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犬や猫の腎臓病と食事の関係
人間同様、犬や猫に多い病気が腎臓病です。
血液検査でクレアチニン、BUN(尿素窒素)、SDMAの数値が指標になります。
このページでは、腎不全や尿毒症、慢性腎不全・急性腎不全・腎臓癌などの愛犬、愛猫のために自宅でもできる「食事」「ドッグフード」「キャットフード」などの食べ物や栄養面から、腎臓病対策を解説していきます。
■腎臓病とは?
腎臓は、血液中の老廃物や毒素を取り除き、必要な成分を再吸収して尿を作り、体外に排出する重要な役割を果たしています。また、腎臓は体内の水分量や塩分量を調節し、正常な血圧を維持する働きもあります。
腎臓病とは、腎臓の機能が低下した状態をいいます。短時間のうちに急激に低下する急性腎障害と、長い時間をかけて徐々に起こる、慢性腎臓病とがあり、どちらの場合も多飲多尿や尿量減少、体重減少や食欲不振などの症状が現れ、進行すると腎不全となり、末期には尿毒症の症状が現れます。
■腎臓病の指標となる血液検査
腎臓病は、初期段階では目立った症状が現れないため、健康診断で突然「腎臓がよくないです」と言われて驚く飼い主さんも多くいらっしゃいます。
腎臓病と診断するためには、尿検査、血液検査、超音波(エコー)などさまざまな検査をしますが、なかでも血液検査は一般的な定期健診にも組み込まれていることが多く、数値を比較して進行度を測ることが容易です。具体的には、以下の項目があります。
・BUN(尿素窒素)
→ タンパク質を分解した時にできるゴミ 通常は腎臓で濾されて尿中に排泄されます
・Cre(クレアチニン)
→ 筋肉中で作られる物質 腎臓で濾されて尿中に排泄されます
・SDMA
→ BUN・Creよりも早期に腎機能低下を発見できるとされている、比較的新しい検査項目です
■愛犬、愛猫が腎臓病かも?と思ったら、腎臓ケアをはじめよう
実際の腎臓病の診断は、血液検査だけでなく尿検査等も行い、血液検査でBUN・Cre・SDMAなどの値が基準値を超えた場合は、早めの腎臓ケアが有効です。
血液検査でBUNとCreの数値が上昇した時には、腎機能が75%以上失われていると言われています。SDMAの場合は、腎機能が40%失われた時点で数値が上がると言われていますが、いずれにせよ、これらの数値が上がった場合、食事療法による腎臓ケアを始めるのに早すぎるということはありません。
■腎臓ケアの食事療法
腎臓病、腎不全と診断された場合には、腎臓の負担を軽くし、病気の進行を遅らせるような栄養制限が必要となります。
・タンパク質制限(タンパク質20%以下に抑える)
タンパク質が体内で分解されると、老廃物として尿素窒素(BUN)が発生します。血液中の尿素窒素(BUN)は腎臓でろ過され、体外に排出されますが、タンパク質を過剰に摂取するとBUNもそのぶん増えるため、処理量が増え、腎臓に負担がかかります。従ってタンパク質を適度に制限することで、腎臓への負担を軽くすることが大切です。
・リン・カリウム制限
リンはミネラルのひとつで、骨や歯の成分となったり、細胞で体の調整をしたりと身体に必要な成分です。通常は腎臓でろ過や再吸収を行うことで、血中のリンの濃度を調節していますが、腎臓の機能が低下するとこの調整がうまくいかず、体内に蓄積した結果、腎臓病を悪化させてしまいます。従って、食事に含まれるリンの適度な制限をすることが推奨されています。
その他ナトリウムなど、ミネラルを全般的に制限、腎臓への負担を軽くすることや、腎臓病の進行を遅らせることができるとされています。ここで大切なことは、「適度な」制限ということです。タンパク質にしても、ミネラルにしても、過度な制限はデメリットもあります。「低ければ良いというものではない」とことも覚えておきましょう。
・オメガ3脂肪酸の栄養補給
オメガ3脂肪酸は、血液の流れを作り、抗炎症作用があると言われています。植物性では「えごま油」「アマニ油」、動物性では「サーモンオイル」のDHA、EPAなどがオメガ3脂肪酸を多く含みます。脂質は体に悪いイメージが強いですが、オメガ3脂肪酸だけは、積極的にあげることをおすすめします。
タンパク質もリンも、もともと体を構成するうえで不可欠な栄養素なので、制限をすればするほど良い、というものではありません。必要以上に制限することで、腎臓の負担を避けるというメリットにはなりますが、毛並みが悪くなる、筋肉がやせ細るといったデメリットもあります。
また、カロリー源でもあるタンパク質を制限しすぎることで、カロリーの補填として高脂肪食(10%以上)になることもあり、注意が必要です。
■ペットフードの成分を見直してみよう
食事療法で腎臓ケアを始めようと思ったら、まずは今あげているペットフードの栄養成分を見直してみましょう。
腎臓病に用いられる療法食は、さまざまな栄養成分の制限や調整をされたものになっています。制限すべき栄養の代表格は「タンパク質」で、ペットフードのパッケージに記載されている「粗タンパク(蛋白)」の部分がそれにあたります。
