皮膚病・アレルギー

犬にキウイを食べさせても大丈夫?与える量やアレルギーなどの注意点を解説

栄養豊富で甘酸っぱいキウイ。「愛犬にもおすそ分けしたいけど、食べさせても大丈夫?」と気になる飼い主さんも多いのではないでしょうか。キウイは犬にとって適量を守れば健康に良い食材ですが、与え方を間違えるとリスクを伴うこともあります。

本記事では、犬にキウイを与えるメリットや適切な与え方、注意点について詳しく解説します。「少量なら大丈夫?」「皮や種は取り除くべき?」といった疑問にもお答えするので、キウイを愛犬のおやつに取り入れる際の参考にしてみてください。

犬はキウイを食べても大丈夫!

キウイには、犬が中毒を起こすような有毒成分は含まれていないため、与えても安全な食べ物です。

ただし、腎臓病などの内臓疾患がある場合には、カリウムの制限から不向きであったり、アレルギー体質であれば食べさせる際の注意点が多い食べ物の一つでもあります。愛犬の健康を守るためにも、与える前に正しい知識を身につけておきましょう。

犬は何歳(いつ)からキウイを食べられる?

犬は離乳後からキウイを食べることができますが、安全に与えるための注意が必要です。

まず、離乳後の幼犬や噛む力が弱いシニア犬でも、熟したキウイは柔らかい果肉のため食べやすい果物です。ただし、犬は丸呑みしやすい習性があるため、キウイを与える際は小さくカットするか、すりつぶしてピューレ状にすることが安全です。

また、キウイはアレルギーを引き起こしやすい食材の1つであるため、初めて与える際は少量から様子を見ながら進めることが重要です。もしも与えた後に口や目の周りを痒がる、嘔吐するなどの症状が現れた場合は、アレルギーの可能性があるため速やかに動物病院へ相談してください。

犬に与えてもいいキウイの量【体重別】

大前提として、キウイは犬に必ず与えるべき果物ではありません。以下は健康な犬の場合の目安であり、心臓や腎臓、肝臓などに疾患がある場合は、さらに少量に抑えることが推奨されます。

また、一定以上の量を毎日摂取し続けるとデメリットが蓄積し、犬に負担をかけるリスクがあります。おやつの一つとして、たまに少量与えることを心がけましょう。

【与える目安量】
小型犬(体重10kg以下)      50g:2~3切れ
中型犬(体重25kg未満)    100g:4~5切れ
大型犬(体重25kg以上)      130g:6~7切れ

食べ方

キウイには果糖が含まれていますので、キウイのみをたくさん食べると、血糖値をあげてしまうデメリットがあります。

そのため、与える際はキウイを単独で食べさせるのではなく、ゆでた野菜と一緒にあげるのがおすすめです。食物繊維が果糖を絡みとり、排出する働きがあるため、より果糖のデメリットを軽減できるという点で有効です。

 ゆで野菜とキウイの割合は 1:1

※シニア期や内臓疾患のある犬には、この様な工夫をしてあげると良いでしょう。

ゆでた野菜で食物繊維を作るレシピは以下の通りです。

◆サキニコブ(血糖値を上げにくい野菜)◆
つまいも・のこ・参・松菜・ロッコリー

いずれも必ず細かくみじん切りし、3分以上茹でて、ゆで汁は捨てましょう。
※糖分や不要な栄養成分が流れ出ているゆで汁を捨てる事が大切な為、焼く、蒸す、レンジはNGです。

犬にキウイをあげる際の注意点

犬にキウイをあげる際は、以下の点に注意しましょう。

  • アレルギー症状に注意し、少量から与える
  • キウイの皮は与えない
  • 種や芯は取り除く
  • 喉に詰まらせないよう必ず小さくカットする
  • 食べ過ぎによる肥満に注意する
  • 持病がある犬(特に腎臓病や尿石症)は獣医師に相談する
  • 加工品(ドライキウイ、ジャム等)は避ける

それぞれの注意点について、詳しく解説します。

1. アレルギー症状に注意し、少量から与える

キウイは犬にとってアレルギーを引き起こしやすい果物の一つです。犬がアレルギーを起こすと、口の中のかゆみや嘔吐、下痢といった症状が現れることがあります。

特に花粉やラテックス、特定の野菜にアレルギーがある犬は注意が必要です。初めて与える際は小指の先ほどの量をひとかけらだけにし、体調に変化がないか、様子を観察しましょう。異変を感じたら速やかに獣医師に相談してください。

2. キウイの皮は与えない

キウイの皮は硬く、犬には消化できません。また、皮に農薬や汚れが付着していることもあるため、必ず皮をむいてから犬に与えましょう。皮を取り除くことで、安心して食べられるようになります。

