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「いちごって甘くて美味しいから、犬にも少しぐらい与えても大丈夫だよね?」そう思う飼い主さんも多いのではないでしょうか。
しかし、実は注意すべき点がいくつかあります。いちごには犬にとって嬉しい栄養素が含まれる一方、過剰に摂取すると健康に悪影響を与える成分も含まれています。
この記事では、犬にいちごを与える際のメリットやデメリット、正しい与え方について詳しく解説します。愛犬の健康を守るために、ぜひ最後まで読んでみてください。
犬にいちごを与える際は注意が必要
いちごは犬にとってすぐに害を及ぼす食べ物ではありません。甘くて食べやすいことから、おやつとして与える飼い主さんも少なくないでしょう。
しかし、いちごには「シュウ酸」や「酸味成分」といった、犬にとって摂取しすぎると健康に悪影響を与える可能性のある成分が含まれています。
そのため、いちごを与える際は量に注意し、適切な範囲内で与えることが大切です。いちごは犬にとって必須の食べ物ではなく、健康維持のために積極的に与える必要はありませんが、適量であればおやつとして楽しむことができます。
犬は何歳(いつ)からいちごを食べられる?
犬は離乳後であれば幼犬でも老犬でもいちごを食べることができます。
ただし、いちごは食物繊維を多く含むため、犬にとっては消化しやすい食べ物ではありません。特に消化機能が未発達な幼犬や、加齢で消化機能が衰えた老犬に与える際には、量や与え方に注意が必要です。
初めていちごを与える際には、アレルギー症状が出ないかを慎重に確認してください。痒みや嘔吐、下痢などの症状が見られた場合は、すぐに与えるのをやめましょう。
与える際は、いちごを少量にカットしたりペースト状にして与えると、犬にとって食べやすくなります。これらのポイントを押さえて、安全にいちごを楽しませてあげてください。
犬にいちごを与えるメリット
いちごは、適量であれば犬にとって健康的なおやつとなります。愛犬にいちごを与える主なメリットは以下の通りです。
- ポリフェノール(アントシアニン)を摂取できる
- 食物繊維(ペクチン)を摂取できる
- ビタミンCによる健康維持
それぞれのメリットについて、詳しく解説していきます。
1. ポリフェノール(アントシアニン)を摂取できる
いちごには、ポリフェノールの一種であるアントシアニンが豊富に含まれています。この成分は抗酸化作用を持ち、犬の目の健康維持をサポートすると考えられています。また、細胞の酸化防止にも役立ち、老化抑止にもつながるとされています。
2. 食物繊維(ペクチン)を摂取できる
いちごには、水溶性と不溶性の食物繊維がバランスよく含まれています。水溶性食物繊維であるペクチンは、腸内の食物の移動を遅くし、便を整える働きがあります。
一方、不溶性食物繊維は便のかさを増し、腸内環境を整える効果が期待できます。これにより、下痢気味の犬にも便秘気味の犬にも良い作用を及ぼしてくれるでしょう。
3. ビタミンCによる健康維持
いちごはビタミンCを豊富に含んでいます。ビタミンCは、タンパク質からコラーゲンを生成するのをサポートし、毛細血管や歯、骨の健康を保つのに役立ちます。
また、強い抗酸化作用で病気予防や老化抑止にも寄与します。犬は体内でビタミンCを合成できますが、5歳を過ぎる頃から合成能力が衰え始めるとも考えられるため、食べ物からの補給も有効です。
犬にいちごをあげる際の注意点
いちごは、適量であれば犬にとって健康的なおやつとなります。愛犬にいちごを与える主なメリットは以下の通りです。
- アレルギーの可能性
- 加工品は与えない
- ヘタの誤飲に注意する
- ビタミンCは、あえて摂取する必要がない
- いちごのシュウ酸に注意する
- 与えすぎによる下痢のリスク
それぞれの注意点について、詳しく解説していきます。
1. アレルギーの可能性
いちごに対してアレルギーを持つ犬もいます。いちごはバラ科の果物なので、桃やさくらんぼ、りんごなど、バラ科の植物にアレルギーを持つ犬には与えないほうが良いでしょう。
そのため、最初から多くの量を与えることはやめましょう。初めて食べる場合には、一口などの少量から与えるようにして、アレルギーが出ないかをチェックするように気をつけましょう。体の痒みや、嘔吐・下痢などの消化器症状がみられたら、アレルギーの可能性も考えられます。
アレルギーが出ないことを確かめたら、目安内の量をおやつとして与えても大丈夫でしょう。
2. 加工品は与えない
糖分が多く含まれていることが多いためです(いちごのショートケーキなども)
人間用のいちごジャムやショートケーキ、アイスなどの加工品は、犬にとっては糖質が多すぎるため、与えないでください。血糖値の上げやすさの指標である「GI値」で見ると、いちごが29であるのに対し、いちごジャムは82と3倍近くになっています。
