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犬の肝臓に良い食事と悪い食べ物|愛犬の体をいたわる食の選び方

肝臓は犬の健康を支える大切な器官です。一方で「沈黙の臓器」と呼ばれるほど、傷んでいても目立った症状が出にくい場所でもあります。

そのため、愛犬の肝臓に負担をかけないよう、日々の食事を見直していくことが大切です。肝臓に負担をかけない、やさしい食材を選びましょう。

この記事では、犬の肝臓に良い食事・悪い食事について解説していきます。

犬の肝臓に良い食事のポイント

愛犬の体を内側から守るには、毎日の食事を見直すことが大切です。とくに肝臓は、代謝や解毒といった重要な働きを担っているため、食べ物の選び方ひとつで負担が変わります。ここでは、犬の肝臓に良い食事のポイントとして、以下の3つを紹介します。

  • たんぱく質の量を調整する
  • ビタミンやミネラルをバランスよく摂取する
  • 食物繊維を摂取する

それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。

1. たんぱく質の量を調整する

肝臓はたんぱく質を代謝する際に、副産物としてアンモニアを産生します。アンモニアを解毒するのは肝臓の働きの1つですが、肝臓の機能が低下していると、上手く分解できず、体に溜まってしまうことも。

こういった場合は、たんぱく質の取り方を少し調整してあげましょう。

例えば、質のよいたんぱく質を少量ずつ何回かに分けて摂取すると、肝臓への負担を軽減することができます。

ただし、たんぱく質は肝臓の細胞を修復したり、からだの回復に必要な大切な栄養でもあります。やみくもに減らせばいいというものではありません。

肝機能が正常か、体内アンモニア毒素の上昇がないかなど、制限の必要性については見極めが肝心です。

2. ビタミンやミネラルをバランスよく摂取する

肝臓の働きを支えるには、たんぱく質だけでなく、ミネラルやビタミンなど様々な栄養をまんべんなく摂ることが大切です。

ナトリウム

カリウムと密接に関係し体内の水分バランスを制御するミネラルで、腹水の原因になる門脈高血圧の改善に関与します。
また、神経伝達にも関与し細胞のエネルギー代謝にも主要な役割を持ちます。

ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、βカロテン

抗酸化作用を持つ成分として知られ、肝障害から肝臓を守る働きがあります。ただし、ビタミンAは油脂に溶けて肝臓に蓄積されるため、過剰に摂取すると肝臓に悪影響を及ぼす恐れがあるので、バランス良く摂ることが大切です。

ビタミンB群

糖質、脂質など、肝臓のエネルギー代謝を助ける役割を持ちます。肝臓の働きが低下している場合は、積極的に摂りたいビタミンです。

亜鉛

細胞の修復や、糖質およびたんぱく質の代謝に関与しています。血液中でビタミンAを運搬するのに不可欠で、抗酸化作用を持ち、銅など肝毒性のある物質から肝臓を守る働きを持ちます。

一般的なフードには必ず配合されていて、体内で血液を作ったり、血管を正常に保ったりするために必要な成分です。通常、過剰に摂取しても肝臓で処理されるのですが、肝機能が低下すると処理が間に合わなくなり、やがて銅が肝臓内に蓄積され、さらなる肝機能の低下に繋がります。

なお、遺伝的に銅が肝臓に蓄積する疾患がある犬は、銅の含有量が多い赤身肉やレバーは避けた方が良い場合もあります。

また、犬の体に必要な必須ミネラルは過剰摂取になると害になり、また、相互作用がある性質を持つためバランスよく摂ることが大切です。

3. 食物繊維を摂取する

水溶性の食物繊維

腸内細菌の餌となり、増えた細菌がアンモニアを代謝するので、腸からのアンモニア吸収を和らげます。

不溶性の食物繊維

窒素化合物(アンモニアの材料)を絡めとって除去し、肝臓に負荷を与えるアンモニアの生成を抑えます。

4. 低脂肪の食事を選ぶ

肝臓は脂肪の代謝を担う重要な臓器です。そのため、脂肪分の多い食事は肝臓に負担をかける可能性があります。そこで、低脂肪のフードを選ぶことで、肝臓への負担を軽減してあげましょう。