3. 種や芯は取り除く

キウイの種や芯は、犬にとって消化が難しく、喉に詰まったり消化の負担になったりすることも。とくに中央にある白い芯の部分は硬いため、取り除いてあげましょう。

4. 喉に詰まらせないよう必ず小さくカットする

犬は食べ物を丸呑みする習性があります。大きな塊のまま与えると喉に詰まらせる危険があるため、愛犬の口の大きさに合わせて、必ず細かく刻んでから与えましょう。消化が苦手な子には、すりおろしてあげるのもおすすめです。

5. 食べ過ぎによる肥満に注意する

キウイには健康に良い面もありますが、与えすぎると肥満や下痢につながる可能性があります。キウイには天然の糖分が含まれており、体重管理が必要な犬には少量に抑えることが重要です。

具体的に、1回に与える目安としては、小型犬ならスプーン1杯、中型犬で2〜3杯、大型犬でも半分以下に留めましょう。

6. 持病がある犬(特に腎臓病や尿石症)は獣医師に相談する

キウイに含まれるシュウ酸は、尿路結石(シュウ酸カルシウム)の原因になる可能性があります。また、カリウムは、腎臓病の犬にとって負担になることがあります。

これらの持病がある、または過去に診断されたことがある場合は、自己判断で与えず、必ずかかりつけの獣医師に相談してください。

7. 加工品(ドライキウイ、ジャム等)は避ける

人間用のドライキウイやジャムなどの加工品は砂糖や添加物が多く含まれているため、犬には与えないでください。犬にキウイを与える際は、無添加の新鮮なキウイを選びましょう。

キウイに含まれる栄養素と犬に与えるメリット

キウイにはたくさんの栄養素が含まれており、犬の健康にとってもメリットです。主に、以下の栄養素が含まれています。

  • アクチニジン
  • ビタミン
  • 食物繊維
  • カリウム
  • ​​ルテイン
  • βカロテン

それぞれの栄養素について、以降で詳しく解説します。

1. アクチニジンを摂取できる

キウイには「アクチニジン」という消化酵素が含まれています。この酵素はタンパク質を分解する働きがあり、犬の消化吸収を助けてくれるメリットがあります。

一方で、アクチニジンには注意も必要です。一部の犬においてですが、アレルギー反応を引き起こす場合があります。アレルギー反応が起きた場合、犬はよだれを多く垂らしたり、口の周辺を気にする行動を取ることがあります。そのような異常が見られたら、すぐに与えるのをやめて動物病院を受診してください。

2. ビタミン

キウイには、抗酸化作用のあるビタミンCビタミンEや、皮膚や免疫機能を助けるビタミンAが豊富に含まれています。ちなみに、ゴールデンキウイにはグリーンキウイの2倍近くのビタミンCが含まれています。

ただし、犬は自身の体内でビタミンCを生成することができるので、積極的にキウイから摂取する必要がありません。むしろ過剰摂取すると、尿phをアルカリに傾ける可能性がありますので、与える量は少量に留めておきましょう。

ミネラルビタミンは身体を形成する上で大切な成分ではありますが、多く摂れば良いというものではなくバランスがとても大切です。

持病があり、特定の栄養素の制限が必要な場合には、キウイ単独で与えると持病が悪化するリスクがあるので与えすぎには注意しましょう。

3. 食物繊維

キウイには不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方が含まれており、これらは腸内環境を調整する効果があります。そのため、便秘の問題を抱えている犬にもキウイはおすすめできます。

ただし、食物繊維の摂取量が過剰である場合、下痢の原因となる可能性もあるため、キウイを過度に与えないように注意が必要です。

4. カリウム

キウイにはカリウムも含まれており、カリウムは体内のナトリウム排出を助けてくれるほか、血圧の調整や心臓機能の維持にも繋がります。また、筋肉や神経の働きをサポートする重要なミネラルです。

ただし、腎臓病やカリウム制限が必要な犬には、カリウムを過剰に摂取しないよう十分に注意する必要があります。こうした持病を持っている場合、キウイを与える前に必ず獣医師に相談してください。

5. ​​ルテイン

キウイには、抗酸化作用を持つ「ルテイン」も含まれています。この成分は目の健康をサポートし、視力の保護に役立つことで知られています。犬の体内ではルテインを合成することができないため、食事からの摂取が必要です。

特にシニア犬や目のトラブルが気になる犬にとって、ルテインを含むキウイはメリットのある果物です。また、キウイだけでなく、ルテインを含む他の食材も組み合わせて与えるのも1つの手です。