糖質の摂りすぎは肥満の原因になりますし、血糖値の上昇につながり、各疾患の原因になる可能性があります。
3. ヘタの誤飲に注意する
いちごのヘタは硬く、消化不良や喉詰まりの原因となる可能性があります。特に丸飲みしやすい犬には注意が必要です。与える際には、必ずヘタを取り除き、犬が食べやすい大きさにカットするか、ペースト状にすることをおすすめします。
4. ビタミンCは、あえて摂取する必要がない
ビタミンCには抗酸化作用があります。激しい運動や加齢などによる酸化ストレスに有効です。さらに、コラーゲンの生成にも大きく関わっていることから、皮膚や関節にも効果的な栄養素です。いちごには多くのビタミンCが含まれていることから、人間にとってはビタミンC補給に適した食べ物とされています。
一方、犬は自身の体内でビタミンCを生成することができるので、いちごから摂取する必要がありません。むしろ過剰摂取となると、尿phをアルカリに傾ける可能性が出てきますので、与える量は少量に留めておきましょう。
5. いちごのシュウ酸に注意する
いちごにはシュウ酸が含まれており、これを多量に摂取すると結石の原因となる場合があります。特に腎臓に問題がある犬や結石の既往がある犬には注意が必要です。シュウ酸を軽減するには、いちごを茹でたり、他の茹で野菜と組み合わせて与える方法が効果的です。
6. 与えすぎによる下痢のリスク
いちごは水分や食物繊維が豊富であるため、過剰に与えると下痢の原因になることがあります。小型犬は特に影響を受けやすいため、1kgの犬でいちご半分、10kgの犬で1日3粒程度を目安に与えるよう心がけましょう。
犬への適切ないちごの与え方
いちごは、甘みがあり犬も喜ぶおやつとして与えやすい果物です。しかし、与え方や量を間違えると健康に悪影響を及ぼす可能性があります。愛犬の健康を守りながらいちごを楽しむために、適切な量や与え方について詳しく解説します。
量
いちごには、多量に摂取すると低血糖になる恐れがあるキシリトールが含まれているので、与え過ぎには注意が必要です。
いちごは食物繊維や水分が多く、大量に食べることで下痢を引き起こすこともあります。犬に与える時は、基本的におやつ・ご褒美として少量を与えるようにしてください。
小型犬などの場合には、いちご一粒でも与えすぎの場合があります。目安としては、1kgの犬でいちご半分です。10kgの犬であっても、いちごは一日に3粒までにしておきましょう。
また、いちごには、生の状態で100gあたり約40㎎程度のキシリトールが含まれていますが、大量に摂取しない限り、問題となる量ではありませんので、過度に心配する必要はありません。
犬が中毒症状を起こすキシリトールの量は、体重10kgの犬で1000㎎(1g)程度と言われていますので、10kg程度の犬がキシリトールによる中毒症状を起こすケースは、2.5kg以上のいちごを食べるといった状況下で起こりえる事です。
そのため、少量のいちごを与える場合において、キシリトール中毒を心配する必要はないでしょう。
与え方
ヘタ部分を取り除きます。小型犬では、小さくカットしたり、ペーストにしてから与えるようにしましょう。犬がいちごを丸呑みしてしまうと喉に詰まってしまうリスクがあります。
また、高齢犬などのように飲み込む力が弱くなってしまっている場合にも、ペースト状にしてあげることで食べやすくなります。
いちごのシュウ酸による害を軽減させる与え方
いちごには犬にとって多くのメリットのある栄養素が含まれていますが、一方でシュウ酸も含まれています。シュウ酸は過剰に摂取することで結石のもとになることがありますので、結石になりやすい犬や腎臓に疾患のある犬は注意が必要です。
いちごのシュウ酸による害を軽減させるためには、食べ方を工夫すると良いでしょう。いちごを茹でることで、含まれているシュウ酸を出すという方法もありますが、生で食べる際には、いちご単独ではなく茹でた野菜と一緒に与えることをおすすめします。
いちごに含まれるシュウ酸を薄めるという意味で、茹でた野菜の食物繊維は有効です。
ゆで野菜といちごの割合は1:1
特にシニア期や内臓疾患のある犬猫ちゃんにはこの様な工夫をしてあげると無難でしょう。ゆでた野菜で食物繊維を作るレシピは以下の通りです。
◆サキニコブ(血糖値を上げにくい野菜)
さつまいも・きのこ・人参・小松菜・ブロッコリー
いずれも必ず細かくみじん切りし、3~10分茹でて、ゆで汁は捨てましょう。
※焼く、蒸す、レンジはNG
糖分や不要な栄養成分が流れ出ているゆで汁を捨てる事が大切です。
いちご以外の果物について
ここまで犬にいちごを与えて良いかについて解説しましたが、他の果物はどうなのでしょうか。ここでは、犬に与えられる代表的な果物として「みかん」「りんご」「バナナ」「ブルーベリー」の4つについて解説します。
- みかん
