じられる場合、胃腸炎や胃酸の過剰分泌の可能性が考えられます。嘔吐や下痢などの症状が同時に見られる場合、胃腸の問題が疑われます。臭いだけでなく、血が混じったよだれや粘りのあるよだれも、病気の兆候として考えられますので、早めに動物病院を受診しましょう。

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まとめ

今回は、犬がよだれを垂らす理由と、考えられる病気、病気の見分け方について解説していきました。犬がよだれを垂らす際、基本的には問題ないケースが多いですが、中には病気の兆候であることもあります。

万が一、病気の可能性があるよだれの垂らし方をしていた場合、速やかに動物病院に診てもらいましょう。