腎臓病の場合、20%以下の低タンパク質フードが理想的です。一般的な総合栄養食は、30%前後の高タンパク質フードであることが多く、そのまま与えてしまうと、弱った腎臓にさらに負担を与えることになってしまいます。
■無添加でもNG。ジャーキーなどおやつも注意
おやつもタンパク質が多いものがあります。例えば乾燥ジャーキーなどはその代表です。容器の裏側を確認いただき、「粗たんぱく質」が40%以上であれば要注意。タンパク質が凝縮したもの食品は腎臓に負担をかけます。
今あげているペットフード、またはおやつが高タンパク質フードの場合、腎臓ケアのためには、腎臓病に適した栄養バランスの療法食に変更することが理想的ですが、以下のような工夫をすることで、タンパクを薄め、腎臓に負担をかけないフードにすることができます。
■手元の高タンパク質フードを使って腎臓ケアをする場合は【茹で野菜】を併用する
今食べているペットフードが高タンパク質フードだった場合、茹でた野菜を使用することで、タンパク質を薄める(中和する)ことができます。濃縮されたカルピスを水で薄める事をイメージして頂くとよいかもしれません。
~茹で野菜の調理方法~
推奨される野菜(血糖値を上げにくい野菜)
サツマイモ・キノコ類・ニンジン・コマツナ・ブロッコリー
1、みじん切りにして10分間茹でる
2、茹で汁は捨てる(シュウ酸除去の為)
焼く、レンジはNG
上記のように処理をした野菜は食物繊維を多く含み、タンパク質を薄め、調整することが可能です。
<具体例>
・タンパク質40%のペットフードの場合→ペットフード1:茹で野菜1=タンパク質20%
・タンパク質30%のペットフードの場合→ペットフード2:茹で野菜1=タンパク質20%
この茹でた野菜は、さまざまな食べ物を薄めることに使用できます。
例えばフードのトッピングにお肉を使いたい場合、お肉単独ではタンパク質が30%程になり腎臓への負担が懸念されますが、ここに茹でた野菜を加えることでタンパク質を薄めることができます。
高タンパク質のおやつも同様です。腎臓病になると、さまざまな栄養制限がかかり、今まで食べていたおやつが食べられなくなることも多々ありますが、やはり茹でた野菜を加えることで、腎臓の負担を減らし、食べることができるようになります。
■東洋の薬膳食材のチカラでサポートする
ここまでは腎臓ケアに必要な栄養制限について書いてきました。みらいのドッグ・キャットフード「腎臓用」はタンパク質比率を18%に制限し、リンやナトリウムについても臨床栄養学的に適切な制限を加えています。
さらに、みらいのドッグ・キャットフード「腎臓用」は、多くの和漢植物を配合していることで、腎臓へのサポート力を強化しています。
例)黒豆、黄精、蓮実、南蛮の毛、クコの実
これらの和漢植物は、腎を補い、働きを良くし、体内の水分代謝を高めるものとなります。したがって、みらいのドッグ・キャットフードは「腎臓に負担にならない栄養制限」をしつつ、「和漢植物による腎臓のサポート」ができるフードになっています。
腎臓病のときに有用な薬膳食材
以下は、腎臓に有用な食べ物、食材(食品)です。腎不全や尿毒症、血液検査のクレアチニン、BUN(尿素窒素)、慢性腎不全・急性腎不全・腎臓癌対策としても有用です。
・腎臓病に良い食材① ハト麦
水分代謝作用が強く、余分な水を排泄する。腎臓病でむくみのある場合に良い。
・腎臓病に良い食材② どくだみ(十薬(じゅうやく))
利水作用や清熱作用にすぐれるため、尿の出の悪い腎臓病によい。
・腎臓病に良い食材③ あずき
利水作用が非常にすぐれる。
・腎臓病に良い食材④ トウモロコシのひげ(南蛮毛(なんばんもう))
利尿作用にすぐれるため、尿の出が悪く、むくみがある場合によい。
・腎臓病に良い食材⑤ アケビ
強い利尿作用をもち、清熱、消炎、利水、乳汁分泌促進などの目的で用いられる。
・腎臓病に良い食材⑥ 冬瓜
むくみによい食物として有名。利水作用にすぐれ、膀胱炎にも腎臓病にもよい。
・腎臓病に良い食材⑦ 山芋(山薬(さんやく))
補腎薬(ほじんやく)として有名な八味地黄丸(はちみじおうがん)の構成生薬。補腎強壮効果にすぐれる。
・腎臓病に良い食材⑧ 黒まめ
利水作用にすぐれ、血行を促進する。人間でもむくみ、関節痛・腰痛などにもよく用いられる。
・腎臓病に良い食材⑨ ハスの実
よく腎を補い強壮し、尿もれ、遺精など腎の諸症状に良く人間の腎臓疾患にも良い。
生薬・ゆで野菜とドライフードとのミックスがバランスもよくおすすめです。
◆生薬も野菜も細かくみじん切り+10分茹で、ゆで汁は捨てる。
◆【ゆで野菜】と【高タンパク質フード】の割合は、1:1
◆単品よりも少量多品種で!全体的にバランスよくあげましょう。

犬や猫の腎臓病に良いドッグフード・キャットフード
犬や猫の腎臓病に良い手作りの食事(食べ物)・ドッグフード・キャットフードです。89種の和漢植物配合の完全無添加の特別療法食です。