低脂肪のドッグフードは、肝臓への負担を抑えるために栄養が設計されており、消化吸収がスムーズに行われる工夫がされています。愛犬の健康管理には、こうした低脂肪の選択肢を食事に取り入れることを検討しましょう。

犬の肝臓に良い食べ物

続いて、犬の肝臓に良い食べ物を具体的に見ていきます。肝臓に良いとされる食べ物は、大きく分けると以下の5つです。

  • 白身魚
  • 鶏肉
  • 豆類
  • 野菜
  • 果物

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1. 白身魚

魚の中でも白身魚は胃腸にやさしく、肉に比べ、たんぱく質が消化される際に発生するされるアンモニアも控えめです。肝臓が疲れている子には、からだの負担が少ないうれしい食材です。

特にタイは、タウリンが豊富で肝機能維持の効果も期待できます。そのほか、赤身魚の中でもカツオやマグロはビタミンB6が豊富に含まれ、たんぱく質の利用効率を高めてくれます。

※ビタミンB6は、アンモニアを解毒する効果のあるアルギニンの吸収効率を助ける栄養素です。

2. 鶏肉

たんぱく質は肝臓の再生をサポートするので、肝臓病であっても消化性の高い良質なたんぱく質を適量摂る必要があります。

鶏のささみは必須アミノ酸のバランスが良く、高タンパク低脂肪なので犬のたんぱく質源には優れた食材です。

ただし、たんぱく質の摂り過ぎは肝臓に負担をかけるので、あげすぎには注意が必要です。与える際には茹でた野菜と混ぜるとよいでしょう。

3. 豆類

豆類も犬の肝臓に良い食べ物の一種です。具体的には、大豆や枝豆、納豆、エンドウ豆などです。それぞれの特長を詳しく見ていきましょう。

大豆

大豆は「畑の肉」と呼ばれるほど、たんぱく質が豊富です。植物性であるため、消化の負担が軽く、体にゆっくり吸収される特長があります。

ビタミンEビタミンB1、各種のミネラル、食物繊維に加え、コレステロールを下げる作用があるレシチン、善玉菌を増やすオリゴ糖も含まれており、腸の健康に役立ちます。

枝豆

枝豆は未熟な状態の大豆です。ビタミンB群やカリウム、食物繊維、良質な植物性たんぱく質などがバランスよく含まれています。特にビタミンCは肝臓で作られる栄養素ですが、肝機能が低下すると、十分に作れなくなることも。そのため、食べ物からの摂取が必要になります。

※たんぱく質の分解を妨げる「トリプシンインヒビター」という成分が含まれていますが、熱に弱いので加熱すれば問題なく与えられます。

納豆

納豆は、大豆を発酵させた食材です。体に吸収されやすい良質なたんぱく質や腸内環境を整えてくれるビフィズス菌も豊富に含まれます。

また、納豆菌で発酵されることで大豆に含まれる、レクチン、サポニン、フィチン酸という犬に良くない成分は緩和される点も嬉しいポイント。そういった観点から、大豆食品の中では大豆は犬に1番おすすめといえます。

エンドウ豆

たんぱく質源として、犬の体に必要な必須アミノ酸が含まれており、たんぱく質源としても優秀な食材です。

また、健康的な消化をサポートする不溶性繊維、可溶性繊維、難消化性デンプンや、抗酸化作用を期待できる化合物も含まれており、グレインフリーフードの原材料として多く使用されています。

ただし、たんぱく質の制限が必要な場合は、茹でた野菜と1:1で与えると良いでしょう。

4. 野菜

野菜は、犬の肝臓にとっても良い食べ物です。特に、キャベツ、パセリ、サツマイモの3つは肝臓に良いとされています。それぞれの特徴を見ていきましょう。

キャベツ

ビタミンCやビタミンK、抗酸化作用を持つフラボノイドが含まれています。

また、キャベツに含まれるビタミンUには、肝臓内に溜まった余分な脂肪を代謝し、肝臓の機能を高める働きもあるので、肝機能が弱っている犬に食べさせてあげたい野菜です。ただし、シュウ酸も多く含まれているので、結石の心配のある犬には茹でこぼしたものを与えましょう。

