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散歩中に愛犬が草を食べることについて、多くの飼い主さんが心配しているのではないでしょうか?犬の中には、まるでサラダバーを楽しむように草をむしゃむしゃと食べる子もいますが、その理由についてはまだ完全には解明されていません。
単に野菜不足が原因であるわけではなく、他にもさまざまな理由が考えられます。この記事では、犬が散歩中に草を食べる理由や、その際に気をつけるべきポイントについて詳しく解説します。
そもそも犬は草を食べても平気?
犬が草を食べることはよく見られる行動ですが、基本的には控えさせたほうが良いでしょう。犬が口にしても問題ない草もありますが、散歩中に犬が食べる草にはさまざまなリスクが潜んでいます。
まず、草には中毒症状を引き起こす有毒植物が含まれている場合があります。これらを誤って食べると、嘔吐や下痢などの健康被害が発生する可能性があります。また、草に除草剤や農薬が付着していることもあり、これを摂取すると犬に深刻な影響を及ぼすことがあります。
さらに、草には寄生虫や病気の原因となる細菌が付着していることも考えられます。たとえば、他の動物の排泄物に含まれる内部寄生虫の卵が草に付いている可能性があり、それを食べた犬が感染症を引き起こすこともあります。
また、ダニやノミといった寄生虫が草に潜んでいることもあり、犬の健康に悪影響を与えることがあるため、注意が必要です。
このように、草を食べる行動にはさまざまなリスクが伴うため、犬が草を口にしないようにすることが大切です。
犬が散歩中に草を食べる6つの理由
犬が散歩中に草を食べる理由には、主に以下のようなものがあります。
- ストレスが溜まっているから
- 異物を吐きたいから
- お腹を空かせているから
- 栄養(ビタミン、食物繊維など)を補給したいから
- 草を食べるのが好きだから
- 家に帰りたくないサインを出しているから
それぞれの理由について、詳しく解説していきます。
理由1. ストレスが溜まっているから
犬が散歩中に草を食べる1つ目の理由は、ストレスが溜まっているからです。犬は、ストレスを感じた際に、それを解消するために草を食べることがあります。
ストレスの原因は、運動不足や睡眠不足、さらには飼い主の生活環境の変化など多岐にわたります。例えば、引っ越しや家族構成の変化(結婚や出産)などが、犬にとって大きな負担となることもあります。
もし、散歩中に草を食べることに没頭し、飼い主の声に反応しなくなるほどであれば、それは強いストレスが関係しているかもしれません。
理由2. 異物を吐きたいから
犬が散歩中に草を食べる2つ目の理由は、異物を吐きたいからです。犬は興味を持ったものを何でも口に入れる習性があり、時には異物を誤って飲み込んでしまうことがあります。
こうした異物や有害物を吐き出すために、犬は尖った草を食べて胃の粘膜を刺激し、自然に吐き出そうとすることがあります。古代の犬も、このような方法で体調を整えていたとされており、現代の犬もその本能を受け継いでいるのかもしれません。
理由3. お腹を空かせているから
犬が散歩中に草を食べる3つ目の理由は、お腹を空かせているからです。特に、食事の時間が近づいている時や飢えを感じている時、犬は一時的に空腹を満たそうとして草を食べることがあります。
単なる空腹だけでなく、栄養の偏りを感じている場合にも、草を食べて不足した栄養素を補おうとする可能性も考えられます。さらには、犬が草の味や食感を好んで、おやつ感覚で食べることもあるでしょう。
理由4. 栄養(ビタミン、食物繊維など)を補給したいから
犬が散歩中に草を食べる4つ目の理由は、栄養(ビタミン、食物繊維など)を補給したいからです。特にビタミンや食物繊維が不足している場合、犬は本能的に草を食べてその不足を補おうとします。
例えば、葉酸や食物繊維は犬にとって重要な栄養素であり、消化機能の改善や体調の維持に役立つと考えられます。
また、犬の祖先は自然の中で内臓を食べて酵素を摂取していましたが、現代の犬はその機会が少ないため、草を通じて必要な酵素を摂取しようとしている可能性もあります。
