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肝臓はとても重要な臓器で、体の中でエネルギーの代謝や、毒素の解毒、胆汁生成などを担っています。
今回は、犬の肝臓機能維持のために良い食べ物、悪い食べ物、肝臓を守るためにできることについて解説していきます。
犬の肝臓の主な機能
肝臓はとても重要な臓器のひとつで、体の中でエネルギーの代謝や、毒素の解毒、胆汁生成などを担っています。
沈黙の臓器と呼ばれる肝臓は、病気になってもすぐに症状が現れないことも多いため、日頃から食事に気を付けて肝臓を守っていくことが大切です。
犬の肝臓維持に良い食べ物
1. レバー
レバーは良質なタンパク質、ビタミンA、ビタミンB群、鉄分、亜鉛などを豊富に含んでおり、これらの栄養素が免疫力向上、細胞の再生、肝臓のエネルギー代謝を助けるなど多くの健康効果をもたらします。
ただし、タンパク質の制限が必要な肝疾患の場合は摂取を控えるべきです。
制限がない場合は、レバーは良質なタンパク源として、また肝臓の細胞再生を支援する栄養源としておすすめです。
2. キャベツ
ビタミンCやビタミンK、抗酸化作用を持つフラボノイドが含まれています。
また、キャベツに含まれるビタミンUには、肝臓内の余分な脂肪を代謝し、肝臓の機能を高める働きもあるので、肝機能が弱っている犬に食べさせてあげたい野菜です。
ただし、キャベツにはシュウ酸も多く含まれているので、結石の心配のある犬には茹でこぼしたものを与えましょう。
3. 納豆
体に吸収されやすい良質なタンパク質を含み、発酵食品のため、良好な腸内環境を保つために役立ちます。
また、納豆菌が発酵されることで、大豆に含まれるレクチン、サポニン、フィチン酸という犬に良くない成分は緩和されますので、大豆食品の中でもおすすめです。
4. ウコン
ウコンには、肝機能向上と胆汁分泌促進効果があり、肝機能が低下している愛犬に有効な食材です。
しかし、肝臓がすでに疲れていたり、ダメージが蓄積されている場合にはウコンの摂取が逆に疲労をためてしまう可能性があるため、使用する際は注意が必要です。
5. 白身魚
白身魚は肉に比べ、タンパク質が消化される際に産生されるアンモニアが少ないのが特徴です。
特にタイは、タウリンが豊富で肝機能維持の効果も期待できます。そのほか、赤身魚でもカツオやマグロはアンモニアの代謝に関わるビタミンB6が豊富なのでおすすめです。
犬の肝臓維持に良くない食べ物
1. 高脂質の食べ物
体内に吸収された脂質はいったん肝臓や脂肪細胞に蓄えられ、エネルギーが必要な時にその蓄えを使用するため、普段から過剰に脂質を摂取しているとそのバランスが崩れます。
また、脂肪肝になっているなど、肝臓に悪い影響を与えている場合は低脂肪食が推奨されます。
ただし、脂質の中でもオメガ3脂肪酸は有用であり、不足しがちな油ですので、オメガ3脂肪酸が含まれているフードを積極的に取り入れることは肝臓にはメリットとなります。
2. 糖質の多い食べ物
糖質は、小麦や米、トウモロコシなどの穀物に多く含まれています。
糖質を摂り過ぎると、肝臓は過剰に増えたブドウ糖を取り込みきれなくなり、中性脂肪として体に蓄えていきます。肝臓に中性脂肪が蓄積すると、脂肪肝が悪化してしまいます。
3. アルコール
犬の体にはアルコールを分解する酵素がなく、摂取したアルコールが長期間体内を循環し、呼吸器や心臓、肝臓、腎臓に悪影響を及ぼします。
犬がアルコールに自発的に興味を示すことは少ないですが、飼い主の飲み物からアルコールを舐める可能性はあるため、家でお酒を飲む際は特に注意が必要です。
また、アルコールの刺激臭は犬にストレスを与える可能性があるため、飲酒後は犬との接触も慎むべきです。
犬の肝臓を守るために飼い主ができること
1. 野菜で高タンパク質を薄める
良質なタンパク質であっても、過剰に摂取した場合は代謝する際に犬の肝臓に負担をかけることになります。
高タンパクなお肉・魚・乾燥ジャーキーを与える場合にはタンパク源を単独で与えるのではなく、茹でた野菜と一緒に与えるのがおすすめです。
茹でた野菜で食物繊維を作るレシピは以下の通りです。
◆サキニコブ(血糖値を上げにくい野菜)◆
さつまいも・きのこ・人参・小松菜・ブロッコリー
いずれも必ず細かくみじん切りし、3分以上茹でて、ゆで汁は捨てましょう。
※焼く、蒸す、レンジはNG
特にシニア期や内臓疾患のある愛犬ちゃんにはこの様な工夫をしてあげると無難でしょう。
2. 添加物をなるべく摂取しない
・プロピレングリコール(ガムやスイーツに多用)・・・やわらかさをつくる
・着色料、発色剤(亜硝酸ナトリウム)・・・見栄えを良くする
・酸化防止剤エトキシキン、BHT、BHAなどの保存料・・・日持ちさせる
・石油系グリセリン・・・低コストに抑える
上記のような添加物は、市販のペットフードに含まれていることがあります。
犬が添加物を代謝するのには時間がかかり、肝臓に負担がかかってしまいます。フードに添加物が含まれている場合には、早急にフードの変更をおすすめします。
改めて、フードやおやつの見直しをしてみてはいかがでしょうか。
3. 水分の多い食事を心がける
犬に水分を適切に与えることは、肝臓や腎臓の機能を助け、老廃物の排出をスムーズにする効果があります。また、体内の水分は栄養の循環を促進し、全体の健康を維持する重要な役割を果たします。
水分不足になると、栄養の流れが悪くなり、病気に対する自然治癒力が低下し、肝臓病の治癒が困難になります。さまざまな病気に対しても、十分な水分摂取は血流を改善し、免疫機能を向上させる効果があります。
犬が自分から水を飲まない場合もあるため、水分が多く含まれる「スープご飯」や「おじや」などの食事がおすすめです。
4. 療法食を与える
肝臓疾患がある場合には、栄養制限が必要です。
手作り食をされていらっしゃる方も多いですが、時間や手間を考えると「手作り食は大変」と思われる方もいらっしゃいます。療法食を与えていくこともおすすめです。
【おすすめの肝臓用療法食】
★和漢みらいのドッグフード(肝臓用)
まとめ
肝臓は体内でエネルギー代謝や毒素の解毒、胆汁生成などを担う重要な臓器です。病気の初期には症状が現れないことが多いため、日常的に食事に気をつけることが大切です。
肝機能が低下してくると、タンパク質や脂質、ミネラル成分の制限が必要になってくるのですが、肝臓の再生には栄養補給も大切です。
愛犬の肝臓の健康を守り、早期に病気を見つけるためにも、定期的に健康診断を受けることを心がけましょう。
■犬の肝臓の主な機能
■犬の肝臓に良い食べ物
1.レバー
2.キャベツ
3.納豆
4.ウコン
5.白身魚■犬の肝臓に悪い食べ物
1.高脂質の食べ物
2.糖質の多い食べ物
3.アルコール■犬の肝臓を守るために飼い主ができること
1.野菜で高タンパク質を薄める
2.添加物をなるべく摂取しない
3.水分の多い食事を心がける
4.療法食を与える