パセリ

お料理の添えものとして使われることの多いパセリ。βカロテンには、体の中で暴れやすい活性酸素を抑え、炎症をやわらげる働きがあります。肝臓に炎症をかかえている犬にとって、ダメージの進行を防ぐための一助となるでしょう。

サツマイモ

サツマイモには、ビタミンB群・ビタミンC・E・カリウム・食物繊維といった、

肝臓や消化の調子を整える成分がしっかり詰まっています。とく食物繊維は、消化や肝臓の機能をサポートする作用もあります。自然な甘みもあるため、食欲が落ちている犬におすすめです。

5. 果物

最後に紹介するのは果物です。りんごやオレンジ、バナナ、いちごは犬の肝臓に良いとされています。

りんご

りんごに含まれるペクチンという水溶性食物繊維が大腸内で善玉菌のえさになり、腸内環境を整える助けとなります。りんごポリフェノールには強い抗酸化作用があり、リンゴ酸は新陳代謝を促進します。

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オレンジ

オレンジには、抗酸化作用があり、体内でビタミンAに変換されるβカロテン、たんぱく質や脂質、糖質の分解を助け、代謝を上げてくれるパントテン酸、みかんの2倍近くのビタミンCが含まれています。

バナナ

アミノ酸(たんぱく質)の代謝を助けるビタミンB6、抗酸化成分のビタミンCや食物繊維も豊富です。

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いちご

果糖が少なくカロリーも低い果物です。抗酸化作用のある成分であるビタミンCやアントシアニンが、活性酸素が増えすぎてしまうことを抑えてくれます。

ただし、果物には、果糖(糖質)やカリウム、キシリトールなど、過剰に摂取すると健康に良くない成分が含まれているものもあります。与える際は、食事全体のバランスを崩さないおやつ程度の少量に留めると良いでしょう。

また、茹でた野菜(食物繊維)を一緒に摂ることで、過剰な脂質や糖質も中和できます。

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犬の肝臓に悪い食事

犬の肝臓に良い食事がある一方で、以下の食材は肝臓に悪いとされています。

  • 脂の多い食事
  • 塩分の多い食事
  • 生の肉や魚
  • 生の野菜

それぞれの食事について、詳しく見ていきます。

1. 脂の多い食事

脂肪分の多い食事は、犬の肝臓に大きな負担をかける可能性があります。体内に吸収された脂質は一旦肝臓や脂肪細胞に蓄えられますが、続けて摂り過ぎると脂肪肝を引き起こしやすくなります。

脂肪肝になると、肝臓が正常に機能しづらくなります。脂身の多い肉や高脂肪のフードは避け、低脂肪のドッグフードや調整された食事を選ぶようにしましょう。

2. 塩分の多い食事

犬にとって塩分は、ほんの少しで十分です。ところが、人間向けの味つけや加工食品を与えてしまうと、ナトリウム(塩分)が多すぎて体に負担がかかります。水分の流れを調える力が弱まり、むくみやお腹に水がたまる「腹水」の原因になることも。

また、肝臓の機能低下によってナトリウムの排出が難しくなり、症状がさらに悪化することがあります。市販の加工食品や味付けされた食事を避け、塩分が控えめに調整された犬専用のフードを選びましょう。

3. 生の肉や魚

生肉

犬は本来、肉や魚を食べる動物ですが、生の状態で与えるのは慎重に考えるべきです。きちんと衛生管理されていない生肉は食中毒寄生虫感染のリスクが高いからです。生の鶏肉や豚肉、レバーはカンピロバクター菌やサルモネラ菌などに細菌感染していることがあったり、有鉤条虫などの寄生虫がいる可能性もあります。

また、鶏や豚のレバーは、ビタミンAや脂肪分が多く、加熱してもその量は変わらないため過剰に与えると肝臓に蓄積され、負担を与えます。

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生魚

生魚に含まれている「チアミナーゼ」という酵素を多量に摂取すると、体内のビタミンB1が破壊され、ビタミンB1欠乏症になります。

ビタミンB1欠乏症になると、ブドウ糖を分解する速度が低下して、肝臓のエネルギー代謝に影響を及ぼします。

また、生魚にはアニサキスなどの寄生虫がいる可能性があります。

4. 野菜は生で与えない

一部の野菜は生のまま与えると、犬の肝臓に負担をかける場合があります。野菜に含まれるシュウ酸やカリウムなどの成分は、水に溶け出しやすい性質があり、生で与えると過剰摂取のリスクがあります。結果として、肝臓に余分な負担を与える可能性があります。