理由5. 草を食べるのが好きだから
犬が散歩中に草を食べる5つ目の理由は、草を食べること自体が好きだからです。特に好奇心旺盛な犬や子犬は、草の感触や味に興味を持ち、楽しみながら食べることがあります。
犬によっては、ただ草を噛んで遊んでいる場合もあり、好奇心から何でも口にする行動の一環として草を食べることもあります。要するに、単純に草が好きな犬もいるということです。
理由6. 家に帰りたくないサインを出しているから
犬が散歩中に草を食べる6つ目の理由は、家に帰りたくないサインを出しているからです。散歩中、犬が草むらに向かうことが多く、特に帰り際に草を食べようとする場合、「まだ散歩を続けたい」という意思表示をしている可能性があります。
犬は楽しんでいる時間を延ばすため、草を食べて時間稼ぎをしようとしているのかもしれません。特に単調な散歩コースや、いつもとは違うコースだと感じた場合、この行動が顕著になることがあります。
犬が好んで食べる草
犬は、イネ科の植物である「イヌムギ」をはじめ、エノコログサ(ネコジャラシ)やスズメノカタビラなどの細長く尖った草を好んで食べることがあります。ペット用に販売されている食べる草には、これらのイネ科の植物がよく使用されています。
また、犬によってはナズナなどの他の植物を好んで食べることもあります。
犬が食べてはいけない草
犬が食べてはいけない草や植物には、さまざまな種類があります。以下に、代表的な有毒植物を紹介します。
- 除草剤が撒かれた草
- ツツジ科全般
- ユリ科全般
- アサガオの種子
- アジサイの葉とつぼみ
- スイセンの球根
- アロエの内部乳液
それぞれの危険性について、詳しく解説していきます。
1. 除草剤が撒かれた草
除草剤が撒かれた草は、犬にとって非常に危険です。除草剤には犬の体に有害な成分が含まれており、次のような経路で体内に取り込まれる可能性があります。
- 除草剤が付着した草を直接食べる
- 除草剤が撒かれた地面を歩き、その後足や被毛を舐める
- 除草剤の散布中に、犬が吸い込んでしまう
除草剤を摂取した場合、犬には嘔吐、食欲不振、痒みといった症状が現れ、摂取量が多いと痙攣や死亡に至ることもあります。
2. ツツジ科全般
ツツジ科の植物は、特に注意が必要です。ツツジやシャクナゲなどのツツジ科植物は、葉や花に毒性があり、犬がこれらを食べると中毒症状を引き起こす可能性があります。
ツツジ科植物の中毒症状には、嘔吐、めまい、下痢などがあり、多量摂取すると死亡することもあります。
3. ユリ科全般
ユリ科の植物(ユリ、チューリップ、ムスカリなど)も、犬にとって有毒です。犬がこれらを摂取すると、嘔吐、痙攣、狂乱、昏睡などの重篤な症状を引き起こす可能性があります。
特にユリは犬にとって危険で、庭や家の中で栽培している場合は、犬が近づかないように注意する必要があります。
4. アサガオの種子
アサガオの種子も、犬にとって非常に危険です。アサガオは、小学校などでよく栽培される植物ですが、種子には犬に有害な物質が含まれています。犬がアサガオの種子を摂取すると、嘔吐、下痢、血圧低下などの症状が現れることがあります。
5. アジサイの葉とつぼみ
アジサイの葉やつぼみも犬にとって有害です。犬がアジサイを食べると、嘔吐、めまい、意識障害といった中毒症状が発生することがあります。アジサイは花壇や庭で人気の植物ですが、犬が誤って葉やつぼみを食べないよう、十分に気を付けましょう。
6. スイセンの球根
スイセンの球根は、犬が食べると非常に危険です。スイセンの球根には毒性があり、犬が摂取すると下痢、嘔吐、神経麻痺、血圧低下などの症状を引き起こす可能性があります。
特に、スイセンはニラと似た外見をしているため、誤って食べてしまうケースが人間でも報告されており、犬も同様に誤食するリスクがあるため注意が必要です。
7. アロエの内部乳液
アロエは一見無害そうに見えますが、犬にとっては有害です。特に、アロエの内部の乳液部分には毒性があり、犬が摂取すると下痢、嘔吐、胃腸障害を引き起こす可能性があります。
アロエは家庭で栽培されることも多く、犬が簡単にアクセスできる場所に置かれている場合がありますが、犬の健康を守るためには注意が必要です。
