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犬に昆布を与えても平気?メリットや注意点と合わせて解説

昆布は古くから日本各地で用いられてきた海藻です。

犬にとって不足しがちなミネラルが豊富で、手作りごはんに使いたいという人もいるかもしれません。しかし、犬に昆布を食べさせても大丈夫なのでしょうか?今回は、犬に昆布を与えるメリットや注意点についてまとめました。

犬に昆布を与えても問題ない

犬は昆布を食べても基本的に問題ありません。

もちろん与えすぎは禁物ですが、食欲が無い場合は、味を付けていない昆布のだし汁をフードに少しかけてあげると、食欲をそそって嗜好性を上げることが出来ますし、胃腸の負担にもならないのでおすすめです。

ただし、昆布をそのまま与える場合は、水溶性食物繊維やミネラル、特にヨウ素が多いので過剰摂取には注意が必要です。健康な犬であれば問題なくても、結石などの持病を持っている場合には、昆布を調理するなどして、工夫してあげましょう。

昆布に含まれる栄養素

1. カルシウム

カルシウム骨や歯、発育などを維持する効果が期待できる栄養素です。昆布にはカルシウムが多く、野菜の中でもカルシウム豊富と言われている小松菜の3~5倍も含まれています。ただし、カルシウムは他のビタミンやミネラルとのバランスが大切で、不足しても過剰に摂取しても悪影響を及ぼします。

例えば、カルシウムはシュウ酸と結びつくと、シュウ酸カルシウム結石を作る可能性がありますので、過剰摂取は避けましょう。

また、不足すると、骨や歯からカルシウムが溶け出し、血液中のカルシウムが増加することで、同様に結石のリスクが上がります。

2. 食物繊維

昆布には、水溶性食物繊維であるフコイダンやアルギン酸が豊富に含まれています。

食物繊維は大きく分けて水溶性と不溶性の2つに分類され、どちらも重要な働きを持っていますが、水溶性食物繊維は、その名の通り水に溶けやすく、糖質や余分なコレステロールの吸収を抑える効果があります。また、善玉菌の増殖を助けることで腸内環境を整える役割も持っています。

一方、不溶性食物繊維は、水に溶けにくく、便を増やす効果があります。これにより、便秘解消や腸の動きをスムーズにする効果があります。

昆布に含まれる食物繊維の「フコイダン」には、腸内環境を整え、血糖値の上昇抑制や血栓予防、免疫力向上など多岐にわたる健康効果が期待できます。また、「アルギン酸」にも便秘解消や血中コレステロールの吸収を調整する作用が期待されています。

ただし、食物繊維も与えすぎることで嘔吐や下痢の原因にもなりますので、大量摂取はおすすめできません。

3. ヨウ素

昆布には、甲状腺ホルモンの成分であるヨウ素が豊富に含まれています。このヨウ素は交感神経に作用して基礎代謝を促進する効果があり、体温の維持や新陳代謝、エネルギーの産生に関係し、成長や生殖など、犬にとって重要な栄養素です。

しかし、ヨウ素の適切な摂取量は、犬も人間も少量です。例えば、総合栄養食の基準であるAAFCO基準では、フード1㎏あたり1㎎となっています。乾燥昆布には1gあたり2㎎ほど含まれているものもありますので、毎日与えたり、大量に与えることで、過剰摂取になる可能性があります。

過剰摂取になった場合、甲状腺機能低下症になる可能性が指摘されていますので、注意が必要です。

4. その他ミネラル

昆布には、カルシウムやヨウ素の他にもカリウム、ナトリウム、鉄分などのミネラルが非常に豊富に含まれており、これらのミネラルは体内の水分バランスの維持や血圧の調節に重要な役割を果たします。

ミネラルは身体を形成する上で大切な成分ではありますが、多く摂れば良いというものではなくバランスがとても大切です。持病があり、特定の栄養素の制限が必要な場合には、昆布単独で与えることでミネラルバランスが崩れるリスクがあるため、与え過ぎには注意しましょう。

犬に昆布を与えるメリット

1. 骨を太くする

昆布には、ミネラルとビタミンが豊富に含まれています。

犬の骨形成のためには「カルシウム」が欠かせませんが、必要な栄養素はそれだけではありません。

カルシウムの吸収を促進するビタミンDや、カルシウムの骨への沈着をサポートするビタミンKマグネシウムなども大切な栄養素です。特にビタミンKは、犬は体内で十分に生成できないため食事からの摂取が推奨されている成分です。