キャベツやほうれん草などは細かく切り、茹でてから与えると安全です。これにより成分の過剰摂取を防ぐことができます。

犬の肝臓と役割

犬の肝臓は、体の中で最も重要な臓器の1つです。エネルギーの代謝から毒素の解毒、消化を助ける胆汁の生成など、多岐にわたる機能を担っています。このように多機能な臓器である肝臓は、健康維持に欠かせない存在です。

以下では、犬の肝臓が果たす主な役割について詳しく解説します。

1. 代謝機能

肝臓の代表的な働きのひとつが、食事から摂取した栄養を体内で使える形に変える「代謝」です。食事から摂取した糖質や脂質、たんぱく質を分解してエネルギーに変え、必要に応じて体へ供給することで、犬が日々活動するためのエネルギーを生み出します。

たとえば、肝臓では糖を分解してグリコーゲンとして貯蔵され、必要なときにエネルギーとして放出されます。この調整機能があるおかげで、犬の体は常に安定した状態を保つことができるのです。

2. 解毒作用

2つ目は、体にとって不要または有害となる物質を分解し、体外へ排出しやすい形に整える解毒作用です。

空気中の汚れや食べ物に含まれる添加物、薬品の成分など、現代の生活環境ではさまざまな「負担」となる物質に日常的にさらされています。こうした成分が体内に取り込まれてしまっても、肝臓がしっかり機能していれば、安全な形に変えて排出することが可能です。

このように、肝臓は体の中で常に“健康を守る防波堤”のような役目を果たしています。

3. 胆汁の生成

脂肪の消化を助ける胆汁を生成するのも肝臓の役割の1つです。胆汁は肝臓で作られた後、胆のうに一時的に貯蔵され、食事のタイミングにあわせて小腸へ分泌されます。これにより、高脂肪の食事を食べた後も、胆汁が十分に分泌されることで、スムーズに消化できるようになり、必要な栄養素をきちんと体に取り入れることが可能になります。

4. 血液の貯蔵と調整

最後に、肝臓は血液を一部貯蔵し、必要に応じて供給することで血液量を調整する役割も担っています。体内の血液量が急に変化した際、必要に応じて血液を送り出したり、一時的にためておいたりすることで、全身の循環を落ち着かせる働きをしています。

犬の肝臓病と原因

犬の肝臓病とは、肝臓の機能が低下し、エネルギー代謝や解毒など生命維持に欠かせない役割が正常に行えなくなる状態です。この病気の原因には栄養バランスの偏り、肥満、毒素やウイルスの影響などが挙げられます。それぞれの原因を詳しく見ていきましょう。

原因1:栄養バランスの偏り

犬の肝臓病の原因の1つは、栄養バランスの偏りです。肝臓は栄養素を代謝してエネルギーに変える役割を持っていますが、ある特定の栄養素だけが多すぎたり、逆に不足したりすると、その分だけ肝臓に負担がかかってしまいます。

たとえば、

  • 高脂肪の食事を続けると、脂肪肝のリスクが高まります。
  • たんぱく質を過剰に摂取すると、肝臓がアンモニア処理に追われ、消耗しやすくなります。
  • ビタミンやミネラルが不足すると、肝臓の修復力が低下し、病気が進行しやすくなります。

日々の食事を見直し、必要な栄養を過不足なく整えることが、肝臓の健康維持には欠かせません。

原因2:肥満

肥満も犬の肝臓病を引き起こす主な原因です。体に余分な脂肪が蓄積されると、肝臓に脂肪が溜まりやすくなり、脂肪肝が招きます。この状態を放っておくと、肝炎肝硬変など深刻な疾患へ進行するリスクが高まります。

運動不足や過剰なカロリー摂取が続くと、犬の体重が増加し、肝臓が処理できる脂肪の量を超えてしまいます。日頃から適度な運動と食事の量や質の管理を心がけることが、肝臓病の予防には非常に効果的です。