草以外の危険なもの
犬にとって危険なのは草そのものだけではありません。草に付着しているものや、草むらに潜む危険な生き物にも注意が必要です。以下では、犬が草むらで遭遇する可能性のある危険なものについて詳しく解説します。
- 除草剤や農薬
- 寄生虫
- 昆虫や爬虫類
それぞれの危険性について、詳しく見ていきましょう。
1. 除草剤や農薬
草そのものには問題がなくても、除草剤や農薬が散布されている場合があります。除草剤や農薬を摂取してしまうと、犬に次のような症状が現れることがあります。
- 嘔吐
- 下痢
- けいれん
- 痛みや痒み
特に、摂取した量が多いと命にかかわることもあります。公園や農地などでは、除草剤や農薬が定期的に散布されることがあるため、散歩中に犬が草を食べる際には十分に注意が必要です。
また、除草剤が散布された場所には張り紙や告知がされることが多いため、散歩コースでそうした掲示物を確認する習慣をつけることが大切です。
2. 寄生虫
草むらには、犬にとって厄介な寄生虫も潜んでいます。特に注意が必要なのはノミやマダニです。これらの寄生虫は、犬の皮膚に付着し、血を吸うことで健康に悪影響を与えます。ノミやマダニが犬に寄生すると、次のような症状が現れることがあります。
- 皮膚の炎症や痒み
- 貧血
- マダニが媒介する感染症(バベシア症など)
特にマダニは、犬に深刻な感染症を引き起こす危険があるため、草むらを散歩する際には犬が寄生虫に感染しないよう、こまめにチェックすることが重要です。散歩後には犬の体をしっかり確認し、ノミやマダニがついていないかを確認しましょう。
3. 昆虫や爬虫類
草むらには、犬にとって危険な昆虫や爬虫類が隠れていることもあります。犬が草を食べていないにもかかわらず、長時間草むらに顔を突っ込んでいる場合、こうした生き物に興味を示している可能性があります。
注意が必要な生き物の例として、次のようなものが挙げられます。
- ヘビ
- クモ
- ムカデ
これらの生き物の中には、毒を持っているものも多く、咬まれたり刺されたりすると、犬に深刻な健康被害をもたらすことがあります。
特に、ヘビに咬まれた場合、毒によって重篤な症状を引き起こす危険があり、即座に動物病院での治療が必要です。クモやムカデも、刺されると痛みや炎症を引き起こすことがあるため、草むらで遊ばせる際には十分な注意が求められます。
犬が草を食べる場合の対処法
犬が草を食べる場合の対処法は以下の通りです。
- 危険な草を食べた場合
- 体調不良が原因で草を食べる場合
- ストレスや退屈が原因で草を食べる場合
- 栄養不足が原因で草を食べる場合
それぞれの対処法について、詳しく見ていきましょう。
1. 危険な草を食べた場合
犬が毒性のある草を食べてしまった場合、嘔吐や下痢、痙攣などの症状が現れることがあります。場合によっては命に関わることもあるため、症状が出た場合はすぐに動物病院を受診しましょう。
また、犬のお尻から草が出ている場合、無理に引っ張らず、自然に出るのを待つことが安全です。食べた草の種類が分かる場合は、獣医師に伝えてください。
2. 体調不良が原因で草を食べる場合
犬が体調不良で胃のむかつきを感じると、草を食べて嘔吐を促すことがあります。草を頻繁に食べている場合や、嘔吐や食欲不振が続く場合は、消化器系のトラブルが疑われるため、獣医師に相談するのが安心です。体調が改善すれば、草を食べる行動も自然と減少します。
3. ストレスや退屈が原因で草を食べる場合
犬はストレスや退屈を感じると草を食べることがあります。運動不足や長時間の留守番が続くと、こうした行動が現れることがあります。適度な運動やスキンシップを増やすことで、ストレスを軽減し、草を食べる行動を抑えることができます。犬がリラックスできる環境を整えることも効果的です。
4. 栄養不足が原因で草を食べる場合
犬が栄養不足を感じて草を食べることもあります。食事の栄養バランスを見直し、総合栄養食を与えることで、必要な栄養を補いましょう。栄養補助食品やサプリメントを導入する際は、必ず獣医師に相談するようにしてください。急な食事の変更は避け、少しずつ新しい食事に慣れさせることが大切です。