昆布には、全ての年齢層の愛犬に必要なミネラルとビタミンが含まれており、骨を強化し、新陳代謝を促進する効果があります。

2. 低カロリーで肥満予防に効果的

特有のヌメリ成分「フコイダン」・「アルギン酸」

水溶性食物繊維の一種である「フコイダン」「アルギン酸」、糖やコレステロールの吸収を阻害したり、腸内環境を整え、便秘の解消にも役立つとされています。

また血中のコレステロール低下作用があるという研究結果もあります。

「フコキサンチン」

フコキサンチンとは、カロテノイドと呼ばれる色素の一種です。

フコキサンチンには、抗酸化作用だけでなく、抗肥満作用、抗炎症作用など様々な効果を期待して研究が進んでいます。

低カロリー

昆布は100gあたり約200kcal前後と低カロリーな食材です。

昆布をそのままで大量に与えることは少なく、出汁として使用するほうが多いと思います。出汁の場合は、カロリーがさらに低くなるのでダイエット食材として与えるのも有効です。

3. 免疫力維持・皮膚の健康維持が期待できる

昆布特有のネバネバ成分のもとである「フコイダン」は、腸内環境を整えることによる免疫力維持効果のほかにも、抗酸化作用やガン細胞の増殖抑制作用があるとされています。

また、昆布に含まれる「ヨウ素」皮膚の健康を維持する効果があります。

犬に昆布を与える際の注意点

1. 乾燥昆布は注意

乾燥昆布は体内の水分を吸収し、何倍にも膨らむことで消化器官に負担をかけ、消化不良や内部の傷害を引き起こす可能性があります。そのまま与えないようにしましょう。

さらに、乾燥昆布は固く鋭利なため、喉を傷つけるリスクもあります。犬に昆布を与える場合は、粉末にするか柔らかく煮て細かく切るなどして安全に消化できるように加工することが重要です。なお、大量に食べさせないように十分注意しましょう。

また、乾燥昆布を単独では与えずに、他の茹でた野菜や他のフードなどとミックスするなどして、全体比率を低めにしてあげるのが良いでしょう。

2. 与えすぎに注意する

昆布は多くの健康成分を含む一方で、塩分やミネラル類などの過剰摂取に注意が必要な成分も含まれています。

特に、ナトリウム、カリウム、ヨウ素などのミネラルは、過剰摂取によって腎臓病や尿路結石、甲状腺疾患のリスクを高める可能性があります。また、昆布に含まれる食物繊維の過剰摂取は下痢を引き起こすこともあるため、摂取量には注意が必要です。

愛犬に昆布を与える際は、粉末や、柔らかく煮て細かく切ったものをごく少量、主食にトッピングするか、昆布出汁を利用する程度に留め、特に甲状腺機能低下症や腎臓病を抱える犬には与えるのを避けましょう。

3. アレルギー反応がないか確認する

犬も人間と同じように、特定の食材にアレルギーを起こすことがあります。
(特に昆布に含まれるヨウ素にアレルギー反応を示す子も。)

昆布を与えた後に下痢や嘔吐、発熱、活力低下、皮膚のかゆみなどの症状が見られた場合や様子がおかしい時は、すぐに動物病院に行きましょう。

新しい食べ物を与える際は、アレルギーや体質に合わない反応がないかを観察することが重要です。初めて与える際は少量から始め、犬の反応を注意深く観察しましょう。

4. 味付けをしない

昆布はさまざまなものが販売されていますが、犬には味付けや加工されていない昆布を与えましょう。

人間用に加工された、佃煮やおしゃぶり昆布は、砂糖や醤油で味付けされており、犬にとって塩分や糖分の過剰摂取につながります。また、とろろ昆布もハチミツや砂糖、食塩が含まれている製品があるので注意が必要です。

そのため、与える際は「無塩昆布」を選び、出汁として与える場合は、危険な食材と一緒に煮ていないかも確認しましょう。

まとめ

基本的に、健康な犬に昆布を食べさせても問題ありません。

昆布は、栄養価が高いですが、ヨウ素をはじめとしたミネラルや水溶性食物繊維の過剰摂取には注意しなければなりません。適量であれば犬にとって嬉しい効果がたくさん期待できますので、与える際の注意点も参考にしながら与えてみてくださいね。

■健康な犬に昆布を与えても問題ない。
 ただし、持病を持っている子は与えすぎに注意する

■昆布に含まれる栄養素
1.カルシウム
2.食物繊維
3.ヨウ素
4.その他ミネラル

■犬に昆布を与えるメリット
1.犬の骨を太くする
2.低カロリーで肥満予防に効果的
3.免疫力アップが期待できる

■犬に昆布を与える際の注意点
1.乾燥昆布は極力少なめに
(他のフードとミックスしながら、単独では与えない)
2.与えすぎに注意する
3.アレルギー反応がないか確認する
4.味付けをしない

 

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