- りんご
- バナナ
- ブルーベリー
みかん
みかんは犬に与えても問題ない果物の1つです。ただし、与える際には注意点があります。みかんにはビタミンCやカリウムが豊富に含まれており、適量であれば犬の健康維持に役立ちます。
一方で、みかんの皮や白い筋は消化に悪いため、必ず取り除いて与えてください。また、みかんにはクエン酸が含まれているため、胃が弱い犬や酸味が苦手な犬には控えるほうが良いでしょう。適量は1日1〜2房程度を目安に、小型犬にはさらに少量を与えるようにしてください。
りんご
りんごは、犬にとって消化の良い果物で、繊維質が豊富なため腸内環境を整える効果があります。また、ビタミンCやカリウム、ペクチンが含まれており、適量であれば健康に良い影響を与えます。
ただし、りんごの種には「アミグダリン」という有毒成分が含まれており、摂取すると中毒を引き起こす可能性があります。そのため、必ず種と芯を取り除き、薄くスライスして与えることが重要です。目安として、小型犬で1日4分の1個、中型犬以上で半分程度を与えると良いでしょう。
バナナ
バナナは犬にとってエネルギー補給に適した果物です。カリウムやビタミンB6が豊富で、筋肉や神経の働きをサポートする効果があります。また、消化が良く、トレーニングのご褒美として与えるのにも適しています。
ただし、バナナには糖分が多く含まれているため、肥満気味の犬には注意が必要です。与える際には皮を剥き、2~3cm程度の輪切りにして少量を与えるようにしてください。1日あたりの目安は、小型犬で2~3切れ、中型犬以上で半分程度です。
ブルーベリー
ブルーベリーは、いちごと同様に抗酸化作用の高いポリフェノールが豊富に含まれています。この成分は目の健康維持に役立ち、老化防止にも効果が期待できます。また、ブルーベリーは柔らかく、犬がそのまま食べやすい果物です。
ただし、小粒のブルーベリーを丸飲みすると喉に詰まる可能性があるため、特に小型犬には与える前に半分に切るなど工夫が必要です。目安量は、小型犬で2~3粒、中型犬以上で5~7粒程度を1日に与えるのが適切です。
犬のいちごに関するよくある質問
いちごは犬にとって適量であれば安全なおやつですが、与える際に飼い主の方が疑問や不安を感じることも少なくありません。ここでは、いちごを犬に与える際によく寄せられる質問とその回答をまとめました。愛犬の健康を守りながらいちごを楽しむ参考にしてください。
犬がいちごを丸ごと飲み込んでしまった場合
どうしたらいい?
犬がいちごを丸ごと飲み込んだ場合、喉に詰まっていないかすぐに確認してください。咳き込んだり苦しそうな様子がある場合は、すぐに動物病院に連絡するのが安全です。詰まっていない場合でも、消化不良や下痢が起こる可能性があるため、様子を注意深く観察してください。
冷凍いちごを与えても大丈夫ですか?
冷凍いちごは適切なサイズにカットしたり、軽く解凍することで犬に与えることができます。暑い季節には、冷たいスナックとして与えるのもおすすめです。ただし、大きな塊のまま与えると喉に詰まる危険があるため、小さくしてから与えるよう注意してください。
どの品種のいちごを選べば良いですか?
犬に与えるいちごは、糖度が控えめで酸味が少ない品種を選ぶと良いでしょう。たとえば、「とちおとめ」や「紅ほっぺ」などが適しています。農薬の影響を避けるために、可能であれば無農薬または減農薬のいちごを選ぶことをおすすめします。
与えてはいけないタイミングはありますか?
犬の体調が悪い時や、胃腸炎、下痢の症状がある場合は控えましょう。また、結石や腎臓疾患の既往歴がある犬にはシュウ酸が負担になることがあるため、与えるのを避けた方が安全です。与える前に獣医師に相談するのも良いでしょう。
いちごの葉っぱやヘタを少し食べてしまった場合は?
いちごの葉っぱやヘタは消化に悪いため、誤飲した場合は嘔吐や下痢を引き起こす可能性があります。少量であれば問題がないことも多いですが、体調の変化を観察し、異常が見られた場合はすぐに動物病院に相談してください。
いちごを毎日与えても大丈夫ですか?
いちごはあくまでおやつやご褒美として与えるのが理想です。毎日与える必要はなく、週に1~2回程度が適切です。与えすぎると糖分やシュウ酸の摂取が過剰となり、健康に影響を与える可能性があります。
まとめ
いちごは犬に与えることで栄養面のメリットもありますが、与え方や量に注意しなければ健康被害を引き起こす可能性があります。
特にシュウ酸やキシリトールの摂取には細心の注意が必要です。愛犬にいちごを与える際には、少量をおやつとして与え、ヘタを取り除くなど適切に準備することが大切です。
また、消化が未熟な幼犬や高齢犬には特に注意し、必要に応じて茹でた野菜と一緒に与えるなどの工夫をしましょう。いちごを安全に楽しむためのポイントを押さえて、愛犬との日々を健やかにお過ごしください。