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犬の便の状態は、元気のバロメーターといえます。
皆さんは、愛犬が下痢をしてしまった時、どうするでしょうか?今回は、元気で食欲のある犬が下痢をする原因や、病院へ行くべき下痢の症状、対処法について解説します。
元気で食欲のある犬が下痢をする主な原因
元気で食欲のある犬が下痢をする原因として、以下の6つが考えられます。
- フードが合っていない
- 食べ過ぎ
- アレルギー反応
- ストレス
- 異物誤飲
- 寄生虫
ここでは、それぞれの原因について詳しく解説します。
1. フードが合っていない
フードを変えてすぐに下痢をする場合は、フードの内容がその時の愛犬の胃腸に合っていない可能性があります。市販のフードには多くの成分が含まれており、その中の一つ、または複数の成分に身体が反応している恐れがあります。
フードを元に戻したら下痢が治まる場合は、新しいフードが原因であると判断できます。
ただし、フードを変えた時に合わなかったからといって、ずっと下痢が続くとは限りません。胃腸がフードに慣れてくれば、徐々に治まることもあります。
特に、フードの栄養価が高い場合、好転反応として便が緩くなることがあり、栄養に慣れるまでに時間が必要な場合もあります。
つまり、下痢になったからといって新しいフードを完全に否定するのではなく、慣れるまでの移行期間(1週間から1ヶ月間程度)様子を見るようにしましょう。
また、胃腸が弱い犬や、長年同じものを食べていた犬がフードを切り替える際は、徐々に割合を変えて、愛犬の体調の変化を注意深く観察しましょう。
2. 食べ過ぎ
犬は食欲旺盛なため、満腹感を感じずに食べ過ぎることがあります。
そして、食べ過ぎは消化不良を引き起こし、下痢の原因になる可能性がありますので、愛犬の食事量を適切に管理し、過剰な量の食事を避けることが重要です。
3. アレルギー反応
犬がアレルゲンとなる食品を摂取すると、食物アレルギーによる反応が起き、嘔吐や下痢、皮膚炎などの様々な症状が現れることがあります。アレルギー物質はドッグフードに含まれることもあり、牛肉、鶏卵、トウモロコシ、小麦、乳製品などが一般的なアレルゲンです。
フードを変えた後に体調に変化が見られる場合は、アレルゲンに反応している可能性が考えられます。また、長期間同じフードを与えている場合にも、ある日突然アレルギー反応を示すことがあるため、注意が必要です。
4. ストレス
犬も人間と同様にストレスによる胃腸障害を起こし、下痢になる場合があります。
犬の一般的なストレス原因としては次のようなものが挙げられます。
・引っ越しや長時間の留守番
・家族構成の変化
・近所の工事等による騒音
・台風や雷などの自然現象
・季節の変わり目や朝晩の大きな気温の変化 など
思い当たる項目があれば、できる限り取り除いてあげましょう。
5.異物誤飲
非食品、人間用の薬やサプリメント等を誤って摂取すると、下痢を引き起こす可能性があります。さらに、犬はゴミ箱から腐った食べ物を漁ることもありますが、これも下痢を引き起こす危険がありますので注意が必要です。
異物を飲み込んだことによって引き起こされる下痢は嘔吐を伴うことも多く、場合によっては緊急治療が必要となることもあります。異物誤飲した場合には、早めに動物病院を受診しましょう。
6. 寄生虫
回虫、コクシジウム、ジアルジア、トリコモナスなどの寄生虫によって、下痢を引き起こすことがあります。これらは寄生虫の卵で汚染された土壌や食物の摂取によって感染すると言われています。
また、母犬の胎盤や母乳を通じて子犬に感染することもあります。
上記のような寄生虫が寄生すると、下痢のほかに、毛艶の悪さ、腹部膨満、体重減少などのさまざまな症状が引き起こされることがあります。