数時間経過しても症状が回復しない場合は動物病院の受診を
中毒症状は、食べてしまった草による成分や量、犬の体質によって、症状が出る時間や重症度は異なってきます。食べた直後に吐かせることができれば良いのですが、気づかずに時間が経過してしまうと、中毒成分が体に吸収されて、症状が重くなる場合もあります。
上記のような症状が出ていて、草の誤食に心当たりがある場合には、なるべく早く動物病院を受診しましょう。
犬に危険な草を食べさせないための対策3選
犬が散歩中に危険な草を食べてしまわないようにするための対策として、主に以下の3つが挙げられます。
- ストレスフリーな環境を作る
- 適度におやつを与える
- ペット用に販売されている草をあげる
それぞれの対策について、詳しく解説していきます。
対策1. ストレスフリーな環境を作る
1つ目の対策は、犬にストレスフリーな環境を作ることです。犬がストレスを感じると、無意識に草を食べてしまうことがあります。例えば、引っ越しや家族の増加など、環境の変化が原因でストレスが溜まることがあります。
このような場合、犬の生活環境を整え、スキンシップを増やし、適度な運動を取り入れることが効果的です。
特に、急に環境を変えられない場合は、飼い主が犬とのコミュニケーションを増やし、ストレス軽減に努めましょう。結果として、犬の気持ちが落ち着き、草を食べる行動も減少します。
対策2. 適度におやつを与える
2つ目の対策は、適度におやつを与えることです。犬が草を食べる理由の1つに、空腹や好奇心があります。これを防ぐために、散歩の前に少量のおやつを与えると、空腹感が和らぎ、草に対する興味を減らすことができます。
また、散歩の途中でもおやつを与えることで、草に注意が向かないようにするのも有効です。特に、頻繁に草を食べようとする犬に対しては、こうした方法で注意をそらし、危険な草を食べるリスクを減らすことができます。
対策3. ペット用に販売されている草をあげる
3つ目の対策は、市販のペット用の草をあげることです。どれだけ対策をしても草を食べたがる犬には、ビタミンや食物繊維を含んだペット用の草を与えるのが一つの手段です。
特に、栄養不足が原因で草を食べている場合は、ドッグフードに茹でた野菜をトッピングして補うことができます。ただし、生野菜にはシュウ酸による結石のリスクがあるため、与える際は注意が必要です。ペット用草や安全な野菜で犬の健康を守りつつ、草を食べる習慣を減らせます。
食事の工夫とサプリを活用しよう
犬が草を食べる行動は、栄養不足や空腹感、体調不良が原因となっていることが多いです。
こうした行動を抑えるためには、食事の工夫とともに、サプリメントを取り入れることが効果的です。サプリメントは、通常の食事だけでは十分に補いきれない栄養素を効率よく補充でき、犬の栄養バランスを整えるサポートをしてくれます。
例えば、ビタミンやミネラルが不足していると、犬は本能的にそれを補おうとして草を食べることがあります。しかし、草には十分な栄養が含まれていないため、栄養補給には適していません。
このため、栄養バランスが崩れがちな犬には、食事と合わせてサプリメントを活用することで、体調改善と行動の改善を期待できます。
特に、「和漢おやつシリーズ」は、内臓に負担をかけない低糖質の羅漢果を使用しており、犬の健康を維持しつつ、必要な栄養素を補給できる犬用のおやつです。このシリーズは、空腹を和らげ、満腹感を持たせる効果があるため、結果として草を食べにくくする可能性が高まります。
具体的には、「みらいのドッグフード(ダイエット用)」や「みらいのおやつシリーズ(和漢ヤギミルクパウダー)」などの健康志向のフードと組み合わせることで、犬が無理なく栄養を摂取できるため、おすすめです。
まとめ
この記事では、犬が草を食べる原因と注意すべきポイントについて解説しました。
犬が草を摂取する理由はさまざまですが、散歩中に見かける植物でも犬にとって危険なものが存在することを覚えておくことが大切です。
愛犬を危険から守るためには、まず飼い主が何が危険かを知ることから始まります。犬自身はその草が安全かどうかを判断する能力がありません。したがって、疑わしい場合は安易に摂取させないように心掛けましょう。