原因3:毒素やウイルス

毒素やウイルスも犬の肝臓病の主な原因となります。肝臓は毒素を解毒する役割がありますが、有毒物質やウイルスに長期間さらされるとその機能が損なわれてしまう場合があります。

たとえば、有毒な植物や洗剤、化学薬品などを誤って口にすることで、解毒機能が追いつかなくなり、肝炎を引き起こすことがあります。

また、肝炎ウイルスや細菌感染により、急性または慢性の肝臓疾患を引き起こすケースもあります。環境中の危険物を遠ざけ、適切な予防接種を行うことが重要です。

犬の肝臓病の症状

肝臓は再生能力がとても高い臓器なので、初期の不調では目立った症状が現れにくいという特徴があります。そのため、気づいたときにはすでに機能が大きく損なわれていることも少なくありません。

以下では、肝臓の状態が悪化した際に見られる代表的な症状を紹介します。

1. 食欲が低下している

犬の肝臓病では、食欲が落ちることがあります。肝臓は代謝、消化、解毒などの大切な役割を担っているので、この機能が低下すると体全体の調子が乱れ、自然と食欲が落ちてしまうことがあるのです。

たとえば、肝臓の解毒作用が弱まると体内に毒素がたまりやすくなり、それが倦怠感や吐き気、食欲不振の原因になることも。

また、胆汁の分泌が滞ることで消化不良を起こし、食べ物がうまく吸収されなくなる場合もあります。

2. 水を飲む量が増えている

「やたらと水を飲むようになった」と感じたら、肝臓の機能が低下しているサインかもしれません。肝臓の解毒機能が低下すると、体内に老廃物や毒素がたまり、それを排出するために犬は通常より多くの水を飲むようになります。

頻繁に水を飲む・飲む量が極端に増えるといった変化は、見過ごさずチェックしておきたいポイントです。

3. 嘔吐下痢の症状がある

犬の肝臓病では、嘔吐や下痢の症状が現れることもあります。

肝臓の機能が低下すると、消化液である胆汁の分泌が滞り、食べたものをきちんと消化吸収できなくなります。

また、肝臓の解毒作用が低下することで、体内にアンモニアなどの毒素がたまりやすくなり、高アンモニア血症になることがあります。具体的には、頻繁に嘔吐したり、下痢を繰り返す場合は、肝臓病による消化不良や高アンモニア血症の症状かもしれません。

また、低血糖による痙攣発作も肝疾患の一部として現れることがあります。

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4. その他の症状

犬の肝臓病では、食欲不振や水を飲む量の変化、嘔吐や下痢以外にも、さまざまな症状が現れることがあります。以下の症状はその一例です。

  • 活力の低下・元気がない
  • 体重の減少
  • 黄疸皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)
  • 尿の色が濃くなる

これらの症状が見られた場合は、肝臓病が進行している可能性があるため、早急に獣医師に相談することをおすすめします。

愛犬の肝臓を守る日常ケア

愛犬の肝臓を健康に保つためには、日々の生活でいくつかのポイントを意識することが重要です。ここでは、具体的な日常ケアの方法を紹介します。

1. バランスの良い食事

肝臓に負担をかけないためには、消化が良く、栄養バランスの取れた食事が基本です。

  • 低脂肪かつ高品質なたんぱく質を含むフードを選ぶ
  • ビタミンやミネラルが適度に含まれているかをチェックする
  • ドッグフードのパッケージに記載された「低脂肪」「高消化性」の表示も参考にする

また、家庭で手作りのごはんを与える場合は、肝臓の状態に合わせた食材の選び方や量の調整が重要です。獣医師と相談しながら肝臓に優しいレシピを取り入れることをおすすめします。