病院に行くべき下痢の症状
病院に行くべき下痢の症状として、以下の3つがあげられます。
- 数日間下痢が続く
- 血便の症状がある
- 子犬やシニア犬の場合
ここでは、それぞれについて詳しく解説します。
1. 数日間下痢が続く
下痢が3日以上続く場合、脱水症のリスクが高まります。通常、犬の下痢は1〜2日で治まることが多いですが、それを超えて続くと、体内の水分と塩分が大量に失われ、命に関わる危険が生じる可能性があります。
特に、水のような下痢が頻繁に見られる場合は、なるべく早く動物病院を受診しましょう。
2. 血便の症状がある
下痢に血が混ざっていたり、黒いタール状の便をしている場合は、ウイルス感染、寄生虫、急性肝炎など様々な深刻な病気の可能性があります。このような症状は緊急性が高いため、速やかに動物病院へ連れて行くことが重要です。
3. 子犬やシニア犬の場合
子犬やシニア犬が下痢をしている場合、免疫力が低く体調が急変しやすいため、症状が軽い場合でも動物病院を受診することをおすすめします。少しでも心配な点があれば、すぐに病院に相談し、適切な対応を取るようにしてください。
下痢の症状がある場合の適切な対処法
下痢の場合の適切な対処法として、以下の4つがあげられます。
- 自宅で安静に過ごす
- 消化に良い食事を適量与える(給餌量を減らす)
- 適度な水分補給をする
- 動物病院を受診する
ここでは、それぞれについて詳しく解説します。
1. 自宅で安静に過ごす
下痢をしている間は、自宅での安静が重要です。激しい運動やドッグランへのお出かけは控え、散歩も短めにしてください。
また、トリミングやシャンプーなどのお手入れも下痢が落ち着くまで延期することをお勧めします。この期間は、愛犬が静かに過ごせるように配慮し、必要ならば獣医師の指示に従いましょう。
2. 消化に良い食事を適量与える(給餌量を減らす)
下痢をしている犬には、消化によい食べ物を選んで与えるとよいでしょう。硬いドッグフードを与えている場合は、フードを水でふやかすと消化しやすくなります。
また、手作り食材はなるべく細かく刻んだり、加熱して与えると消化が良くなります。さらには食事のあげすぎにも注意し、給餌量を少し少なくしてあげると良いでしょう。
3. 適度な水分補給をする
犬が下痢をすると体内の必要な水分が一緒に失われるため、脱水症状を引き起こしやすくなります。これは体力のない子犬やシニア犬にとって非常に危険です。
下痢になったら、水分をこまめに補給し、脱水のリスクを管理することが重要です。
4. 動物病院を受診する
元気で食欲がある成犬の場合は、多少の下痢であれば自宅で様子を見て大丈夫なケースが多いですが、上記の対処法で治らない場合や、「病院に行くべき下痢の症状」に当てはまる場合、他にもいつもと違う症状がある場合には動物病院を受診しましょう。
まとめ
下痢は犬に多い症状で、原因は様々です。
元気で食欲がある場合の下痢は、一過性である可能性が高く、2~3日で元の便に戻ることがほとんどです。
ただし3日以上続く下痢や、その他にも気になる症状がある時は動物病院を受診しましょう。特に、子犬やシニア犬は体調が急変しやすいため、注意が必要です。日頃から愛犬の健康チェックと、定期的な健康診断を心がけましょう。
■元気で食欲のある犬が下痢をする主な原因
1.フードが合っていない
2.食べ過ぎ
3.アレルギー反応
4.ストレス
5.異物誤飲
6.寄生虫■病院に行くべき下痢の症状
1.数日間下痢が続く
2.血便の症状がある
3.子犬やシニア犬の場合■下痢の症状がある場合の適切な対処法
1.自宅で安静に過ごす
2.消化に良い食事を適量与える(給餌量を減らす)
3.適度な水分補給をする
4.動物病院を受診する