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犬にゆで卵を与えることは可能ですが、与えすぎには注意が必要です。
今回は、犬にゆで卵を与えるメリットと注意すべきポイントについて解説します。
犬にゆで卵を与えても大丈夫!
基本的には、犬にゆで卵を与えても問題ありません。卵は必須アミノ酸、脂肪酸、ビタミン、ミネラルが豊富に含まれているため、栄養補給に適した食材です。
また、ゆで卵は加熱してあるため、白身に含まれるアビジンの影響もなく安心です。
犬に与えても良いゆで卵の適量
【1日に摂取してもよい目安量】
小型犬(体重10kg以下)~約41g(約0.8個分)
中型犬(体重25kg未満)~約80g(約1.6個分)
大型犬(体重25kg以上) 約80g(約1.6個分)~
※上記の量はおおよその目安であり、実際の犬の体格や運動量によって異なります。
ただし、ゆで卵を毎日単独で与えると、栄養過多や、過剰摂取によってアレルギーの発症や肥満の要因になったりするなど悪影響を及ぼすこともありますので注意しましょう。
犬にゆで卵を与えるメリット
犬にゆで卵を与えるメリットとして、以下の5つがあります。
1.良質なタンパク質を摂取できる
2.ビタミンやミネラルが豊富
3.消化吸収が良い
4.食欲増進効果がある
5.毛艶が良くなる
それぞれのメリットについて、詳しく解説していきます。
1. 良質なタンパク質を摂取できる
卵は良質なタンパク質を豊富に含んでおり、犬の健康維持にとって非常に優れた食材です。タンパク質はエネルギー供給の源であるとともに、筋肉や臓器、皮膚、被毛などの構成成分として重要な役割を果たします。
特に、卵のタンパク質は必須アミノ酸をバランス良く含んでいるため、犬の健康を支える栄養素として非常に効果的です。
ゆで卵を犬の食事に取り入れることで、その栄養価を最大限に活用することができるでしょう。
2. ビタミンやミネラルが豊富
卵には豊富なビタミンとミネラルが含まれています。主なものは以下の通りです。
【ビタミン】
・ビタミンA 目の健康・皮膚や粘膜の正常化
・ビタミンB 脂質代謝や皮膚・粘膜を保護する とくに卵黄に豊富
・ビタミンB12 アミノ酸や脂質の代謝・赤血球形成・神経機能の維持
・ビタミンD 骨の健康維持・ミネラルの代謝
・ビタミンE 抗酸化作用 特に卵黄に豊富
・ビオチン アミノ酸の代謝や脂質合成 卵黄に豊富
※卵白にはビオチンの吸収を阻害する「アビジン」という物質が含まれていますが、加熱をすると効力が失われるので、ゆで卵ではビオチンの吸収には影響しません。
【ミネラル】
・カルシウム
・マグネシウム
・鉄
・亜鉛
また、微量ミネラルのひとつであるセレンも含まれており、その強い抗酸化作用によって老化の遅延や心血管疾患の予防、さらにはガンの発生抑制に役立つ可能性が期待できます。
3. 消化吸収が良い
卵は、ゆでた方が消化・吸収時間は短くなります。ただし、ゆで卵の中でも最も消化が早いのは半熟卵ですので、胃腸に負担をかけたくない場合には、あまり固くゆですぎない方が良いでしょう。
4. 食欲増進効果がある
「食欲がない」、「ドッグフードに飽きた」などの場合でも、ゆで卵だと好き嫌いなく食べてくれる犬は多いです。トッピングやおやつとして与えると良いでしょう。
5. 毛艶が良くなる
卵に含まれるタンパク質や脂質が被毛の材料になるだけでなく、ビタミン、ミネラルによって皮膚を保護、正常化することで、毛艶が良くなることが期待できます。
犬にゆで卵を与える際の注意点
犬にゆで卵を与える際の注意点として、以下の5つがあります。
1.与える量に気をつける
2.必ず皮を剥いて与える
3.常温で与える
4.与える頻度は週2~3回程度にする
5.野菜も一緒に入れてタンパク質濃度を薄める
それぞれのメリットについて、詳しく解説していきます。
1. 与える量に気をつける
どんな食べ物を与える際も、特に初めての場合は、アレルギーや消化不良のリスクを避けるために少量から始めて様子を見るのが良いでしょう。
また、栄養価が高いため、以下のような場合は与え方に注意し、与える場合は少量から始めましょう。
・腎臓、肝臓など内臓疾患があり、タンパク質制限が必要な場合
・脂質代謝異常や肥満があり、脂質制限が必要な場合
2. 必ず皮を剥いて与える
卵の殻は消化されにくく、喉に刺さるリスクがあります。万が一食べてしまっても健康上の問題はありませんが、安全のために必ず剥いてから与えましょう。
3.常温で与える
茹でたてのゆで卵は熱いので、口の中を火傷しないように冷ましてから与えましょう。
4. 与える頻度は週2〜3回程度にする
ゆで卵は134kcal/100gと高カロリーなので、毎日与えると栄養過多になってしまったり、過剰摂取によってアレルギーの発症や肥満の要因になったりするなど、悪影響を及ぼすこともあります。
与える際は、トッピングやおやつ程度にして、頻度も週2~3回程度に留めましょう。
5. 野菜も一緒に入れてタンパク質濃度を薄める
犬にゆで卵を与えるのは、基本的には問題ありません。ただし、腎臓、肝臓などの内臓疾患があるシニア犬の場合は工夫をして与えてあげるのが理想的です。
特に内臓疾患がある場合、低タンパク(タンパク質20%以下)が推奨されますが、ゆで卵を単独で与えるとタンパク質比率が約30%と高くなってしまいます。そのため、与える場合は茹でた野菜を混ぜて、タンパク質の濃度を薄めてあげると良いでしょう。
【茹で野菜の調理方法】
★推奨される野菜(血糖値を上げにくい野菜)
…サツマイモ・キノコ類・ニンジン・小松菜・ブロッコリー
1.みじん切りにして3分以上茹でる
2.茹で汁は捨てる(シュウ酸除去の為)
※焼く、レンジはNG
上記のように処理した野菜を、ゆで卵と1:1の割合で使っていただくことで、腎臓、肝臓疾患のある犬のみならず、シニア犬にも負担のないものとなりますので、ぜひお試しください。
まとめ
卵は総合栄養食といわれるほど栄養価の高い食べ物であり、犬に与えても問題ありません。
しかし、腎臓や肝臓など内臓疾患がある場合や、シニア犬の場合には茹でた野菜をミックスして与えるようにしましょう。
また、アレルギー反応を示す可能性もあるため、1日の摂取量に気を付けて少量から与えてください。
■犬にゆで卵を与えても大丈夫!
■犬に与えても良いゆで卵の適量
■犬にゆで卵を与えるメリット
1.良質なタンパク質を摂取できる
2.ビタミンやミネラルが豊富
3.消化吸収が良い
4.食欲増進効果がある
5.毛艶が良くなる■犬にゆで卵を与える際の注意点
1.与える量に気をつける
2.必ず皮を剥いて与える
3.常温で与える
4.与える頻度は週2~3回程度にする
5.野菜も一緒に入れてタンパク質濃度を薄める