2. 適度な運動

肥満は肝臓病のリスクを高める要因のひとつです。

そのため、日頃から体重を適正に保ち、血の巡りを良くするためにも、年齢や体調に合った運動を取り入れることが大切です。

  • 毎日の散歩を習慣にする
  • 軽い遊びを通して運動量を確保する
  • 運動後の疲れ具合を見て無理をさせない

運動の目的は「疲れさせる」ことではなく、「代謝を促す」ことです。

過度な運動は逆にストレスや体調不良を招く可能性があるため、様子を見ながら取り組みましょう。

3. 健康診断

肝臓病は「沈黙の臓器」と呼ばれるように、初期症状が現れにくい臓器です。そのため、日常では異変に気づきにくく、病気が進んでから見つかるケースも少なくありません。

異常を早期に発見するためには、年に1回程度の健康診断を受けることが望ましいとされています。

  • 血液検査:肝酵素の数値から肝臓の状態を確認
  • エコー検査:内部の腫れや構造の異常をチェック

健康診断は年に1回を目安に実施するようにしましょう。定期的な検診が、病気の早期発見や長期的な健康につながります。

犬の肝臓に良い和漢みらいのドッグフード

和漢みらいのドッグフード 特別療法食KA(肝臓用)

最後に、自然の森製薬が作った、犬の肝臓に良いフードをご紹介します。「和漢みらいのドッグフード特別療法食KA(肝臓用)」には、以下のような特徴があります。

1.適度なたんぱく質の制限

・肝機能が低下し、アンモニア毒素の上昇がある場合、たんぱく質の制限が必要
・肝細胞の維持や修復にはたんぱく質が必要

⇒肝臓の修復や再生に必要な栄養補給ができて、肝臓に負担をかけないたんぱく質比率

2.適度な脂質の制限

・脂質の過剰摂取は肝臓に負担となり、脂肪肝などに繋がる
・脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)や艮質のたんぱく質を吸収するためには良質な油が必要

耐熱性オメガ3サチャインチオイルを採用!
※常温でも固まらず、サラサラを維持して体内に流れを作ります。

3.和漢植物の豊富な食物繊維が体に不要な物を排出

・水溶性食物繊維
腸内細菌の餌となり、体内の細菌を増やすことで、アンモニアを代謝してアンモニアの吸収をやわらげます。

・不溶性食物繊維
窒素化合物(アンモニアの材料)を除去し、アンモニアの生成を抑えます。

4.銅、鉄、ナトリウムの適度な制限

銅、鉄、ナトリウムの適度な制限を行うことで、肝臓への負担を軽減します。

5.肝臓をケアする和漢植物「ウコン、オルニチン、クコの実」を配合

89種類の和漢植物がピンポイント+体全体をサポートし、体質改善に導きます。

また、以下のフードやサプリ、おやつもおすすめです。

まとめ

今回は、肝臓病の症状や、犬の肝臓に良い食事・悪い食事について紹介しました。肝臓は、エネルギー代謝や毒素の解毒、胆汁生成など、体内の多くの働きを担う重要な臓器です。しかしその一方で、病気の初期には症状が現れないことが多いため、日常的に食事に気をつけることが大切です。

肝機能が落ちている状態では、たんぱく質や脂質、特定のミネラルの摂取量を調整する必要がありますが、同時に肝臓の修復に必要な栄養素を適切に補うことも忘れてはなりません。愛犬の健康を守るためには、肝臓の状態に応じた食事管理と栄養バランスの見直しが重要です。

「控える」と「補う」の両方を上手に行いながら、無理なく続けられるケアを心がけていきましょう。

■犬の肝臓に良い食事のポイント
1.たんぱく質の量を調整する
2.ビタミンやミネラルをバランスよく摂取する
3.食物繊維を摂取する
4.低脂肪の食事を選ぶ

■犬の肝臓に良い食べ物
1.白身魚
2.鶏肉
3.豆類
4.野菜
5.果物

■犬の肝臓に悪い食事
1.脂の多い食事
2.塩分の多い食事
3.生の肉や魚
4.野菜は生で与えない

■犬の肝臓と役割
1.代謝機能
2.解毒作用
3.胆汁の生成
4.血液の貯蔵と調整

■犬の肝臓と原因
原因1:栄養バランスの偏り
原因2:肥満
原因3:毒素やウイルス

■犬の肝臓病の症状
1.食欲が低下している
2.水を飲む量が増えている
3.嘔吐下痢の症状がある
4.その他の症状

■愛犬の肝臓を守る日常ケア
1.バランスの良い食事
2.適度な運動
3.健康診断

■犬の肝臓に良い和漢みらいのドッグフード
和漢みらいのドッグフード 特別療法食(肝臓用)

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