6. βカロテン

キウイに含まれるベータカロテンは、体内でビタミンAに変換されます。これにより、視力の維持、皮膚や被毛の健康サポート、免疫力の向上などに役立ちます。

特に、シニア犬や健康が気になる犬にとって、ベータカロテンを含むキウイを適度に与えることは効果的です。

キウイの代わりに与えられる果物や野菜

ここまで犬にキウイを与えることのメリットや注意点について解説しましたが、キウイ以外にも与えられる果物や野菜についていくつか紹介します。

  • いちご
  • リンゴ
  • みかん
  • マンゴー
  • バナナ
  • パイナップル
  • メロン
  • ブルーベリー

1. いちご

いちごは、ビタミンC抗酸化成分を豊富に含み、免疫力を高める効果が期待できる果物です。その甘みから、犬も好むことが多いです。与える際は、必ずヘタを取り、小さくカットして与えましょう。

ただし、いちごには糖分が含まれているため、与えすぎると肥満の原因になることがあります。おやつとして少量を与えるよう心がけてください。

関連記事:「犬はいちごを食べても大丈夫!?注意点や適切な与え方

2. リンゴ

リンゴは、ビタミンCビタミンA食物繊維が豊富で、腸内環境を整えるのに役立ちます。特に便秘気味の犬にはおすすめです。しかし、種や芯には有害な「アミグダリン」が含まれているため、必ず取り除き、薄くスライスして与えてください。

関連記事:「愛犬にリンゴを与えても平気?メリットや注意点、与え方を解説

3. みかん

みかんは、水分補給ビタミンCの摂取に適した果物です。ただし、皮や種は消化に負担をかけるため、果肉部分だけを与えるようにしましょう。また、酸味が苦手な犬もいるため、初めて与える場合は少量から試し、愛犬の様子を観察してください。

関連記事:「犬はみかんを食べても平気?与え方や注意点と合わせてご紹介

4. マンゴー

マンゴーは、ビタミンAビタミンEが豊富で、皮膚や被毛の健康をサポートする果物です。皮と種を必ず取り除き、果肉を小さくカットして与えましょう。糖分が高めのため、与える量を調整して、少量ずつ与えるように注意してください。

関連記事:「犬はマンゴーを食べても平気?与えるメリットや注意点をご紹介!

5. バナナ

バナナは、カリウムビタミンB6食物繊維が豊富で、消化に良い果物です。特に散歩や運動後のエネルギー補給に適しています。ただし、糖分が多い果物でもあるため、薄くスライスして少量ずつ与えることがポイントです。

関連記事:「愛犬にバナナを与えても平気?メリットデメリットや与え方、注意点を解説

6. パイナップル

パイナップルは、ビタミンC酵素を含み、犬の消化を助ける効果が期待できる果物です。果肉の甘みは犬にも人気ですが、糖分が多いため与えすぎには注意が必要です。皮や芯は硬く、消化不良を起こす可能性があるため、必ず取り除いてから、小さくカットして与えましょう。特に初めて与える際は、少量からスタートして様子を見てください。

関連記事:「犬にパイナップルを与えても平気?与えるメリットや注意点をご紹介

7. メロン

メロンは、水分ビタミンが豊富な果物で、特に暑い季節の水分補給に役立ちます。甘みがあり、犬も好むことが多いですが、糖分が多い果物でもあるため、適量を守ることが大切です。

皮や種は消化に負担をかける可能性があるため、必ず取り除き、果肉だけを小さくカットして与えましょう。初めて与える場合は少量から始め、愛犬の体調に変化がないか確認してください。

関連記事:「犬はメロンを食べても大丈夫?メリットや与え方、注意点を解説

8. ブルーベリー

ブルーベリーは、抗酸化作用が高いアントシアニンを含む果物で、犬の健康維持に役立ちます。そのまま与えられるため手軽ですが、小粒のため喉に詰まらせないよう注意してください。夏場には冷凍ブルーベリーを冷たいおやつとして与えるのもおすすめです。

関連記事:「愛犬にブルーベリーを与えても平気?メリットや与え方、注意点を解説

甘みがあって、消化に良く、アレルギーにも配慮した「安全おやつ」と、89種和漢植物と無添加原材料で作られた「超ヘルシーフード」

ここまで、愛犬にキウイを与えるメリットや効果、さらにキウイ以外の果物について紹介しました。

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まとめ

キウイは、正しく与えればビタミン補給や消化の助けになる、犬にとっても嬉しい果物です。キウイには消化酵素アクチニジンや、ビタミンC・E、食物繊維が含まれており、消化吸収のサポートや腸内環境の改善、健康維持に役立ちます。

しかし、アレルギーの可能性や、食べ過ぎによる肥満や尿路結石のリスクがあるため、与える際には注意が必要です。

キウイを与えるときは、皮や芯を取り除き、小さくカットするかすりつぶしてから与えると安全です。また、果糖のデメリットを軽減するため、ゆで野菜と一緒に与えるのがおすすめです。キウイは愛犬のおやつや特別な日のご褒美として、上手に取り入れてみてください。